肉球のケアをしないと起こる悪影響
1.硬くなる
肉球のケアをしないと硬くなることがあります。子犬の肉球はやわらかく、成犬になるとやや硬くなります。体を支える時や歩く時の摩擦によって刺激を受け続けるためです。
皮膚は外部からの刺激によって角質が厚くなりますが、肉球も同じです。皮膚も肉球も表皮・真皮・皮下組織の3つの組織で構成されています。
肉球の表皮はもともと厚く、部分によっては分厚い角質で覆われています。適切なケアをしてあげることで子犬の頃のようなやわらかい肉球を維持してあげることができます。ケアをしなければ、外部からの刺激によって分厚く硬くなり続けます。
2.乾燥する、ひび割れる
肉球のケアをしないと、乾燥したりひび割れてしまうことがあります。
空気が乾燥する時期、洗いすぎが主な原因です。肉球が粉をふくように白くなっている時は乾燥のサインです。ひび割れると傷になり痛みを伴います。傷口から細菌が入ると炎症を起こし、悪化しやすいです。
お散歩の後に手足を洗う習慣がある犬の肉球は、保湿することも習慣化してあげてください。しっかり乾かした後で犬用の保湿剤を使用します。
3.イボができる
肉球のケアをしないとイボができることがあります。
犬のイボは「パピローマウイルス」というウイルスが原因です。身の回りに自然と存在しているウイルスで珍しい種類ではありません。
肉球の傷口からウイルスが入り込み、イボを作ります。高齢の犬にできやすいですが、肉球のケアを全くされていない若い犬にできることもあります。乾燥やひび割れからイボに発展することが多くあります。
保湿をして乾燥とひび割れを防ぐことと、傷がないか日常的に確認することで肉球のイボは防げます。
4.指間炎を起こす
肉球のケアをしないと、指や肉球の間に炎症が起こることがあります。
炎症による痒みや痛みが気になり始めると犬がしきりに舐めます。悪化させて肉球が赤く腫れてしまうことがあります。
重症化すると肉球が何倍にも腫れあがってしまうことがあります。
指間炎の原因は様々で追及する必要がありますが、ストレス・ケア・細菌の感染・火傷・洗いすぎ・拭きすぎが主な原因です。
保湿をすること、すでに炎症がある場合には病院で診察を受けること、日常的に指や肉球の間を確認してあげるなどしましょう。
5.腫瘍の発見が遅れる
肉球のケアをしないと腫瘍の発見が遅れ、命を奪ってしまうことがあります。
犬の肉球や爪、指間には扁平上皮癌・肥満細胞腫・悪性黒色腫などの腫瘍ができることがあります。良性であれば腫瘍が急激に大きくなるなどの進行は少なく、他の部位に転移することはありません。
悪性であれば進行が早く、リンパや臓器に転移することがあります。また、手術によって指を切除しなければならない可能性があります。
私のお友達の犬は肉球の保湿ケア中に腫瘍が発見され、指を切除をしました。悪性の腫瘍で転移を続け、あっという間に命まで奪ってしまいました。
肉球のケアをする習慣がなければ、発見されることさえなかったかもしれません。
自宅でできる肉球の正しいお手入れ方法
洗って清潔にする
お散歩の後は手足や肉球を洗って清潔にしましょう。温かいシャワーを当てるだけでも汚れは洗い流されます。
泥や土が付いた時は指で優しくマッサージするように洗ってあげると良いです。
シャンプーや石鹸を使って洗うと皮脂や潤いを失ってしまいます。汚物を踏んでしまった時や汚れがひどい時のみ使用しましょう。
タオルやウェットティッシュで拭いてあげる時は優しく汚れを落としてあげてください。ゴシゴシ拭くと肉球を傷めてしまいます。
洗った後は保湿してあげてください。乾くときに一緒に水分が失われてしまいます。保湿剤については後述します。
しっかり乾かす
洗った後の肉球や被毛はドライヤーを使ってしっかり乾かしてください。
濡れたまま放置したり自然乾燥させようとすると、細菌が繁殖してしまいます。
保湿する
犬用の保湿剤は種類が豊富です。
- ジェルタイプ
- ミルクタイプ
- クリームタイプ
- オイルタイプ
- ミツロウタイプ
- ローションタイプ
飼い主が使用しやすいタイプ、犬が嫌がりにくいタイプを選ぶと良いです。
着色料や香料が使われていない無添加を選んであげてください。「犬が舐めても安全」と表示されていますが、使用されている原料を必ず確認して購入してください。
まとめ
犬の肉球のケアをしないと起こる5つの悪影響について解説しました。
ケアする習慣がないと病変の発見が遅れてしまうこともありますす。朝のお散歩前や寝る前のスキンシップでも良いですから、愛犬の肉球の健康状態の確認をお願いします。
お散歩の後は正しくお手入れし、保湿をしてあげてください。