雨の日など、犬のお散歩に行けない時こそ「おすすめの遊び」
雨の日など天候によってお散歩に行けない時や飼い主さん自身の体調などの問題で出られないということはあります。
お散歩というのはただ歩くだけではなくさまざまな刺激を感じ匂い嗅ぎを楽しむといったように、五感をフルに使った「環境エンリッチメント」です。
環境エンリッチメントを整えることで犬が本来のあるべき姿を出すことができ、それにより幸福や満足感を見たし充実した時間を得ることができます。
じゃあお散歩に行けなければ環境エンリッチメントの取り組みはできないのか?というとそうではありません。
むしろ家にいるときほど環境エンリッチメントを整えて思い切り遊んで欲しいと思います。
そして、その遊びとしておすすめしたいのが「ノーズワーク」です。環境エンリッチメントは5つに分けることができるのですが、そのうちのひとつが「採食エンリッチメント」。
ノーズワークは採食エンリッチメントにあたり、嗅覚を使って食べ物を探し獲得して食べる、という一連の流れを楽しむものです
今は人間が生活を管理し何の苦労もすることなく食べ物が得られる環境にありますが、この単調な環境は犬にとっては物足りなさがあるものです。
しかし、食べ物ひとつを獲得するにも一定の労力を使うことで充実感を得られるので、精神的な満足感にも繋がります。
ノーズワークは家にある物を活用できる
「ノーズワーク」と検索すると、「ノーズワークマット」というアイテムがたくさん出てくるので、そうしたものを購入して使うのもおすすめです。
ですが、そうした特別な物を使わなくても、ノーズワークは家にある物や家の環境自体を利用することでも十分可能なのが魅力のひとつ。
ノーズワークの機能を思い出してみましょう。ノーズワークは『①匂いを嗅ぎ②食べ物を探し③獲得し④食べる』、という4つの流れがあります。
つまり、この4つの流れを生み出すことができるなら家にある物でいくらでも再現することができるというわけです。
- 紙コップ2組
- フードが包める紙
- トイレットペーパーの芯
- 空き箱
- タオル
- 靴下
- コングなどの知育トイ
ノーズワークマット以外なら、こうしたものでノーズワークを楽しむことができます。
最後の知育トイは、コングなど専用に作られたおもちゃが売られていますし、噛むおもちゃとしても利用できるのでおすすめです。
どのアイテムでも使い方は同じ。「フードを中に隠して提供するだけ」です。
紙コップ2組みは、1つの紙コップの中にフードを入れたら、もう1つの紙コップを重ねるだけ。
紙はフードを包むだけでいいですし、トイレットペーパーの芯は、中にフードを入れて両端を折って蓋をするだけでOK。
タオルや靴下、空き箱などもフードを入れて蓋をしたりぐるぐるに包むなどして使います。
初めてノーズワークをする場合はいきなり難易度はあげず、まずは簡単にいじれば取り出せるくらいにしておきましょう。
どうすればフードを獲得できるかを学習すると、難易度を徐々にあげることで取り出すまでの時間は長くなりますが、その間の時間を一生懸命になって楽しみます。
ただし、タオルの切れ端や靴下といったものは大型犬の場合飲み込んでしまうことがあるためおすすめしません。
使用するのであれば絶対に目を話さないこと、そしてもし普段から危うい感じあがるのであれば使用しないようにしてください。
そのかわり大きなタオルにぐるぐるにフードを包んだり、知育トイを使ったりといった工夫をしましょう。
フードを食べないで困っている子にもノーズワークはおすすめ
小型犬で多いのですが「フードを食べなくて困っている」という飼い主さんがいらっしゃいます。
どうにかして食べさせようとフードの種類を次々に変えたり、トッピングをしてみたり、それでもダメで何か食べてもらいたい一心で最終的にはおやつしか食べなくなった…なんてことはよくあることです。
ですが、それだと今後も困り続けることになりますし、総合栄養食を食べないとなると、肉体的健康も当然崩れてしまい、さまざまなトラブルを引き起こします。
また、今後何かの疾患を患ってしまい療法食が必要となると基本的にはその療法食しか食べたらいけないため、食べるということで非常に苦労をするのは目に見えますよね。
しかし、まずフードを食べないと言う理由探しで(味が気に入らないのかな?)と考える前に、(もしかしたらつまらないのかも?)ということも少し考えてみてください。
味の好みというのは確かに存在しますが、案外ただ単に出てくるだけの状態につまらなさを感じていることもあります。
これは食べ物を得るということに限らず日々の生活自体に「刺激が不足」している…ということも十分あり得るため、さまざまなことに魅力を感じにくくなっていることも理由として考えられます。
食べ物に対して魅力を高めるためには単純に味だけではなく、食べ物を獲得するまでの時間というところにも刺激を加えてあげることで解決することもたくさんありますから、ぜひ知育トイを使ったり身近なものでノーズワークをしてみてください。
まとめ
雨の日など天候がよろしくないときにお散歩に行くことが困難となると、自宅ででもできる遊びというのは重要になってきます。
単純におもちゃで遊ぶのも良いのですが、それだと一緒に遊ぶ人間の体力やその時の都合というものも関係してきますし、刺激としては不十分です。
しかし、そこにノーズワークという遊びを追加してあげることで鼻を使って食べ物を探し、鼻や前足を使って食べ物を獲得して食べるという楽しい刺激を得ることができます。
たくさんおもちゃを使って遊ぶ方が大きな動きがあって疲れそうなイメージですが、ノーズワークのように集中して脳や体を使う方が実は満足感は大きいのです。
自宅にあるもので簡単にノーズワークは再現できますので、ぜひチャレンジしてみてください。