犬のおもちゃは青色がいいというのは本当?

犬のおもちゃは青色がいいというのは本当?

犬にとって一番見えやすい色は青なので犬のおもちゃは青が良い、という説があります。でもそれは本当なのでしょうか?ある専門家の意見をご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬が見ている世界の色彩

青いおもちゃを咥えたジャックラッセルテリア

犬の目に見えている世界は人間とは違うのか?というのは、しばしば話題になっています。過去の研究から、犬が見ている世界は様々な色合いの黄色、青色、グレーであること、つまり犬の視界の色彩は人間の赤緑色覚異常の人と似ていることがわかっています。

どんな色に見えているかが私たちとは違っても、犬は色を識別しているのです。ある2色の識別のしやすさという点で考えると、緑の芝生ののでボールの色が青い(紫~紺)と犬に見えやすいし、また青(紫~紺)は犬にとって最も濃く見える色だと考えられているので、家の中で遊ぶ時にも青いおもちゃは犬にとって目につきやすいことが多いかもしれません。

このような理由から、犬のおもちゃは青いものがベストだという説があるのですが、本当のところはどうなのでしょう?

犬が視覚で認識するのは単純に色だけではない

犬のおもちゃ色々

ニューヨーク市立大学ハンター校のThinking Dog Center(犬の認知科学や行動などに関する研究所)の所長であるビオジェール博士はライフハッカー[アメリカ版]において、確かに犬が認識している色彩は人間よりも数は少ないが、犬が物体を認識する時の情報は色だけでなく、光による色の明暗の違い、周りの土や草との質感の違い、周りの物質との構造の違いなども視覚的な情報としても使っていると説明します。

例えば芝生の上で赤いボールを見つける時、確かに赤と緑は犬の目には同じような色(黄色)に見えますが、芝生とボールでは光の反射具合が違うので、ボールは周囲の芝生とは区別されて犬にもちゃんと見えているそうです。同様に、光の反射具合が異なれば周囲が似たような色であってもボールの輪郭をとらえることができますし、芝生とボールでは質感も全く違いますし、状況によっては多少時間がかかることはあるかもしれませんが犬はちゃんと芝生の上のボールを見つけることができるというわけです。

さらに犬には、人間などは足元にも及ばない優れた嗅覚が備わっています。芝生の上に投げられたボール、おもちゃ箱の中のお気に入りのぬいぐるみなどを識別するのに色よりも匂いを優先して使っているとしても不思議はありません。

つまり、普段遊ぶ犬のおもちゃの色について青にこだわる理由は特に無いということです。犬は、色だけを手がかりにして何かを見たり認識したりするほど単純ではないからです。

おもちゃに対する犬の好みは十犬十色

室内でおもちゃに囲まれている犬

そもそも犬はおもちゃの色を気にしているのでしょうか?それは「犬による」としか言えません。

人間の洋服やインテリアの好みやこだわりポイントが人によって十人十色百人百様であるように、犬がおもちゃを気に入るポイントも犬それぞれに違います。中には特定の色のおもちゃが好きな犬もいるかもしれません。

ふわふわしたぬいぐるみの質感が好きな犬、ゴム製のおもちゃの弾力が好きな犬、高価なおもちゃよりも段ボールや空き箱を破壊するのが好きな犬、ピーピー鳴るおもちゃが好きな犬など、皆さんも色々と思い当たることがあるのではないでしょうか。

犬がお気に入りを決めるためには選択肢があることが大前提です。おもちゃは種類や系統の違うものをいくつか揃えて犬に選択肢を与え、自分が好きなおもちゃを見つけさせることが犬のお気に入りを知るためには必要だとビオジェール博士も言っています。また、おもちゃはいつも出しっぱなしにするのではなく、お気に入りのおもちゃをローテーションして出してあげ、色々な遊び方をして犬を精神的にも活発にさせると良い、とも博士は言っています。

まとめ

青いボールに飛びかかるボーダーコリー

犬の目には青が鮮やかに識別できるので犬のおもちゃは青が望ましいという説に対して、犬が物を知覚する時は単純に色だけに頼っているわけではないので、青いおもちゃにこだわる必要はないという犬研究の専門家の意見をご紹介しました。

ただ、犬にとって青と黄色が互いに識別しやすい色であることを知っておくと、シニアになって視力が落ちて来た時に茶色いフローリングの段差に青いテープを貼ったり、トイレマットやトレーに濃い青のものを使うことで、もしかしたら犬の助けになるかもしれないと思いました。

犬に関する様々な研究がたくさん紹介されていますが、その多くは日常生活には縁が無さそうに見えます。しかし知識を蓄えておくと、引き出しの奥にしまっておいた便利ツールのように「持っててよかった!」と思える可能性がありますね。

《紹介したlifehackerの記事》
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5717654/
《犬が赤緑色覚異常の人と同じような色覚を持っていることを確かめた論文》
Siniscalchi, M., d'Ingeo, S., Fornelli, S., & Quaranta, A. (2017). Are dogs red-green colour blind?. Royal Society open science, 4(11), 170869. https://doi.org/10.1098/rsos.170869

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