犬の「あくび」の役割は?
犬があくびをする理由、考えたことはありますか?
あくびは、様々な心境の変化を表しています。一時的なものなのか、継続的なものなのかによっても深刻度合いが変わってきます。
また、あくびには、口を開けることで「顔の筋肉を伸縮する」「脳に酸素を送る」働きがあり、脳の覚醒を促すとも言われています。
見た目の愛らしさとは裏腹に、あくびには重要な役割がありますね。
犬があくびをする心理3選
1.眠たい
リラックスした状態でのあくびは、眠気からくる生理的な反応です。退屈や疲労により、体を休めようとしています。
口を大きく開けて気持ち良さそうにあくびをしているのであれば、特に心配しなくて大丈夫です。ゆっくり休ませてあげましょう。
2.争いを避けたい
飼い主に叱られているとき、他の犬に威嚇されているときに見せるあくびには、「争いを避けたい」心理が表れています。
相手に敵意がないことを仕草で示し、コミュニケーションを取っているのです。
3.ストレス発散
神経質な犬は、知らない人に触られたりシャンプーされたりすることを、ストレスに感じます。不快感を周囲に伝えると共に、自分を落ち着かせようとしてあくびをします。
一見無関係に見える行動を取ることで、気を紛らわせようとしているのかもしれません。
要注意!あくびのチェックポイント
あくびの秘密が分かってきたところで、気を付けたいチェックポイントをおさえておきましょう。
《こんな症状には注意!》
- あくびを連発する
- 口を開けたときの舌の色がおかしい
- 顎をガクガク震わせている
- 口を開けるときに「キャンッ」と鳴く
- よだれの量が多い
思い当たる症状があり、改善が見られなければ病気の可能性を視野に入れましょう。口腔内に違和感を感じていたり、酸素不足の疑いが考えられます。
「あくび」に隠された病気とは…?
低血糖症
「低血糖症」は血液中の糖分濃度が著しく低くなる病気で、体が未発達な子犬や小型犬によく見られます。
脳が利用できるエネルギーはブドウ糖のみといわれています。そのため、低血糖を引き起こすと脳のエネルギー不足が起きてしまいます。そのため体の震え、あくびの回数が増えるといった症状が起こります。
貧血
「貧血」は、免疫異常や寄生虫感染などが原因で起こります。酸欠状態になると、フラついて元気がなくなり、ぐったりした様子を見せます。
舌や歯茎の色は白っぽく見え、あくびが多くなります。
てんかん
「てんかん」は脳障害の一種で、「特発性てんかん」と「症候性てんかん」があります。
主な症状として、体の硬直やけいれんが起こります。軽い発作では、あくびのような動きを繰り返すことがあります。
うつ病
長期間に渡って強いストレスがかかると、「うつ病」を発症します。
あくびを発端として、食欲不振、嘔吐、自傷行為などをきっかけに飼い主が気付くことが多いようです。
まとめ
人は疲れていると頻繁にあくびをするようです。
逆に、絶対に眠ってはいけないタイミングでもあくびが出るので、脳をクールダウンさせる効果があるとも言われています。
犬のあくびは、眠気以外にストレス状態を表していたり、体の不調を訴えるサインになっています。疑わしい症状が見られるときは、早めの受診を心掛けて下さい。