1.体力的にも精神的にも落ち着いている
散歩に出始めたタイミングでは、ぐいぐいとリードを引っ張るように歩いていた犬が、散歩の後半になってくると歩きがゆっくりになることがあります。
この場合は、単純に体力がやや発散されて興奮状態が落ち着いたことが理由だと考えられます。外に出てすぐは体力もありあまっていますし、犬にとって散歩や運動というのはとても楽しみなことなので、気持ちも興奮しやすいのです。
しかし、ある程度体力を使って、外でのさまざまな刺激にも慣れてくると、落ち着いて散歩はできるようになるので、歩き方にも余裕ができてゆっくり歩くようになります。
特に、公園やドッグランなどに行ってたっぷり遊んだ後は、トボトボと疲れ果てたようにゆっくり歩くこともあります。
2.不安で周囲の様子を伺っている
散歩中に体の姿勢を低くしたり、まわりをキョロキョロとしたりしながらゆっくり歩いているときは、周囲を警戒している可能性があります。
特に慣れていない場所に行ったときや、初めて会う人や犬がいるときなどは、警戒心や不安感から様子を伺うような様子が見られます。
歩くスピードを含め、ゆっくりと動くことは、周囲にいる人や犬を刺激しないための方法でもあります。人間でも同じことが言えると思いますが、不安なときや自信がないときには堂々とした行動ができず、周囲の様子を伺いながらゆっくり動くという傾向があるのです。
3.近くにいる相手への意思表示
犬はボディランゲージや行動で、さまざまな意思表示をします。犬が行うボディランゲージに「カーミングシグナル」と呼ばれるものがあり、そのなかのひとつに「ゆっくり歩く」というものもあります。
カーミングシグナルは、対峙している相手に対して「落ち着いて」「敵意はないよ」「喧嘩をするつもりはありません」といった意思を示すものです。
相手が興奮していたり、攻撃性を見せたりしているときにこのボディランゲージを見せて衝突を回避するのです。
そのため、慣れていない人や犬、敵意を見せている犬などがそばにいるときにゆっくり歩いていたら、その相手に対して「戦う気はないよ」と伝えようとしているのかもしれません。
また、その他にも散歩の帰り道でゆっくり歩くことで飼い主さんに対して「まだ帰りたくないよー」と伝えていたり、苦手な病院に近づく道で「行きたくないよ…」と伝えていたりすることもあるでしょう。
4.体に痛みや違和感がある
犬がゆっくり歩いているときに注意したいのが、怪我や病気が原因ではないかということです。
普段に比べてゆっくり歩いているときにまず確認したいのが、足や腰などに怪我をしていないかということ。足の裏に傷があったり、膝関節や股関節などに異常が出ていたりすると、歩き方に変化が見られます。
関節の異常で上手く歩けなかったり、普通のスピードで歩くと痛みが強くなったりすることから、歩くスピードがゆっくりになってしまうのです。
犬の動きがゆっくりになるのは見た目にわかる傷や怪我だけではないため、全身を触って犬の反応を確かめるようにしましょう。
また、年齢を重ねてシニア犬になると、足腰が弱くなったり体力が低下したりすることで歩くスピードがゆっくりになることが多いでしょう。
まとめ
犬がゆっくり歩いているときには、不安や警戒心などの気持ちのあらわれであったり、何らかの意思表示であったりします。
また、怪我や病気など身体的なトラブルが原因で、速く歩くことができなくなってしまっている場合もあります。
突然歩くのがゆっくりになったり、体が左右どちらかに傾いていたり、足をひきずっていたりしたら、体にトラブルが起きていないかしっかりとチェックしてあげましょう。
ただし、散歩の後半でゆっくり歩くようになったり、穏やかな表情で楽しそうにゆっくり歩いていたりするときは、犬が満足している証拠です。「今日も気持ちいいね♪」などと話しかけながら散歩を楽しんでくださいね。