犬には首輪よりもハーネスを選んであげて欲しい理由
犬にはハーネスか首輪かという疑問や話はよく出てきますが、先にお話ししましたように犬の身体的負担を考えるのであれば選ぶべきはハーネスです。
ご自身の身体でイメージしてもらうとすごくわかりやすいと思うのですが、首輪をつけている状態でわずかでも引っ張られたり引っ張ったりということがあると、喉が「うっ」となりませんか?
首輪で試さずとも首を絞めるような形で手を首にもっていき、それを首輪だと想定して首をキュッとすると苦しいし違和感だし気持ち悪いですよね。
つまり、首輪をされて散歩をしている犬というのはわずかでも首輪に衝撃がいけば、そのダメージはすべて犬の首に伝わってしまうということです。
ちょっと首が閉まるとぜぇぜぇ苦しそうにしたり咳をしたり、特に気管支虚脱を患っている子になると常に呼吸困難になるようなものです。
健康な子であってもそうした衝撃を受け続けるというのは、いずれ高い確率で健康的被害を起こしてしまうので、ダメージを分散できるハーネスをぜひ選んでほしいと思います。
犬がハーネスを嫌がるときの対処法
「でもうちの子はハーネスを嫌がるのよね…」という飼い主さんもいると思います。
しかし、犬は突然不慣れなものを装着されればハーネスに限らず嫌がるのは当たり前です。
また、本当はハーネス自体は大丈夫だけど選んだハーネスがそもそもその子の身体に合っていないため、犬自身が強い違和感を感じて嫌がっているということも少なくありません。
ですから、まずは身体に違和感を感じないような軽く付け心地の良いハーネスを選ぶようにしましょう。
そして、初めて装着するときはいきなり全ての行程をやってしまうのではなく、まずはハーネスに対して良い印象をつけるところからぜひ始めて欲しいと思います。
1.ハーネスを見せておやつ
2.ハーネスとおやつを一緒に見せて近付いたらおやつ
3.ハーネスに接触したらおやつ
4.ハーネスに鼻を通したらおやつ
5.ハーネスに首を入れたらおやつ
というような形でそれぞれの行動を細分化し、少しずつステップアップしていくような形です。
面倒に思われるかもしれませんが、これをするかしないかでハーネスの印象が変わりますし「無理矢理何かをしないでいてくれる」ということが犬自身への安心と飼い主さんへの信頼につながります。
安心と信頼はハーネスに限らず、今後犬に何かを教えたい(しつけ)というときの最も基本となるところなので、コツコツ信頼貯金を貯めて、さまざまなことがスムーズに進むようにしておきたいですね。
首輪は狂犬病の鑑札と済票を付けるためのアイテム
さて、首輪よりもハーネスを選んで欲しいというお話しでしたが、それを言うと「じゃあ首輪は使っちゃいけないの?」と思われるかもしれません。
しかし、決してそのようなことはなく首輪には首輪の役割があります。
犬は法律によって狂犬病予防注射の接種義務があり、「鑑札」と「済票」を装着するようになっています。
また、鑑札と済票を犬が身に付けておくことで、義務を果たしているという証明になると同時に、万が一迷子になってしまったときに、鑑札と済票の番号によって飼い主さんを特定することが可能です。
狂犬病予防注射を毎年接種しているということは、必ず犬の所有者・電話番号・住所の登録が行われるため、まず間違いがありません。
ですから、首輪は散歩のときのリードを繋ぐアイテムではなく、身に付けるべき鑑札と済票を装着するためのツールとして利用しましょう。
まとめ
犬には首輪とハーネスどっちがいいの?という疑問は犬を飼っていると必ず出てくる話題だと思います。
そして、その疑問はどっちの方が犬にとって良いものなのか?という意味ですので、犬の身体への負担を軽減し深刻な影響を及ぼさないアイテムとしてハーネスが推奨されるのです。
もちろん、ハーネスの種類によっては犬に不快感を与えたりサイズや装着を間違えると逆に負担を与えてしまうことがありますが、それは首輪やハーネスに限らず装着するものであれば何だって同じです。
ですから、まずは身体に優しいアイテムとしてハーネスを選択しつつ、徐々にハーネスに慣れる練習をしていきましょう。
ハーネスにまだ不慣れなうちは首輪を使っても構いませんが、常に首への負担は考慮して突然の引っ張りに対応していかなくてはなりません。