犬が『ギャン』と鳴く心理4選!ケガをしている可能性も
1.痛い!
犬の『ギャン!』という鳴き声は、ほぼ「悲鳴」です。
似たような声で「キャン、キャン!」と高い声で鳴くこともありますが、これはどちらかというと「私は被害者です!」というアピールに近いニュアンスです。
『ギャン!』は犬が出そうとして出している声ではなく、人間でいうところの突然痛みに襲われた時の「痛い!」に近いのではないでしょうか。
2.触らないで!
愛犬が『ギャン!』と鳴いたら、たいていの飼い主さんはすぐに異常に気付くはずです。そして、愛犬の体に何があったかをすぐに探ろうとするのではないでしょうか。
人間でも、足の骨などを折って、そこを誰かに触ろうとされたら、「そこは痛むから触らないで!」と金切り声をあげて、自分の体に触らないように訴えるはずです。
犬が、体を丸め、体の一部をかばうような仕草を見せながら、自分の体を触ろうとする人間を見据えて「ギャン、ギャン」と鳴くときは、「触らないで!」と必死に訴えているのかも知れません。
3.来ないで!
犬の体のどこかが強烈に痛んでいる時、見たこともない人が自分の体を触ろうとしていたら、「何をされるのか」と恐怖を感じることでしょう。
特に普段から獣医さんに診てもらう経験があまりない犬なら無理もないことです。
4.助けて!
飼い主さんに助けを求めて「ギャン、ギャン」と鳴き声を上げることもあります。これは、人間にもいろいろな人がいるのと同じで、犬にもそれぞれ性格の違いがあります。
例えば、「おもちゃが取れない!」「おやつをちょうだい!」「ここから出して!」など、自分の要求や訴えを大袈裟なほど悲痛な感情で訴える犬もいます。
ですから、本当に体のどこかが痛いのか、なにか強烈に訴えたい要求があるのかは、飼い主さんが愛犬の性格をよく理解して見極めましょう。
ケガをしている可能性がある
どこを怪我をしているかを探る
『ギャン』と悲鳴を上げて、その場から動かなくなったらまず、体のどこを庇っているのかを確認します。
足の裏の肉球から血が出ていたり、目で見てすぐに外傷だとわかる場合もあります。
しかし、足の関節や腰などに異常がある場合はその場所に触ることを嫌がるので、おおよそ異常が起きている場所を推測することが出来るはずです。
怪我の場所を確定した後の対処法
もし、血が出ているような状態なら、その個所を水で洗い流し、清潔な状態にします。
外傷がなければ、出来るだけ静かに、飼い主さんも愛犬に噛まれてもケガをしないように軍手などをはめて、愛犬の体をタオルなどで包みます。
そして、出来るだけ痛みを感じさせない姿勢で愛犬の体を保定し、出来るだけ早く獣医さんを受診しましょう。
ケガだけではない!犬が「ギャン!」と鳴く理由
椎間板ヘルニア、ぎっくり腰などの可能性
椎間板ヘルニアとは、通常は、背骨の骨と骨の間にあるゼリー状の組織で、クッションのような役割を果たしている「椎間板」が、なんらかの原因ではみ出して、脊髄を圧迫している状態を言います。
椎間板ヘルニアになると、腰だけでなく足の先やお尻などにも痛みが現れることがあります。圧迫がひどくなったり、長引くと足の感覚がなくなり引きずるようになることもあります。
また、椎間板ヘルニアと同様に、腰に強い痛みを感じる症状が見られるのが『ぎっくり腰」です。しかし『ぎっくり腰」は、筋肉の損傷によるものなので、腰周辺にのみ痛みを感じます。
血栓塞栓症の可能性
血栓塞栓症(けっせんそくせんしょう)とは、心臓疾患、フィラリア、膵炎、甲状腺機能低下症などが原因で血栓と言われる血の塊ができ、その塊が動脈に詰まったことで起きる病気のことです。
特に後ろ足が麻痺し、麻痺が起こる前に足全体に激痛を感じることが多く、足先が冷たくなることが特徴です。
悪化すると血栓塞栓症を起こした足が壊死してしまい、命にかかわります。
上記の症状に合致する場合はできるだけ早く受診することが大切です。
関節炎の可能性
関節炎とは、通常、軟骨や髄液によってお互いの骨が損傷しないように保護されています。
ところが、加齢などさまざまな原因によって軟骨が変形したり、すり減ったりします。そして、その状態がさらに進んで関節に炎症が起き、関節炎を発症します。
まとめ
犬は、体の調子が悪くても、自分から「獣医さんに診てもらいたいから病院に連れて行って」と言葉に出して伝えることが出来ません。ですから、私たち飼い主には、犬の行動や仕草、鳴き声や目の輝きなどから、常に愛犬の異変と察知する知識が必要です。
また、犬が人間に対して完全に心を許していないと、体に痛みがあったり、ひどく体調が悪くなった時に体に触れません。ですから、普段から、愛犬の体のどこを触っても嫌がることのないよう、普段から深い信頼関係をしっかり築いておきましょう。
そして、一番大切なのは、愛犬が痛みを感じていると判断したなら、出来るだけ早く獣医さんを受診することです。
特に、はっきりと外傷ではないと判断出来る場合は血栓やヘルニアなど重症化の可能性が高いので、可能の限り早く獣医さんの診察を受けてください。