犬を傷つけない『ドッグトレーナー』の選び方

犬を傷つけない『ドッグトレーナー』の選び方

近頃では『褒めるしつけ』『叱らないしつけ』といった言葉を聞くことが増えてきたと思います。そして、叱らなくて良いしつけ方法があるのならばとドッグトレーナーを探してみたものの、実際は「適度叱ることは必要」「命を守るためには褒めるだけではいけない」と言われた…なんてことありませんか?しかし、結局褒めるだけではないんだな…なんて諦めてはいけません。そんなことを言うドッグトレーナーは自身の知識不足を露呈しているのと同じ。正しくポジティブトレーニングを行えるドッグトレーナーをあなたは探しきれていないだけです。そこで、今回は犬も飼い主さんも楽しめるトレーニングで日々の生活を豊かにするお手伝いをしてくれる、ポジティブドッグトレーナーの選び方についてお教えします。

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ドッグトレーナーの選び方は科学的で人道的であること

トレーナーと犬

数多くのドッグトレーナーがいますが、もしあなたがドッグトレーナーに相談することを検討しているのであれば『科学的で人道的な方法を用いたドッグトレーナー』を選んでください。

体罰について最近は強い関心が寄せられており、人間社会でもこれまで当たり前とされていたことが問題として取り上げられることが多くなりました。

それはただ関心が強まったという一時的な流行りというものではなく、福祉に反しているかそうでないかという点において根性論が大好きな日本人がやっと福祉について考えるようになってきた…と言えるかもしれません。

トレーナーと犬

そして、日本は動物後進国という残念な呼び名があるようにドッグトレーニングにおいても時代遅れな方法がとられてきていました。

それが、リードショックや怒号、ガシャ缶(石の入った缶)の使用など痛みと恐怖によるトレーニング方法です。

この方法を使用するドッグトレーナーは「狼は主従関係からなり、強い個体(アルファ)が群れのリーダーとなり支配するため人間もそうして犬に教えなければならない」というアルファ理論を唱えます。

もっともらしい言葉のように聞こえますが、このアルファ理論はそれを発表した科学者自身が「間違いであった」と何十年も前に言っているのです。

「犬も狼も縦社会ではなく家族社会であり力での支配で群れをなしていない。そして行動は正の強化で教え定着させることができる。ゆえに力で支配する必要はなく伸ばしたい行動を褒める(行動の後に良い経験をさせる)ことでトレーニングを行なうことが可能。」

これが褒めるしつけやポジティブドッグトレーニングと言われる方法の基本的考え方であり、科学的で人道的なドッグトレーニングを行なうドッグトレーナーの選び方です。

褒めるしつけ!「ポジティブドッグトレーナー」という言葉に惑わされたらダメ

スパイクカラーを装着されている犬

「褒めるしつけ!ポジティブドッグトレーナー!」という言葉で集客をしていれば必ず当たりというわけではありません。

むしろその言葉だけに惑わされてしまうと、蓋を開けたら実は体罰(スパイクカラーやチョークチェーンの利用、リードショックや怒号・ガシャ缶など音を使ってビビらせる、痛くないからといて犬の身体を叩いたり蹴るなどの方法)も一緒に使うドッグトレーナーだった…なんてことは非常に多いです。

「褒める9割叱る1割!褒めるのがベースで必要に応じて正しく叱りましょう!」といった形であたかも褒めるトレーニングのように言っていたりしますが、「叱る必要もある」というワードが出た時点でそれは体罰を使用すると言っているのと同じです。

怖がる犬

体罰というのは肉体にダメージを与えることだけではなく、音を使ってビビらせる方法やクレートに閉じ込めて無視をするなど精神的追い詰める方法に対しても言います。

殴る蹴るではなく軽く刺激を与える、気付きを与える、といった表現を使ったりもしますがそれも体罰です。

決して「褒めるしつけ」「ポジティブトレーニング」「ポジティブドッグトレーナー」というワードだけで判断するのではなく、実際にどのように考えどのような方法でトレーニングをしているのかを確認しましょう。

そして、それを確認するためのポイントが、科学的かつ人道的であり主従関係やアルファ理論(狼が縦社会である、権勢症候群になるなど)を否定していること。そしてABA(応用行動分析学)を勉強して活用し、叱る必要がないことを提示していることが重要です。

本当のポジティブドッグトレーナーは動物福祉を重視している

女性と3頭のハーネスを装着して座る犬

ここまで読んでくださった方は本当のポジティブドッグトレーナーの選び方について、だいたいでも理解ができたのではないかと思います。

そして、何度も大切なワードとして出てきた言葉に「科学的」と「人道的」というものがありますが、これは動物福祉に大きく関係しているのです。

動物福祉とは動物がどのような状態であるかを見るもので、すごく簡単に言うと「その動物が痛みや苦しみを感じることのないように配慮し幸福を実現しましょう」という考えです。

厳密には「痛みや苦しみを最小限にし…」とあるのですが、ここだけ聞くと「最小限なのだから多少の体罰は必要であり許容される」と間違った解釈をされるかもしれません。

ですが、最小限なら許されるのだとしたらそれは何を基準に最小限と言えるのか?体罰を受けている動物と体罰を行なっている人間とでは感じ方は同じなのか?などの問題が出てきます。

勉強中の犬

こうしたことをもっと深く知りたい方は、ぜひ「動物福祉」について少し調べてみてください。

ひとまず本当の意味でのポジティブドッグトレーニングにおいては、犬に対して痛みや苦しみを与えることをせず、犬も飼い主さんも幸福を感じてもらいながら学習に取り組んでもらう、という考えで動物福祉を重視しています。

決して犬にさまざまなことを我慢させ従わせ支配することを幸福とは考えず、肉体的・精神的体罰は一切使用しません。

まとめ

笑顔の男性と抱っこされるパグ

ドッグトレーナーを選ぶとなると何を基準にして選べばいいのかわからない、どんなトレーニング方法をしているのかわからないからわからない、という問題もありますがトレーナー自身がポジティブトレーニングの意味を間違って理解していることも少なくありません。

ポジティブドッグトレーニングというのは、決して「褒める」をメインに必要に応じて「叱る」を取り入れるというものではなく、「褒める(良い経験楽しい経験)」によって学習してもらい、行動を定着させるものなので、そもそも叱る必要がないトレーニングなのです。

そして、そのトレーニングは科学的であり人道的であることが大前提であるため体罰の強弱を語るものでもありません。

トレーナーと犬

もし、体罰についてあれやこれや理由をつけて飼い主さんに納得してもらおうとするドッグトレーナーなら、それはポジティブドッグトレーナーではなく体罰を使用するドッグトレーナーです。

しつこく言いますが、ポジティブドッグトレーニングは叱る必要はない科学的で人道的なドッグトレーニングです。

そして、それは犬も人も目をキラキラさせ楽しんでできる方法です。

表面の言葉に惑わされることのないよう是非楽しんで続けられるポジティブドッグトレーナーを探してくださいね。

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