犬には寝るのに良い環境と悪い環境がある
皆さんは、愛犬をどのような場所で寝かせていますか。主に犬用のベッドを配置して、その上で眠っている犬が多いと思いますが、犬用ベッドを配置する位置は、犬の睡眠の質に大きく関わってくるので重要です。
犬は元々野生の中で生活していた動物です。現在は人間と一緒に家の中で暮らしていますが、それでも野生の頃の本能や習性は今でも受け継がれています。
そのため、基本的に犬は警戒心が強く、ちょっとした物音や動き、匂いに反応してしまいます。浅い睡眠を繰り返していると言われている犬ですが、これは野生の本能の1つで、いつ外敵に襲われても対応できるようにという本能が働いていると考えられています。
こうした犬ならではの習性や本能を理解し、犬が安心して眠れる場所に犬用ベッドを設置したり、工夫を取り入れたりすることで、愛犬が良質な睡眠をとることができるようになります。
犬を寝かせてはいけないNGな場所とは?
犬は基本的に警戒心が強い動物なので、警戒心を強めるような場所にベッドを設置してしまうと、周囲を警戒しなくてはいけなくなります。安眠できない原因となるので、犬を寝かせてはいけないNGな場所は極力避けるべきでしょう。
1.窓のすぐ隣
意外と配置しがちなNG場所として、窓のすぐ隣が挙げられます。日光が差し込み、外の景色を見ることができるので、お留守番中も退屈せずに済むのでは…という飼い主の心遣いも入っているのでしょう。
しかし、窓のすぐ隣は直射日光が差し込み、体温調節が難しい場所です。暑い季節は熱中症になる恐れもあり大変危険です。そして、窓の隣は外の音をよりダイレクトに拾ってしまうため、警戒心の強い犬にとって落ち着きにくい場所でもあります。
「他の犬の声が聞こえる」「車の音が聞こえる」「近くで工事をしている」など、聞き慣れない音や他の犬の存在に警戒心を強める原因となり、良質な睡眠をとりにくくしてしまいます。
2.道路に面した場所
窓だけでなく、道路に面した場所も極力控えたいNG場所です。理由は、1つ前にも挙げたように、外の音や匂いを感知しやすいからです。
犬は家の中にいても「誰かが入ってくるかもしれない」「襲われるかもしれない」という不安を抱え、警戒してしまいます。聞き慣れない足音や車の音、他の犬の存在を感知してしまうと、いざという時のために態勢を整えなければいけないため、なかなか寝つけません。
3.ベッドの周りに壁がない場所
ベッドの周りに何も遮るものがないと、開放的で過ごしやすいと思いがちです。しかし、犬にとってベッドの周りに遮るものがない状況は、敵から丸見えの状態で眠るようなものです。
壁などがなく、360度あらゆる方角からこちらを見ることができる状況では、すべての方向に注意を向け、警戒しなければいけません。常に警戒している状況では、良質な睡眠は取りにくいですよね。
なるべくベッドの1〜2面は壁に囲まれている状況が好ましいです。部屋の四隅のうち、道路に面していない場所や窓辺でない場所を選んで配置すると良いでしょう。
4.エアコンや暖房器具の風が直接当たる場所
季節によっては、エアコンや暖房器具を使うご家庭も多いですよね。しかし、こうしたエアコンや暖房器具の風が直接当たる場所は、体温調節がしにくいため、NGです。
特に自分で移動ができないケージの中で休む犬の場合、エアコンや暖房器具の風が直撃し、「暑いな」「寒いな」と感じていても逃げることができません。
体調不良になったり、最悪の場合、重症化してしまう恐れがあるので、エアコンや暖房器具の風が直接当たらない場所を選んであげてください。
犬の良質な睡眠を確保するために良い環境を作るコツ
上記の犬を寝かせてはいけないNGな場所を理解した上で、犬が良質な睡眠をとれる良い環境に必要な条件を考えていきましょう。犬にとって快適な寝床の条件は、以下の通りです。
- 外からの音や匂いを感知しにくい場所
- なるべく静かに過ごせる場所
- 寝床の周り2面が壁などで囲まれている
- 体温調節がしやすい
- 家族の様子を観察できる
この5点が重要なポイントとなります。これらすべてをクリアできる場所は、家族の集まるリビング内の四隅になります。その四隅の中から、エアコンや暖房器具、直射日光の影響を受けにくい場所、そして窓が面していない場所を選びましょう。
欲を言えば、道路に面した場所を避けてあげると、より安心して良質な睡眠をとることができますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。普段穏やかな犬であっても、基本的にある程度の警戒心を持ち合わせています。そのため、犬の寝床は安心して眠れる条件の整った場所を用意してあげることが大切です。今回紹介したポイントを踏まえて、再度寝床の場所を見直してみてください。