犬にとって理想的な『睡眠時間』はどのくらい?寝不足になっている時の症状は?

犬にとって理想的な『睡眠時間』はどのくらい?寝不足になっている時の症状は?

ふと愛犬を見ると、いつも寝ていたりウトウトしている気がする…と感じることはありませんか。一般的に、犬は人間よりも多くの睡眠時間を必要とします。今回は、犬にとって理想的な睡眠時間や寝不足になっている時の症状を解説します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬にとって理想的な睡眠時間は約12〜14時間

ベッドで熟睡する犬

皆さんの愛犬は、1日に平均してどのくらい睡眠をとっていますか。犬にとって理想的な睡眠時間は、約12〜14時間と言われています。人間と比べると少し長めですよね。

アメリカでポインター犬を用いて行われた実験によると、1日のうち44%は起きていて、残りの56%はウトウトしていたり、眠っていたりしているという結果が出ています。つまり、犬は1日の半分以上を寝ているか、ウトウトした状態で過ごしているということになります。

1.子犬期やシニア期は1日約12〜18時間と長め

健康的な成犬は1日約12〜14時間ほど眠るのが理想とされています。実際、アメリカで行われた実験結果を見てみても、平均的にこれくらいの時間を睡眠時間としている犬が多いことがわかります。

しかし、これはあくまで健康的な『成犬』の場合です。体力の消耗が激しく多くの睡眠を必要とする子犬であれば、より長い睡眠時間が必要になりますし、シニア犬も外部からの刺激に鈍くなることもあり、眠る時間が増える傾向にあると言われています。

そのため、平均すると一般的な成犬よりも多い約12〜18時間ほどが、睡眠時間になると考えられます。子犬やシニア犬は、1日の大半を眠って過ごすことになります。

2.犬にとって日の入りと共に寝て日の出と共に起きるのが理想

犬にとって理想的な睡眠時間は、約12〜14時間とわかったところで、犬にとっての理想的な睡眠時間帯はいつ頃なのでしょうか。もともと野生下で生きていた頃は夜行性だったと考えられる犬たちですが、現在では家庭犬として飼われている犬が大半です。

家庭犬として、人間と共に暮らしている犬にとって、日の入りと共に寝て、日の出と共に起きるのが理想とされています。自然に沿った寝起きをすることで、体内の感覚も正常に保たれ、精神的にも健康な状態を維持することができるからです。

しかし、日の入りと共に寝て、日の入りと共に起きるだけでは、理想的な睡眠時間に達しない時期もあります。こうした時期は、日中もお昼寝する時間を設ける必要があります。

犬は細かい周期でノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返している

眠そうにあくびする犬

犬の睡眠リズムに関しては、野生の本能が関係しているという研究結果もあります。元々野生動物として生きていた頃の習性が残っている犬たちは、常に警戒心を持ち、睡眠中も外敵に襲われた際にすぐに動ける体勢をとっている犬が多いとされています。

警戒心の表れとして、犬は人間よりも細かい周期でノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)を繰り返していると考えられています。

実際、一緒に過ごしていると細かい周期で起きたり眠ったりを繰り返している愛犬の姿を目撃する飼い主は多いでしょう。これは、ノンレム睡眠とレム睡眠を細かく繰り返すことで、周囲に警戒を怠らないようにしているのです。

こんな症状が見られたら寝不足気味かも…

女性の膝の上で眠そうにあくびする犬

犬も人間と同様に、睡眠時間は健康を維持する上で必要不可欠です。睡眠時間が足りていないと、健康にも悪影響を及ぼすので、飼い主は愛犬がしっかり睡眠を確保できているかどうかを日常的に確認する必要があります。

以下のような様子が見られる場合は、寝不足気味になっている恐れがあるので、睡眠環境を改善してみましょう。

  • 常にぼーっとしていて元気がない
  • 食欲がなくなる
  • 無駄吠えや問題行動が増える

こうした行動は、寝不足によりストレスが溜まっていることで起こっています。愛犬の睡眠時間を意識的に確認し、睡眠時間が理想の睡眠時間に達しているかどうかを観察しましょう。

犬が眠りやすい環境を整えてあげよう

気持ち良さそうに犬用ベッドで眠る子犬

愛犬が寝不足気味だと感じたら、犬が眠りやすい環境を整えてあげることが大切です。以下の条件を満たすよう、愛犬の寝床を確保してあげましょう。

  • 寝床の周囲を壁や柵で囲んであげる
  • 道路に面した場所に寝床を設置しない
  • 室温を快適な環境に整えてあげる
  • 犬が眠っている時は静かにしてあげる

犬が快適に眠れるだけでなく、なるべく警戒心を解いて安眠できるような環境に整えてあげることも大切です。上記の条件をできる限り満たせるように、犬用ベッドを設置してあげてくださいね。

まとめ

犬用ベッドで休む子犬

いかがでしたでしょうか。犬にとって、睡眠はとても重要です。警戒心が強く、ノンレム睡眠とレム睡眠を細かく繰り返す犬は、多くの睡眠時間を必要とします。なるべく愛犬が安心して休めるよう、改めて寝床環境を整えてあげましょう。

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