犬が人に挨拶をするのは
犬が人に気持ちを伝えるときに示す行動や仕草を、「カーミングシグナル」といいます。その種類は多岐にわたるだけでなく、仕草の組み合わせによっても気持ちが異なってきます。
例えば「しっぽを振る」という一つの仕草でも、同時にどのような顔をしているのか、どのような体勢をとっているのか、などによって感情が違うのです。
犬はこのカーミングシグナルを使って、人に挨拶しています。それは、どのような行動や仕草なのでしょうか?
見逃さないで!犬が出す挨拶のサイン4選
ここでは、犬が人に挨拶するときのサインをご紹介します。
①ニオイを嗅ぐ
犬が人に挨拶するとき、人の体や手のニオイを嗅ぎます。「この人はどんな人なんだろう?」「危険はないかな?」と相手の情報を探るためです。犬が満足して嗅ぎ終わるまで、じっと待ってあげましょう。
②しっぽを横に大きく振る
- 会えて嬉しい!
- 一緒に遊ぼう!
人に会えて嬉しさを爆発させるとき、耳を後ろに倒しながらしっぽを横に大きく振ります。「会えて嬉しい!」「撫でてほしい!」と興奮して吠える子もいます。その多くは社交的な犬で、人への信頼が厚かったり、人と遊ぶことが大好きな性格の子が多くみられます。
しかし、しっぽを横に大きく振りながらも耳をピンと立て吠えている場合は、相手に対して警戒心を持っています。しっぽの動きだけで判断せず、耳や表情、吠え方に注目してみましょう。
③舐める
犬は人に対して友好的な気持ちを持っている場合、舐める行動をします。人の体のどこを舐めるかによって犬の気持ちが異なるので、チェックしてみましょう。犬の気持ちを読み取ることで、初対面であっても良い関係を築くことができます。
- 手を舐める:遊んでほしい、撫でてほしい
- 鼻を舐める:甘えたい
- 口を舐める:敬意がある、またはお腹が空いてご飯を求めるとき
④背中を向ける
実は、背中をこちらに向けることも人に挨拶している仕草の一つといえます。そっぽを向かれて寂しいなと思うかもしれませんが、これは人に対して信頼を持っているサインといえます。
また背中を撫でられるのが好きな子は、初対面の人であっても「撫でてほしいな」と背中を向けてくることがあります。
犬が挨拶したいのはどんな人?
犬は大昔は集団で狩りをして生活をし、その後は人とともに仕事をしながら共生してきました。そのため他の犬であっても知らない人であっても、コミュニケーションを上手に取ることができる動物といえます。では、犬はとくにどんな人に挨拶したいと思うのでしょうか?
1.優しい雰囲気の人
よく駅などで道を聞かれるという方も多いのではないでしょうか?このような人は無意識的にゆるやかな優しい雰囲気が出ており、話しかけやすいオーラを出しているためです。
それは犬も同じで、優しい雰囲気を出している人に挨拶をしたくなるものです。「あの人に挨拶してみたいな」「初対面で挨拶しても優しく受け入れてくれそう」という気持ちが生まれます。
2.落ち着いている人
犬は感情的に落ち着いた人を好む傾向にあります。
反対に、大声を出す人や予知できない行動をする人、怖い雰囲気の人に対して嫌悪感を持ちます。
一番多くみられるのが、街中や公園などで「かわいいー!」と大きな声を出して犬を触っている方です。これはマナー違反であり、犬の気持ちを無視していると言えるでしょう。
3.構いすぎない人
犬は、用もないのに名前を呼んだりしきりに触ってくる人などの「構いすぎる人」を嫌います。
犬との挨拶が上手な人は初対面の犬を急に触ったりせず、犬からのアプローチを待ちます。また「もしかしたらこの子は知らない人が苦手かもしれない」「知らない人に触られて、怖い思いをするかもしれない」と犬の気持ちを考えてあげることができ、初対面であっても信頼を築くことができます。犬から好かれる人は、正しい挨拶の仕方を知っている人です。
まとめ
犬が人に挨拶するのは、その人に対して友好の気持ちを持っているということです。人間も同じですが、挨拶を無視されたらとても悲しいですよね。犬が出すそのサインに気付き、応えてあげられるようにしましょう。