1.好きなことと関連付いている音
音に関する犬の好みに大きな影響を与えるのが、その音にどのようなことが関連付けられているかということだと思います。
そのため、犬は「好きなものを想像させる音」というものを必然的に好む傾向があると考えられます。
犬が好きなものはそれぞれ個体差があると思いますが、おもちゃや食べものを好む犬は多いでしょう。
そのため、おやつが入っているビニールの「ガサガサ」という音や、おもちゃを噛んだときになる
「ピーピー」「キューキュー」という音を大好きになる犬は多いようです。
ゆっくり寝ていると思ったのに、「ガサガサ」という音を聞いた途端キッチンまで猛ダッシュで来たり、「ピーピー」と聞こえただけでしっぽを振って興奮し出したりすることがあります。
さらに、おやつやドッグフードが入っている戸棚の扉の開閉音を覚えたり、大好きな庭に出るための窓の鍵を開ける音を覚えたりすることもあります。
人間には同じように聞こえる音でも、些細な違いを犬は聞き分けて、自分の好きなものと関連している場合にだけ反応するのです。
2.自分に対するほめ言葉
犬は好きな人や信頼している人にほめられることが大好きです。
そのため、「いいこだね」「かわいいね」「大好きだよ」など、自分に向けられるほめ言葉や愛情ある言葉を聞いてうれしく感じます。
言葉の意味そのものはわからなくても、優しい声色と眼差しなどから、その「声=音」を聞くと幸せな気持ちになるのです。
しつけ中にしっかりとほめてあげることはもちろん、家の中でお利口にしているときなども時々「いいこだね」などと軽く声をかけてあげましょう。
犬が静かにしているからといって長時間放っておくと、犬はかまってもらうためにいたずらをしたり騒ぎ出したりすることがあります。
望ましい行動をしていることをきちんと認める言葉をかけてあげてください。
また、犬の中にはほめ言葉ではなくても、自分に向けられた言葉であれば、どのようなものでも喜んで反応する犬もいます。
飼い主さんのことが大好きで、とにかくかまってもらいたいと思っている犬は、どんな言葉を投げかけられたとしても「ごほうび」のように感じることがあります。
そのため、飼い主さんにかまってもらいたくていたずらをしている犬などには、叱ることすらごほうびになってしまうことも。
このようなことから、望ましくない犬の行動に対しては、無視することが最も効果的だと考えられているのです。
3.飼い主さんにまつわる音
犬は飼い主さんのことが大好きなので、飼い主さんの存在やその行動に関連付いた音を好む傾向も見られます。
犬がひとりで留守番しているときに、外から飼い主さんの足音や車の音などが聞こえてくると喜んで窓の外を見たり、玄関で待ち構えたりする行動をとることがあります。
優れた聞き分けの能力を発揮して、他人に足音などには反応することなく、飼い主さんのものにだけ反応するようになるということがわかっています。
その他には、飼い主さんが玄関の外で取り出す鍵の金属音に反応することもあるようです。
まとめ
犬は聴力が優れていて、人間には聞き取れない高周波の音を聞き取れたり、さまざまな音を細かく聞き分けたりできると考えられています。
そのため、犬が好きな音というのも、自分が好きなものに関連付いた音であり、とても繊細に聞き分けているようです。
特に、犬が好むおやつやおもちゃなどを想像させる音や、大好きな飼い主さんにまつわる音などを好む犬が多いとされています。
その他にも、それぞれに好ましいと感じる周波やリズムなどがあることがわかっているため、愛犬の好む音や音楽を探してみるのもおもしろいかもしれませんね。