1.警戒心による吠え
お散歩中通行人に吠えてしまう場合の対策
お散歩時に通行人に吠えてしまうのは、臆病さや神経質さゆえである場合が多いです。知らない人が怖いから吠えて遠ざけたいという気持ちや、吠えたら相手が去っていったという誤った認識によって吠え癖がついているのかもしれません。
子犬の頃に様々な刺激に慣れていく「社会化期」という時期があるのですが、この時期に刺激に触れる機会が少ないと、知らない人や犬、車、工事の音など「外の世界」への抵抗感が出てしまう恐れがあります。
また、愛犬の生まれ持った性質によって、もともと飼い主さん以外の存在と触れ合うことが苦手であるという場合もあります。
- 人通りが少ない時間帯を選ぶ
- 道幅が広く他人との距離が確保できる道を選ぶ
- 愛犬が吠える前におやつで注意を引く
- どんな状態でもアイコンタクトが取れるようトレーニングをする
- しつけ教室に通ってみる
などを試してみましょう。
社会化期は子犬の頃に過ぎてしまいますが、犬の社会化は一生続くと言われています。成犬になってから知らないものに慣れていくのには時間がかかりますが、しつけ教室でドッグトレーナーのカウンセリングを受けるとその子に合った効果的なトレーニング方法を考えられるでしょう。
来客に対して吠える時の対策
犬は縄張り意識がありますので、飼い主さんやご家族以外の人が自宅にやってくると吠えて退けようとすることがあります。番犬の仕事を任されてきた犬種も多く、吠えることで「侵入者だ!」と飼い主に知らせることを求められてきたという歴史もあるからです。
この場合は、お散歩時と同様に「自分が吠えることで相手が退散する」という誤った認識を持っている可能性があります。愛犬の活動範囲が広すぎることが原因で「全部自分が守らなければ!」という意識が神経質さの原因になっているのかもしれません。
玄関は宅配業者や来客が現れる場所で、人の話し声や車の音など外からの音も聞こえやすい場所です。玄関は縄張りと外の境界なので、特に愛犬が「縄張りを守らなければ」と緊張しやすい場所です。
また、突然大きな音が鳴るインターホン(チャイム)で急激に興奮状態になる癖がついている可能性もあります。
- 愛犬をフリーにする範囲を狭める
- 玄関に愛犬を立ち入らせない
- インターホンの音量を下げる
- 愛犬が吠える前に「ハウス」の指示を出す
などを試してみると良いでしょう。
2.嬉しくて興奮している
吠えるのはネガティブな気持ちの時だけではない
犬は怖い時や威嚇する時だけではなく、嬉しい時にも吠えることがあります。ネガティブな感情だからというわけではなく、犬は興奮した時に吠えやすくなる傾向があります。
来客に向かって吠える時には、自分のテリトリーに侵入してきた人に対する「警戒」の意味で吠えるだけではなく、お客さんがやってきたことが嬉しくて吠えている可能性もあることがポイントです。お客さんに対して「早くかまってほしい!」と催促のアピールで吠えていることも。
冷静になってからかまってもらう
この場合は「愛犬が吠えるのをやめ、落ち着いてから来客にかまってもらう」と良いでしょう。愛犬が吠えてアピールしている最中には目を合わせたり話しかけたりしないよう、お客さんにお願いしておくと良いかもしれません。
愛犬が吠えるのを止めて落ち着きを取り戻したらかまってもらうことで、愛犬は「吠えてアピールするより、吠えない方がかまってもらえる」と認識しやすくなります。
まとめ
今回は「愛犬が飼い主さん以外の人に吠えてしまう時」の原因と対処法を解説いたしました。犬が吠えるのは恐怖や警戒といったネガティブな気持ちの時だけではなく、嬉しかったり楽しかったりして興奮した時にも吠えやすくなる傾向があります。
まずは、愛犬の身体の緊張具合や表情などから「愛犬がなぜ吠えているのか」を考えてあげることが大切です。