1.拾い食いしやすくなる
拾い食いの癖がある子はニオイを嗅ぎながら歩いている
愛犬に「拾い食い」の癖がある場合、お散歩中のニオイチェックには注意が必要です。拾い食いの癖がある子には「地面のニオイを嗅ぎながら歩く」ことが多いという特徴があります。
犬の嗅覚はとても優れていますので、おいしそうなニオイや興味深いニオイが目の前にあったらつい食べてみたくなってしまいます。犬はニオイチェックに集中すると飼い主さんの指示が聞こえないほど夢中になってしまいやすいので、制御が間に合わず口にしてしまうことも多々あります。
お散歩コースが畑の近くである場合には、季節によって除草剤が撒かれていることもあります。気になる臭いを嗅ぎながら歩いているうちに除草剤を舐めてしまう可能性もあります。犬にとって強い毒性があるものですので、除草剤をまく季節には注意が必要です。
危険物を口にしてしまう恐れがある
地面には愛犬の健康を害するものがたくさん落ちていますが、それらは目で見てわかりやすいものばかりではありません。たとえば「車のクーラント」もその1つです。寒い冬に車の冷却水やヒーター内部が凍結しないよう、クーラントという不凍液が備わっています。
不凍液の種類によりますが、エチレングリコールという成分が含まれているものがあり、ほんの少量であっても犬に強い毒性があります。クーラントはメンテナンスを怠ると車の外に漏れ出てしまうことがあり、甘味があることから犬が舐めてしまいやすいため注意が必要です。
2.おしっこをしやすくなる
おしっこのニオイには情報がたくさん含まれている
お散歩中の犬にとって最も興味深いニオイの1つが「ほかの犬のおしっこのニオイ」です。犬は優れた嗅覚によって、おしっこのニオイからその主の年齢・性別・身体の大きさ・強いか弱いかなどさまざまな情報を知ることができると言われています。
そのため、犬は縄張りの主張や発情のアピールとしてもおしっこを使います。
自分のおしっこで上書きしたくなってしまう
愛犬にとって、お散歩コースは自分の縄張りです。自分のテリトリー内にほかの犬のおしっこを発見すると、そこに自分のおしっこをかけて情報を上書きし縄張りを主張したくなります。特に、ニオイからそのおしっこの主が弱そうだと感じた場合には上書きしたくなると言われています。
マーキング目的の尿をはじめ、最近ではお散歩中の愛犬にできるだけ排泄をさせないことがマナーとなっており、犬が公共の場で排泄することを迷惑に感じる方もいます。愛犬のマーキングを予防するためには、電柱やポールなど犬がマーキングしやすい場所のニオイを嗅がせないよう制御すると良いでしょう。
ニオイチェックを制御するには
1.嗅ぎ始める前にリードで制御する
犬がニオイを嗅ぎはじめてしまうと制御が難しくなりやすいため、愛犬がニオイを嗅ぎ始める前に制御することがポイントです。拾い食いをすると危険なものやマーキングしやすい場所に近付かないよう、リードで愛犬をコントロールしましょう。リードの引っ張り癖を改善しておくことも大切です。
2.アイコンタクトが取れるようにしておく
どんな状況であっても名前を呼ぶと愛犬が飼い主さんに注目できるよう、アイコンタクトのトレーニングを行なっておきましょう。お散歩は楽しい時間ですが、車や自転車などの危険もあります。拾い食いやマーキングだけではなく、そういった危険から愛犬や周囲を守るためにも冷静さを取り戻す練習をしておくと安心です。
3.メリハリをつけて匂いを楽しむ
ニオイチェックには2つの危険があるものの、嗅ぐことは犬の本能的な行動の1つです。ニオイを嗅ぐことで脳や精神に刺激を受け、室内では感じられない楽しさを味わうことができます。そのため、完全にニオイチェックを禁止してしまうとお散歩の楽しみが失われてしまいます。嗅いで良い場所とダメな場所とのメリハリをつけることで、愛犬が安全にニオイチェックをすることができるでしょう。
まとめ
クンクンと一生懸命ニオイを嗅いでいる姿を見ると、愛犬がお散歩によって良い刺激を受けていると感じます。しかし、ニオイを嗅ぐことで拾い食いをしやすくなったり、マーキングをしやすくなったりする恐れもあります。
危険なものの近くやマーキングしそうな場所にはリードをコントロールすることで近付かせないようにし、リードの引っ張り癖の改善やアイコンタクトをトレーニングしておくと良いでしょう。そして、愛犬が安全にニオイを楽しむことができる時間を確保してあげることで、お散歩ならではの楽しみを保ってあげることができます。