1.叱られていると思っている
これまで問題なくできていたトイレができなくなってしまったときの理由として多く見られるのが、何らかのきっかけで犬が「トイレをする=叱られる」と勘違いしてしまっているというものです。
特に飼い主さんが目の前にいるときに我慢してしまい、飼い主さんが外出したときだけ排泄をするという場合などにはこの理由が考えられます。
これはトイレトレーニングの最中などに起こりがちな問題で、排泄をした場所がトイレシーツの上ではなかった場合に思わず叱ってしまったり、場所が少しずれていた時に飼い主さんが慌てて大声を出して駆け寄ったりということが原因になります。
飼い主さんは「正しい場所で排泄をして欲しい」と思って指導しているだけなのに、犬はそれがわからず「飼い主さんの前で排泄をすると叱られる」と勘違いして、トイレや排泄することに対してネガティブな感情を持つようになることがあります。
そのため先述した通り、飼い主さんの留守中にだけ排泄をしたり、ソファやカーテンに隠れてトイレをするようになったりするのです。
2.トイレが汚れている
犬は基本的に清潔を好む動物なので、トイレシートが汚れているとその場所で排泄することを嫌がることがあります。
大らかな性格で汚れを気にしない犬もいますし、次第に慣れていく犬もいますが、1回でも排泄したトイレシートではしたくないと考える犬もいるのです。
すでに排泄済みのトイレシートを置いておくと、トイレの近くまでは行くものの排泄はしないということや、排泄済みの場所を踏まないように端によってするということがあれば、こうした理由が考えられます。
このような場合は、排泄のたびにトイレシートを変えてあげたり、排泄した場所だけ切り取って再利用したりという工夫をしてあげましょう。
3.生活スペースを汚したくない
犬はきれい好きなため、トイレシートが汚れていると同じ場所で排泄することを嫌がる犬がいると解説しました。それと同様の習性から、トイレの場所が自分のベッドや遊ぶスペースに近いと排泄することを嫌がることがあります。
野生動物の多くは排泄物のにおいで自分の居場所がバレることを恐れて、巣穴から離れた場所で排泄をしたり、排泄物を隠したりします。
犬の祖先である動物たちにもその習性が見られ、そうした本能が今の犬たちにも残っているとされています。そのため、生活スペースに近い場所で排泄することに抵抗感を感じることがあるのです。
特に、ケージやサークル内にベッドとトイレ両方を置いている場合は、このようなことから排泄を我慢するようになったり、反対にベッドとトイレの区別がつかなくなることがあります。
4.トイレの場所が変わった
犬は新しいものや慣れない環境に対して、抵抗感を感じることが少なくありません。今までできていたことが新しい環境になると、できなくなってしまうということは多くの場面で見られることです。
それはトイレについても同じことが言えます。
引っ越しや模様替えをして部屋のレイアウトが変わることでトイレがわからなくなってしまったり、トイレトレーやシートを変えたことで違和感を感じて避けるようになったりということはあるということを覚えておきましょう。
部屋やグッズを変えるときには、できるだけ急激な変化を避けて徐々に慣らしてあげることが大切です。
まとめ
犬は人間に比べると排泄を我慢できる時間が長い傾向にありますが、我慢しすぎてしまうと体に悪影響を及ぼすことがあります。
排泄を我慢することで膀胱炎や尿路結石などになる可能性が高く、それ以外にも老廃物が長時間溜まることで体に思わぬトラブルが起こることもあると考えられています。
愛犬が排泄をする間隔が長くなったり、我慢している様子が見られたりしたら、その原因を探りながらできるだけ正常に排泄できるよう促したり、環境を整えてあげたりしてください。
排泄間隔が長く体に心配がある場合は、一度動物病院で相談してみるのもおすすめです。