犬を亡くした飼い主のペットロスは増加傾向に
一昔前に比べると、犬を家族の一員として捉えるご家庭が増えてきています。犬にとっても飼い主にとっても、とても良い傾向ではありますが、それに伴い家族の一員である犬が亡くなってしまった時、ペットロスになる飼い主が増加傾向にあります。
ペットロスは、一種の精神的なうつ状態に位置付けられる症状で、重症化してしまうと普段通りの生活を送れなくなり、社会復帰すらできなくなる場合があります。
近年、問題視されるようになってきたペットロスという症状に対策を打つべく、様々な病院やカウンセリング施設にて、ペットロスに特化した診察が行われている施設も増えてきています。
愛犬の死から立ち直れない…ペットロスの辛い症状
では、愛犬の死をきっかけにペットロスに陥ってしまうと、どのような辛い症状を引き起こすのでしょうか。ここではよく報告されているペットロスの辛い症状を4つご紹介します。
1.悲しみが大きくなり涙が止まらなくなる
最も多いペットロスの症状として、突然愛犬が亡くなったことへの悲しみが増幅し、意思とは関係なく涙が止まらなくなるという症状があります。
これは産後うつや育児ノイローゼでも見られる症状で、精神のバランスがとれなくっているため、自分の感情をコントロールできなくなり、悲しみによって涙がとめどなく流れてしまう症状です。
家族の一員でもあり、飼い主によっては子どものような存在であった愛犬が亡くなったのです。涙が自然と流れてしまうのも無理はありません。
2.疲労感や無力感が続く
大切な愛犬が亡くなったことをなかなか受け入れることができず、疲労感や無力感が蓄積されてしまうという症状もペットロスの典型です。
今まで隣にいた大切な存在がいなくなったことによる孤独や虚無感を受け入れよう、前に進まなければと頭ではわかっていても、考えれば考えるほど疲労感や無力感が大きくなってしまいます。
何をする気にもなれず症状が悪化してしまうと、今まで通り仕事や家事、育児に手が回らなくなってしまうという非常に深刻な状況を引き起こす恐れもあります。
3.外に出る気力が起きず引きこもる
愛犬がいないことを受け入れることができず、無気力状態や脱力感に襲われ、外に出る気力が湧かなくなるという症状は非常に多いです。これが重症化してしまうと、引きこもり状態となり、中には仕事を辞職してしまう人もいます。
先にも出た通り、家事や育児にも手が回らなくなり、1日中泣いたり落ち込んだりを繰り返すようになってしまうため、通常の生活がままならなくなり、社会生活が送れなくなる恐れすらあります。
最初は寄り添っていた家族も、なかなか立ち直れず無気力状態になってしまった飼い主を見て、同じくうつ状態に陥ってしまったり、中には離婚に至るケースもあり、年々問題視されています。
4.不眠や食欲不振を引き起こす
無気力状態に陥った時に最も恐ろしいのは、健康にも影響を及ぼしてしまうことです。中でも、悲しみからストレスを抱え込んでしまい、なかなか眠れなくなるという話はよく耳にします。
さらに、食べる気力すら起こらず、食欲不振を起こしたり、反対に暴飲暴食を引き起こしたりと、別人のようになってしまうという症状を見られます。
悲しみを忘れようとアルコールなどに依存してしまう例もあります。家族の支えが届かなくなることもあり、家族がバラバラになってしまうこともあります。
ペットロスの症状から抜け出すためには?
ペットロスの症状は辛く、重症化してしまうと今まで通りの生活が送れなくなってしまう事例も少なくありません。飼い主の大半はペットロスに陥りやすいですが、このペットロスの症状を緩和させたり、早めに抜け出すためにはどのようにするべきなのでしょうか。
最も重要なポイントは、愛犬との思い出を受け止め死を受け入れることです。無理に忘れよう、立ち直ろうとすればするほど、ペットロスに陥ってしまうため、無理に忘れようとするのではなく、楽しい愛犬との思い出を振り返りながら、泣きたい時は泣くことも大切です。
ペットロスは時間が必要になりますが、思い出を整理しながら愛犬の死を受け入れて立ち直ったという飼い主は多いです。また、無気力状態であっても、外の世界と交流を遮断することは極力避けてください。
自分ではなかなか外へ出かけようという気にならないと思うので、家族や友人など周囲に手助けしてもらい、買い物や食事に連れて行ってもらったり、同じ境遇に陥ったことのある人に話を聞いてもらうことも効果的です。
決して無理はせず、周囲から手助けしてもらいながら、少しずつ愛犬の死を受け入れ、愛犬との思い出を楽しいものと受け取れるようになりましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。近年、ペットロスは深刻化しています。家族や友人がペットロスから立ち直れないと悩む人も多いでしょう。なるべく無理に立ち直らせようとするのではなく、気分転換できるように機会を与えつつ、一緒に愛犬との思い出を語るなど寄り添う姿勢が大切です。