1.飼い主(家族)を探している
犬が遠吠えをするのは本能であり習性です。飼い主や家族を呼び寄せるために遠吠えをします。
野生で暮らしていた頃、大切な仲間が群れからはぐれてしまうことがありました。お互いがお互いを探し、居場所を確認し合うために遠吠えを利用していたのです。
遠吠えをする犬には甘えん坊や寂しがり屋が多いです。飼い主がベランダで洗濯物を干している時など、姿が見えなくなるだけで不安になり遠吠えをすることがあります。
対処法
犬がひとりの時間も楽しく過ごせるよう、距離感を保ってあげてください。
常に飼い主とべったりくっついていたい性格である犬は、分離不安症など心の病気を発症する恐れがあります。飼い主と離れることで急激な不安に襲われてしまうからです。
遠吠えがサインであるかもしれません。しかし24時間365日ずっと飼い主と過ごせるわけではありません。
愛犬との適度な距離感を保ち、ひとりで過ごす時間にも慣れてもらうため短時間のお留守番をする機会を積極的に与えてみてください。
2.お留守番中の不安・恐怖・緊張
お留守番中に犬が遠吠えをするのは飼い主と離れて寂しいからです。
ひとりきりでお留守番する犬は不安・恐怖・緊張を抱え、ストレスを感じながら飼い主の帰りを待っています。「どこに行ったの?」「戻って来て!」と遠吠えをするのです。
何時間でも遠吠えをすることがあり、ご近所迷惑になっている可能性があります。
お留守番中の愛犬の様子を確認したことはありますか?
ペットカメラを利用してみてはいかがでしょうか。遠吠えする理由が不安・恐怖・緊張なのであれば、ストレスによって健康にも被害がないか確認してあげてください。
対処法
犬が快適・安心・安全に過ごせる環境へと室内を改善してください。お留守番中のストレスで遠吠えをするのには不安・恐怖・緊張を感じずにはいられない原因があるはずです。
ケージを窓際に置き、扉を閉めてお留守番させていませんか?窓際は外の環境に影響されやすくお留守番には向かない場所です。
3.コミュニケーション
リビングで寛いでいる時など突然に遠吠えをするのはコミュニケーションを取るためです。
飼い主や家族の声に反応して遠吠えをしたり、同居犬と一緒に遠吠えをすることがあります。近所に住む友達犬と遠吠えをし合い、意思疎通をはかろうとすることがあります。
野生だった頃も人間と暮らすようになった今も犬は群れで生活をする動物です。家族や仲間を大事にします。
コミュニケーションを何よりも大切だと考えているため、遠く離れた仲間とも遠吠えをすることでコミュニケーションを取るのです。
対処法
積極的にコミュニケーションを取ってあげてください。家族や仲間の安否がわかれば安心して遠吠えをやめます。
4.周波数が似ている
防災放送や救急車のサイレンが聞こえると遠吠えをするのは、犬同士が遠吠えをする時の周波数と似ているためです。
防災放送では、男性の声には反応しないけれど、女性の声には反応して遠吠えをするなど区別する犬がいます。
消防車やパトカーのサイレンには反応しないけれど、救急車のサイレンには反応して遠吠えをする犬が多いですよね。
対処法
周波数が似ている音が通り過ぎれば遠吠えをやめます。「うるさい!」と叱らないであげてください。
5.認知症
認知症の症状のひとつに遠吠えがあります。他の理由で遠吠えをする時と比べると、鳴き方・仕草・行動など普段の様子に違いがあらわれるようになります。
認知症で遠吠えをしてしまう時、飼い主が声を出したりサイレンの音が聞こえたなどの条件に関係なく、夜中にも遠吠えをしてしまうことがあります。
対処法
認知症や病気の有無を確認するため病院で診察を受けてください。遠吠えをする理由が病気にあるのであれば適切な治療を受けさせ、自宅でもケアをしてあげてください。
まとめ
犬が遠吠えをする理由とやめさせたい時の正しい対処法を5つ解説しました。
遠吠えをする理由が犬の本能や習性なのであれば、完全にやめさせることは難しいです。ご近所迷惑にならない程度に対処してあげてください。