️人間と犬、脳の違い
犬は視力は約0.2〜0.3程度で、常に視界はぼんやりとしています。そのかわり、動体視力や聴覚に優れていますが、人間と犬では、脳に器質的な違いがあります。
具体的には、理性や感情コントロールを行う「前頭葉」の占める比率が異なります。人間で約29%、犬で約7%となっており、犬の方が恐怖心を抱きやすいことが分かります。
犬が恐怖を感じる対象として、代表的なものに『雷』があります。
予測できない大きな音もそうですが、気圧の変化も影響しています。また、飼い主が怖がる様子を見せると、負の感情は犬にまで伝染します。
️犬が怖がるものって…?
1.破裂音
花火や風船の「バンッ」と鳴る破裂音は、頻繁に耳にする音ではありません。
聞き慣れないということもありますが、音の発生源が正体不明なので、犬には到底理解できないのです。
「花火恐怖症」「風船恐怖症」という言葉があるくらいなので、犬に限らず、人間でも苦手に感じる方はいます。
2.グレーチング
「グレーチング」とは、道路脇の側溝にはめ込まれている格子状の金属製の蓋のことです。
溝に足を取られるのが嫌なのか、グレーチングゾーンに差し掛かるとほとんどの犬はその上を歩くのを躊躇し、以下のような行動を取ります。
- ジャンプして飛び越える
- グレーチングの横を通り過ぎる
- 立ち止まって抱っこをせがむ
3.水
泳ぎが得意な犬種がいる一方で、水に触ることすら怖がる犬がいます。
水辺がない地上で生活していた犬種(※1)、愛玩犬に該当する犬種(※2)は水に慣れていないため、水嫌いが多いようです。
泳ぐ機会はなくても、お風呂まで嫌がるようになったら、体が汚れて洗いたいときに困ってしまいますよね…。
※1 ビーグル、ダックスフンド、柴犬 など
※2 チワワ、ポメラニアン、ミニチュア・ピンシャー など
4.不機嫌な飼い主
「もの」に含んで良いかどうかは微妙ですが、「不機嫌な飼い主」も犬が怖がる対象です。
自分が怒られている訳ではなくても、飼い主の機嫌が悪く強めの口調で話していたりすると、ピリピリした空気を感じ取り、不安な気持ちになります。八つ当たりは言語道断です。
犬は争いを好まないため、穏やかな暮らしを求めています。頼りの飼い主が怖い存在になると、怯えて近寄ることを避けるようになります。
️恐怖心による行動
恐怖を感じた犬は、どのような行動を見せるのでしょうか。いくつかの例を挙げてみます。
- 小刻みに震える
- 腰が引ける
- 耳が倒れている
- 心拍数が上がる
- おしっこを漏らす
上記のような症状が続くと、精神的苦痛から、後にトラウマとなってしまいます。
リラクゼーション・トレーニングなど、犬の心が安定する方法を考えてみて下さい。
️まとめ
メス犬、去勢済みのオス犬は恐怖心が強い傾向にあるようです。
室内で過ごしている場合、雷や花火は雨戸・カーテンを閉めておくことで、ある程度の音は遮断できます。
パニックになって逃げ出す犬がいるので、ドアや窓は施錠しておいて下さい。
怖がりの度合いはそれぞれですが、飼い主は過剰に反応せず、いつも通りに接することを心がけて下さい。
獣医師やプロの訓練士にも相談しながら、少しずつ恐怖を克服していきましょう。