犬がそわそわしてしまう場所4選!落ち着かないところには連れていくべきではない?
「そわそわ」ってどんな感情?
人間にも「そわそわ」する感情があります。人間でいうなら、「心ここにあらず」と言った感じでしょうか。または、「気もそぞろ」という言葉にも当てはまるように思います。
ちなみに「気もそぞろ」を辞書で調べると「あることに気を取られて落ち着かないさま。そわそわするさま」とあります。
では、犬にとっての「そわそわしてしまう」という感情はどういった心の動きなのでしょうか。
犬は、非常に優れた社会性を持ち、なおかつ知能も高い動物ですから、おそらく私たち人間とさして変わりないのではないでしょうか。
「そわそわ」している時の仕草 ポジティブ編
目に力があり、立ったり座ったり、歩き回ったり、とにかくじっと座っていません。尻尾はピンと立っています。
飼い主さんが声をかけると、「今、それどころじゃないの!」と言った風に聞こえないふりをするか、チラリを見て、またどこか上の空になってしまいます。
「そわそわ」している時の仕草 ネガティブ編
上目遣いで体を伏せ気味にします。じっと体を丸めてうずくまることもあります。
また、臆病なタイプの犬だと、小刻みに体が震えることもあります。
犬が「そわそわ」してしまう原因
期待
犬は、とても優れた記憶力を持っています。特に「楽しいことがあった」という感情を何度も経験すると、「長期記憶」となって、かなり長い間記憶の中に刻み込まれます。
そうした「長期記憶」を持っていることから、散歩に出る時間帯や、飼い主さんが散歩に行く準備をしていることを察知したり、飼い主さんと車に乗るとドッグランや公園に連れて行って貰えることを予想することが出来るのです。
ですから、飼い主さんの行動や時間帯、家族の動向などから「なにか楽しいことが起きるかもしれない」と期待して、ドキドキわくわくしてきます。
そして、その感情がポジティブな「そわそわしている」感情を持っている時に見せる仕草となってあらわれます。
我慢
たとえば動物病院など、犬にとっては嫌なことをされて、暴れたり、吠えたり、噛んだりしたいけれど、それが出来ない…という強いストレスを感じた場所もあるでしょう。
そのような場所は「我慢させられ、強いストレスを感じる場所」、すなわち「嫌なこと」として記憶されます。
恐怖、不安
飼い主さんの姿が見えずに心細く、不安な思いをしたり、注射や点滴などの痛い思いをした経験から、その場所へ連れていかれるかもしれないと察知した時、「ネガティブなそわそわ」を感じている時の仕草を見せます。
犬がそわそわしてしまう場所 ポジティブ編
1.ドッグラン、公園
犬は、本能的に全力で走ることが大好きです。また、他の犬と上手に挨拶出来たり、遊んだりできる「ドッグラン」は、人間の子どもにとってのテーマパークのような場所です。
また、他の犬と直接することがなくても、たくさんの犬の情報をニオイで得ることが出来る「公園」なども楽しい場所でしょう。
そこへ行けるかも知れない、と予想するとそわそわして、落ち着きがなくなってしまうのです。
2.飼い主さんが好意を持っている人との接触
一緒に住んでいないけれど、飼い主さんにとっての家族だったり、飼い主さんが好意を持っている人に対して愛犬も同じように愛情を持ちます。
もちろん、人間だけでなく、犬自身が好意を持っている犬に対しても同じです。
つまり、「大好きな友達に会える!」と思って、ワクワクウキウキするのは、人間だけではなく、犬も同じように感じるということです。
「大好きな友達」に会えるかもしれない、と予想すると、その時の嬉しい感情がよみがえって「気もそぞろ」になり、そわそわします。
犬がそわそわしてしまう場所 ネガティブ編
3.ペットサロン、ペットホテル
トリミングに慣れていない犬や、飼い主さんがいなければ不安になってしまう性格の犬にとっては、心細く、不安を感じる場所になり得ます。
4.動物病院
動物病院は、犬にとって注射や投薬、点滴、など痛いこと、嫌なことをされる場所、という認識がある場合が多いと思います。
また、待合室や入院などでほかの犬や猫などと接触する空間でもあり、その空間内には人間には感じられない緊張感が漂っているのかもしれません。
落ち着かないところには連れていくべきではない?
飼い主さんの態度次第で「そわそわ」は改善される
例えば、動物病院などに行く「ネガティブなそわそわ」が起きることが予想される場合、飼い主さんの態度次第で「ネガティブなそわそわ」は改善されます。
犬にとって「嫌なこと、嫌なこと」をした経験の記憶から「ネガティブなそわそわ」が起こるわけですから、その記憶を呼び起こさなければいいのです。
具体的には、「動物病院に行って注射をする」と言った予定の日でも、そのことを言葉や態度に出してはいけません。特別に明るく振る舞う必要もありません。
普段通り、いつもの散歩に出かけるような自然さで、愛犬のネガティブな記憶を掘り起こさないようにさえすればいいのです。
さらに、愛犬にとって「ネガティブな経験」が上書きされた後、それをさらに「楽しい記憶」で上書きします。
具体的には、動物病院などで嫌な思いや痛い思いをした後に限り特別なおやつを与えたり、愛犬の好きな場所に連れて行ってあげるなど、「楽しい経験、嬉しい経験」をさせます。
そうすると、「動物病院に行って嫌なことをされた、我慢した」という愛犬にとっての「ネガティブな経験」が「おいしいおやつを貰った。たくさん、遊んでもらった」という楽しい経験で上書きされます。
そうすれば、「ネガティブなそわそわ」から「ポジティブなそわそわ」に変わるはずです。
落ち着かなくても、必要があれば連れていくべき
犬の性格によって、どんなことが「ネガティブ」になってどんなことが「ポジティブ」になるのかは千差万別です。
ですから、「そわそわして落ち着かない場所には連れていくべきではない」とは必ずしも言えません。
特に病院が嫌いだからといって予防接種をしなかったり、体調が悪いのに病院に行かないわけにはいきません。
また、「嫌がるから」といって、シャンプーなどのお手入れをしなければ、皮膚病などのリスクも高くなります。
犬にとって「嫌なこと」として認識され、そこに連れていかれるだけで「ネガティブなそわそわ」を見せることがあっても、健康で長生きしてもらうためには慣れてもらうしかありません。
まとめ
犬がそわそわするのは、犬の記憶による場合と、飼い主さんの心の動きや行動を見て、楽しいことがあるのか、嫌なことがあるのかをある程度予想して「そわそわ」する場合があるように思います。
「そわそわ」という言葉は、「わくわく」というポジティブな感情とよく似ています。
つまり、愛犬がネガティブな「そわそわ」をしている仕草を見せる場所があるのなら、その場所を「わくわく」する記憶が残る場所になるようにすればよいのです。
まずは飼い主さんが態度や言葉に出さないように気を付け、その上で愛犬に「楽しい記憶、嬉しかった記憶」を刻むような工夫を考えてみましょう。