成犬の『しつけ直し』は可能
一般的にしつけの適齢期は生後3週から12週のいわゆる「社会化期」と呼ばれる時期とされています。この時期の子犬は飲み込みが早く、また好ましくない習慣も身につく前なので、比較的しつけがスムーズに進みやすいといわれています。
ですが、「子犬の頃にしつけにチャレンジしたものの挫折したまま今に至っているが、問題行動に困っている」「しつけを受けてこなかった保護犬を成犬で迎えたため、これからしつけをし直さなくてはならない」など、成犬に対するしつけが必要になるケースは多々あります。
成犬の『しつけ直し』は不可能ではありません。ですが成功のためには意識すべきポイントやコツがあります。
まずは心構えから!成犬のしつけで意識すべきポイント
1.時間と根気が必要ということ
成犬のしつけを行ううえで何よりも頭に置いておいてほしいのは、成犬のしつけには時間と根気が必要だということです。たとえ飲み込みの早い子犬であっても、しつけは一朝一夕にできるものではありません。
しつけ適齢期を過ぎた成犬の場合、それもすでに好ましくない習慣が身についてしまっている場合なら尚更です。そのことを肝に銘じ、なかなか成果が見えなくても途中で投げ出さず、根気よく続ける覚悟が何よりも大切です。
2.どうしても無理ならプロを頼る
最初にも述べた通り、成犬のしつけ直しは不可能ではないものの簡単なことではありません。長い時間をかけて根気よく続ける覚悟で臨んでも、どうしても結果が出ないこともあります。
そんなときに「やっぱりダメだった」と諦めて投げ出してしまっては、何も解決されません。どうしても自分の力では不可能だと感じたら、潔くプロのドッグトレーナーの手を借りましょう。それは恥ずかしいことでも何でもありません。愛犬の暮らしを向上させたいという飼い主さんの強い想いがある証拠です。プロを頼るということも最初から選択肢の中に入れておきましょう。
ここをおさえて!成犬のしつけのコツ
1.成犬は誉めて伸ばす!
子犬のしつけの場合でも、誉めてあげることはとても大切です。成犬であってもそれは同様ですが、特に成犬の「しつけ直し」の場合にはそれまで良しとしていた、もしくは黙認していたことを否定し、新しい習慣をつけることになります。
そのためいきなり叱ってしまうと「え!?今まで良かったのに何で!?」「何で叱られたの!?」とわんこは混乱してしまいます。してほしくないことをしたときには無視し、してほしいことをできたときにはたくさん誉めてあげましょう。
すなわち身に着いてしまった悪い習慣を否定するのではなく、「こうすれば誉めてもらえる」ということを覚えさせ、自然と新しい習慣に移行できるよう導いてあげるのです。
2.基本の関係性づくりから見直す
成犬で基本のしつけができていない場合、まず基本の関係性ができていない可能性があります。これは成犬を途中から迎えた場合に限らず、子犬の頃から家にいる場合でもありうることです。
愛犬とアイコンタクトがとれる、飼い主さんが体に触ることを許してくれる、名前を呼ぶと来てくれる、などの基本的なことができているかを再確認しましょう。
もしこれらができていない場合には、しつけを始める前に関係づくりから始める必要があります。信頼できる関係を築いたうえで、しつけの目標に向かって歩みはじめましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?しつけを諦めてしまうことは、愛犬との暮らしの質を下げることにつながります。まして、しつけが上手くいかないからと飼育放棄することは絶対にあってはならないことです。成犬のしつけには根気強く挑み、行き詰まりを感じたら、迷わずプロに相談しましょう。