人間とのアイコンタクトが得意な犬の4つの特性【研究結果】

人間とのアイコンタクトが得意な犬の4つの特性【研究結果】

アイコンタクトは人間と犬のコミュニケーションの重要なポイントです。ではアイコンタクトが得意なのはどんな犬なのでしょうか?研究によって明らかになった4つの特性をご紹介します。

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犬のアイコンタクトの違いを生む要因とは?

こちらを見上げているトイプードル

犬が人間とアイコンタクトを取ることは、相互コミュニケーションの基本になります。そのため犬のトレーニングでもアイコンタクトは重視されるポイントの1つです。

犬は猫など他の動物と比べて人間とのアイコンタクトを形成することが得意ですが、全ての犬が同じレベルでアイコンタクトをするわけではなく個体差があります。

ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学の動物行動学の研究チームが、犬のアイコンタクト能力に影響を及ぼす要因をリサーチし、その結果を発表しました。

リサーチのための測定と行動テスト

3頭の種類の違う犬たちの横顔

リサーチに参加したのは125頭の家庭犬でした。このリサーチには飼い主は犬を連れて来た
だけでテストへの参加はありませんでした。

まず全ての犬の頭部のサイズが測定されました。測ったのは、犬の鼻先から耳の後部までの長さと犬の頭部の最も幅の広い部分の数値です。

次に頭部の幅の数値に100を掛けて、長さの数値で割った比率=頭部インデックスを算出します。犬の頭部が短いほど頭部インデックスの数値は高くなります。

これは頭部の長さと幅によって目の解剖学的構造が違うため、それがアイコンタクトに与える影響を調べるためです。

測定とは別に全ての犬が行動テストを受けました。テストは犬にとっての見知らぬ人である実験者と犬のみで実施されました。テストの間、飼い主は座って見ているだけでした。

テストの前に実験者は犬とおもちゃで遊び、その後にアイコンタクトに関する行動テストが行われました。

テスト時間の5分の間に犬が何回アイコンタクトを形成したかがカウントされます。実験者は犬がアイコンタクトをするまで動かず話しかけません。犬が実験者の顔を見るとトリーツが与えられます。トリーツはアイコンタクトの度に与えられました。

犬が何回アイコンタクトを確立したかと、トリーツをもらってから次のアイコンタクトまでの時間が計測されました。

明らかになった4つの特性マズルの短い短頭種の犬

見上げているフレンチブルドッグ

行動テストの結果から、アイコンタクトが得意な犬の特性が少なくとも4つ明らかになったそうです。4つの特性は以下のようなものでした。

マズルの短い短頭種の犬

頭部の計測から算出した頭部インデックスの数値が高い犬ほど、実験者とのアイコンタクトが素早く回数が多かったことが分かりました。つまりブルドッグやパグなどの短頭種の犬はアイコンタクトが得意だということです。

マズルの短い犬の目は一般に網膜の神経細胞が中心部に集中しています。そのため中心部の視覚刺激によく反応しアイコンタクトを確立しやすいと考えられます。

反対にグレイハウンドのようなマズルの長い犬は、広い範囲の視覚情報を処理するために、網膜内の神経細胞が均一に分布しています。パノラマ画像のように広い範囲を見ることができるのですが、人間とのアイコンタクトのように視野の中心に焦点を合わせる必要がある場合、余分な視覚刺激によって集中しにくい可能性が考えられます。

昨今の短頭種の犬の人気高騰の一因は、彼らがアイコンタクトが上手であることも関係があるかもしれませんね。

人間との共同作業のために育種された犬

犬の選択育種の元来の目的が人間との共同作業であった犬種でも、アイコンタクトが素早く数多く行われていました。

コリーやシェパードなどの牧畜犬種はアイコンタクトが得意でした。これらの犬種は飼い主が送る身振りのサインを視覚で捉えて共同作業をするためだと考えられます。

反対に育種の目的が独立作業であった狩猟犬種などは、アイコンタクトが少なめになっていました。

年齢の若い犬

年齢の若い犬は確かに年齢の高い犬よりもアイコンタクトの素早さも回数も優っていました。しかし、正確には老いた犬はトリーツを食べることと実験者の顔を見ることという2つの動作の切り替えが遅くなるため、アイコンタクトのスピードも回数も落ちてしまうと言えます。

犬たちは全員が視力や聴覚には障害がないことが事前に確認されているので、これは加齢による自然な現象だと言うことです。

社交的で遊び好きな犬

テストの前に実験者と初めて対面した時、おもちゃで遊んだ時の行動から「社交的」「遊び好き」と判断された犬たちもアイコンタクトが得意だという結果が出ました。

まとめ

伏せの姿勢のボーダーコリー

人間と犬とのアイコンタクトにおいて、何が犬の得手不得手を左右しているのかというリサーチから、マズルの短さから来る目の解剖学的構造、人と共同作業をするための犬種、若い犬、社交的で遊び好きという4つの要素が挙げられるという結果をご紹介しました。

研究の中では、保護施設出身の犬という視点でも統計が取られたそうですが、元保護犬たちは概してアイコンタクトが得意だったそうです。これは、アイコンタクトが上手だったために現在の飼い主との縁がつながったとも言えそうです。

積極的にアイコンタクトをして来る犬は確かに可愛らしく愛着も湧きやすいですが、アイコンタクトの少ない犬や得意ではない犬には、この研究結果のような要素があるのだと知ることも大切です。

アイコンタクトが得意ではないことは必ずしも悪いことではないし、元来の性質を知らずにトレーニングをすることで犬の福祉を損なう可能性もあるからです。

《参考URL》
https://www.nature.com/articles/s41598-021-88702-w

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