犬が亡くなった飼い主を想うストーリーは数多く存在する
昔から日本だけでなく、世界中に犬と飼い主との感動的なストーリがー溢れています。その中に飼い主が先に旅立ってしまい、飼い主のいなくなった状況を悲しむかのような切ない犬の物語も多くあります。
日本では、渋谷に銅像が建てられている『忠犬ハチ公』が有名です。飼い主の帰りを渋谷まで迎えに行き、飼い主の死後も約10年間通い続けたという伝説が残る秋田犬です。
実際にこうした物語が言い伝えられている一方で、犬が本当に飼い主の死を理解しているのかどうかは疑問が残ります。そもそも『死』という概念は人間が作り出したものです。犬は『死』という概念を持っているのでしょうか。
犬は『飼い主の死』を理解しているの?
ここで本題に入りますが、犬は飼い主の死を理解しているのでしょうか。そもそも犬には『死』という概念が存在しているのでしょうか。
1.犬に『死』という概念があるかは定かではない
現段階で、犬に『死』という概念があるかどうかはわかっていません。犬は言葉を話せないので、死という概念を持っているかどうかを調べる術が現段階ではないのです。
しかし、そもそも『死』という概念は人間が作り出したものなので、動物が「この人(相手)が死んだからもう会えない」という考えを持っている可能性は、現段階では低いと言えるでしょう。
一昔前まで犬は自分の死期を予知するなどと言われてきましたが、現段階では自分がもうすぐ死ぬということはわかっていないと言われています。
2.『飼い主の死』は理解できるの?
犬に『死』という概念が存在するかどうかは定かではないと現段階では考えられていることを踏まえて考えると、犬は飼い主の死に対して「飼い主が死んでしまったからもう会えない」という理解は、できていないのではないかと考えられています。
これは飼い主が亡くなった時の状態にもよりますが、「飼い主が死んでしまった」という明確な理解には繋がっていない可能性が高いです。
例えば、犬と一緒に過ごしている最中に飼い主が倒れて亡くなってしまった場合、犬は飼い主の異常事態を感じるでしょう。そのまま運ばれていき、飼い主が帰ってこない状態に「もしかしてもう会えないのでは」という不安感に襲われる可能性はあります。
しかし、先ほど話に出てきた『忠犬ハチ公』のように、飼い主が自分の目の前ではなく、病院など別の場所で亡くなった場合、「なかなか帰ってこないな」「いつか帰ってくるのだろう」と、飼い主が死んだことを理解できず、待ち続ける可能性が高いと考えられます。
どちらもとても切ないですが、現段階ではこのように犬が飼い主の死を明確に理解しているとは言えません。
飼い主の死後、犬はどのように反応する?
現段階で、犬は飼い主の死を理解できるとは考えられません。しかし、普段、毎日自分の元に帰ってきてくれる飼い主が、ある日突然自分の元に帰ってこなくなってしまった現状に、焦りや不安、恐怖感を抱くことは想像できます。
「なぜ帰ってこないのか」「もう少し待てば帰ってくるはず」と最初のうちは考えているでしょうが、自分にとって親代わりでもあり、リーダーでもある飼い主がいなくなることは、犬にとって混乱を招き、同時に今後の方向性を見失うことにもなります。
徐々に「もう飼い主には会えないのではないか」「どうすれば良いのか」という悲しみに似た不安感や恐怖感を抱いてもおかしくはないでしょう。
実際、家族の誰かが亡くなってしまった際、犬がその日から徐々に元気がなくなったり、食欲がなくなってしまうという話はよく聞きます。
こうした事例を見ても、犬は飼い主の死を理解してはいないものの、飼い主のいなくなった現状に大変な悲しさや不安、恐怖を感じると考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。現段階では、犬が『死』に対してどのように考えているかは定かになっていないため、あくまで犬の習性や本能に関する知識、さらにあらゆる見識から推定する他ありません。
しかし、長年一緒に連れ添ってきた飼い主がいなくなることは、犬にとっても大きなショックです。飼い主として、愛犬よりも長生きできるよう健康に気を配りたいですね。
ユーザーのコメント
20代 男性 匿名
飼い主が死んだら会えないのを解らないなんて馬鹿だと思う人も居るかもしれませんがそれほど一途なのでしょう。死のうと死ななかろうと会えない寂しさは人と同じ様に感じるのですね
50代以上 女性 匿名
その母が急に亡くなり、犬たちは出棺の時は遠吠えをして母を送っていました。まもなく一匹が亡くなり、四十九日の日にはもう一匹が亡くなりました。母が寂しくないように二匹を連れて行ったのだな…と思いましたが、不思議な出来事でした。