初めて会う犬に絶対してはいけない『挨拶の仕方」4選
1.真正面から目を見つめる
人間は、口から言葉を発し、耳でその言葉を聞き、頭で理解する、という方法で意思を相手に伝えます。犬も、人間同様に社会性が高く、家族や仲間と意思を伝え合う術を持っています。
それが、「カーミングシグナル」というボディランゲージです。例えば、尻尾を振る、目を逸らす、じっと相手を見据える、などの犬の仕草には、相手に対して自分の意思を伝えるという意味があります。
そのうちの一つに「相手の目を見る」という行動があります。私たち人間は、自分が興味を持った相手に対して目を逸らさず、じっと見つめることがあります。この行動に敵意や警戒と意味はありません。
けれども、犬は違います。目を逸らさずに相手の目を正面からじっと見る、というカーミングシグナルの意味するところは、警戒と威嚇です。
ですから、好意を持って犬を見つめていても、初対面の犬には好意ではなく、敵意や威嚇と捉えられてしまうのです。
2.飼い主さんの許可なく触る
ルールやマナーだけの問題ではありません。犬にとって知らない人間からいきなり触られるのは恐怖でしかありません。もしも、噛まれたとしても、それは犬のせいではありません。
犬に警戒心を抱かせ、恐怖のあまり攻撃せざるを得なくなるような状況に追い込んだのは、飼い主さんの許可なくいきなり犬に触った人間に問題があります。
けれども、飼い主さんと会話を交わし、飼い主さんが和やかな態度で「いいですよ」と円滑な子ミニケーションが取れたなら、犬の警戒心や恐怖心は薄れます。
咬傷事件のトラブルを起こさないためにも、初対面の犬に触りたいときは、必ずその飼い主さんの許可を得た上で、犬の警戒心をほぐす様に行動しましょう。
3.いきなり触る
「頭を上から撫でてはいけない」とよく言われますが、初対面の犬に最初に触れる時、頭はダメで顎の下は大丈夫、とは言い切れません。
人間の一人一人に個性があるように、犬にも個性があるからです。どんなに可愛くも、その犬に触るときは飼い主さんに必ず許可を取り、どこをどう触るべきかまで尋ねましょう。その方が、犬が感じるストレスが少しは軽減されるはずです。
4.大声を出しながら駆け寄る
もし、家族と一緒に外出している際、自分が理解できない言葉を甲高い声で発しながら、敵意があるのかないのか判断出来ない、全く知らない相手が笑いながらぐんぐん近づいて来たらどう感じますか?
「怖い」「なんなの、一体?」「どうすればいいの?」と恐怖を感じたり、戸惑ったりすると思います。それは犬も同じです。
初対面の犬と仲良くなりたいのであれば、出来るだけ警戒心を抱かせないように振る舞うことが大切です。
まとめ
人間同士でも、国や文化が違うと挨拶の仕方が違います。もし、挨拶の仕方に対して無知だったり、全く挨拶もせずにいたら、話をすることすら嫌がられ、絶対に分かり合えることはありません。
逆に、日本の挨拶を知らない筈の外国の人に「コンニチワ」や「コンバンワ」と笑顔で挨拶されると、それだけでぐっと警戒心が消え、一気に親近感を感じるようになります。それは犬も同じです。
けれども、犬にとっては、人間には人間同士の挨拶があり、犬には犬同士の挨拶の仕方がある、などと知っている筈がありません。
もしかすると、犬は、私たち人間を「姿の違う犬」だと考えているかも知れません。そう考えてみると、「挨拶の仕方を知らない犬が無遠慮に近づいてくる」と感じて、警戒心を抱いたり、嫌悪感を感じるのは当然なのではないかと思えてきます。
初対面の犬と仲良くなりたいとき、「どうすれば仲良くなれるか?」と考えるより先に「何をしたら警戒されるのか?」「敵意がないと伝えるにはどうすべきか」を考えて行動してみましょう。