犬に写真はどのように見えている?
犬に写真を見せても何が写っているのか見分けることができません。犬の視力は0.2~0.4程度しかありません。
焦点を合わせるのも苦手です。焦点を合わせることができるのは目から1m程度の距離にあるものだけです。
目から70cm以内の近くにあるものには焦点を合わせることができません。近すぎず遠すぎない一定の距離でしか焦点を合わせることができないのです。
犬の視力が弱いのは、水晶体が厚く、うまく調整することができないためです。犬が写真を見ただけで「飼い主だ!」と見分けることは困難です。
犬が飼い主を見分ける方法
犬が遠くにいる飼い主に気づいて、猛ダッシュで駆け寄ることがあります。
視力が弱い犬には、目で見ること以外に飼い主を見分ける方法があるんです。
犬がよく「目がいい」と言われる理由は、動くものをとらえる「動体視力」に優れているためです。
優れた視覚を持つと言われることがありますが、視力が良いわけではないのです。
写真を見ただけで飼い主を見分けることはできませんが、投げられたボールやディスクをキャッチするのが得意なのは優れた動体視力による能力です。
「音」で聞き分けている
遠くにいる飼い主に気づくことができる理由は「音」です。次のような音が飼い主を見分ける判断材料になることがあります。
- 足音(歩くリズム音)
- いつも身に着けているアクセサリーが揺れる音
- バッグに付いているチャームが揺れる音
「におい」で嗅ぎ分けている
広いドッグランで自由に遊んでいた犬が飼い主の元に戻って来ることができる理由は「におい」です。次のようなにおいが飼い主を見分ける判断材料になることがあります。
- 体臭
- 香水
- 柔軟剤
- 飼い主の服に染みついた自分自身(犬)のにおい
飼い主の顔や姿は見えている?
視力が低い犬は飼い主の顔の細かい部分まで見ることができません。目が大きいとか、唇が厚いとか、細かくは見えていないのです。
シルエットとして全体像を見ているとされています。例えると、すりガラスを通して飼い主を見ているようなものだそうです。
色を見分けることはできる?
犬は2つの色調を認識できるとされています。
- 「赤緑黄オレンジ」の色調
- 「青紫」の色調
色調でしか認識することができないため、「赤と青」の違いは見分けることができても、同じ色調である「赤と緑」は見分けることができません。
生い茂った緑色の芝生の上に赤色や黄色のボールが転がっていても目で見るだけでは見つけ出せません。投げたボールが落ちた時の音やにおいを頼りに探し出すのです。
サイトハウンドの視覚
視力が弱く、焦点を合わせることが苦手な犬ですが、サイトハウンドは物を立体的に見ることができるとされています。
視覚と走力に優れており、獲物を追跡捕獲することが得意です。視覚ハウンドとも呼ばれることのある犬種には次のような犬がいます。
- サルーキ
- ボルゾイ
- ウィペット
- イタリアングレーハウンド
- アフガンハウンド
- アイリッシュウルフハウンド
マズルが長いという特徴を持っているように思います。視野の広さは約270度。物を立体的に見ることができ、背後に忍び寄る動物の存在まで見ることができるとされています。
まとめ
犬は写真を見ただけで飼い主を見分けることは「できない」と言って良いのではないでしょうか。
実物を見る時も顔や姿はぼんやりとしか見えていないのです。等身大の飼い主の写真であれば「シルエットが同じだ」と判断することができるかもしれません。
視力が弱い犬ですが、視覚だって大切な器官であることに変わりありません。視力を無くしてしまっては歩行が困難になることがあります。
シニアや老犬になると犬の視力も低下しますし、緑内障や白内障などの病気にかかることもあります。愛犬の目の定期的な健康診断をお願いします。