犬も『嘘』をつくことがある?ありがちなシチュエーションと対処法

犬も『嘘』をつくことがある?ありがちなシチュエーションと対処法

人はいろいろな理由で嘘をつきます。嘘をつけるのは複雑な思考ができる人間ならではに思えますが、実は動物も生き残るためにさまざまな嘘をついています。それは生存競争がないはずの飼い犬でも同じです。飼い犬がどのような嘘をどのような目的でついているのか、飼い主はその嘘に対してどのように対処すべきなのかについて、解説します。

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なぜ嘘をつくのか

くつろぐ犬

動物界の中の嘘は、純粋に厳しい生存競争を生き残るために遺伝子の中に組み込まれたものであると考えられています。

しかし飼い犬には、自然界の厳しい生存競争は存在しません。にも関わらず、ある犬専門のメディアが行った飼い主へのアンケート調査では、約3割の飼い主が「愛犬が嘘をついていると思ったことがある」と回答しています。

今回は、飼い犬がつく嘘はどのような目的をもっているのか、そしてその嘘に対して飼い主はどのように対処するのが良いのかについて、解説します。

動物界における嘘

擬態する蛾

飼い犬の嘘について見ていく前に、動物界の中で広く知られている嘘の代表的なものを確認しておきましょう。

嘘とは、相手を欺くということです。動物が生き残るために相手を欺く行為として有名なのは、托卵や擬態です。

托卵で有名なのはカッコウです。親鳥は自分の卵を別の種の鳥の巣に産み落とし、孵化した雛鳥は、その巣の親から生まれた雛鳥を巣から放り出して養親鳥を専有します。親子揃って大嘘つきと言えるような行動です。

擬態とは、自分の姿を周囲の景色に紛れさせたり、自分よりも強い生き物のように見せることで相手を欺こうとする行為です。昆虫が有名ですが、魚類や爬虫類、両生類などさまざまな動物に見られます。

これらの嘘は、知恵を使うというよりも生き残り戦術として遺伝子の中に組み込まれたものだと言えるのが特徴でしょう。

飼い犬がつく嘘

厳しい生存競争にさらされることのない飼い犬がつく嘘は、遺伝というよりも明らかに知恵を使ったものが多いと言えそうです。具体的に見ていきましょう。

もっと美味しいものが食べたい

食欲がない犬

飼い犬は、飼い主さんの行動をよく観察し、自分の振る舞いが飼い主さんに与える影響をきちんと認識しています。そのため、普段食べているものよりももっと美味しいものが食べたいという理由で、食欲がないふりをすることがあります。

これは、過去に食欲がなかった時に飼い主さんが美味しい食材をトッピングしてくれた、別のおいしい食事に取り替えてくれたなどの経験から学んだ嘘です。

もっと気にかけて欲しい

撫でられる犬

飼い主さんの気持ちが自分から離れている、もっとかまって欲しいというような時に、足を引きずって歩いたり、元気のないふりをすることがあります。

これも、体調が悪くなった時に飼い主さんが愛犬を心配してあれやこれやと世話をしてくれたことから学んだ嘘です。

過剰な世話焼きは犬にとって好ましいことではありませんが、飼い主さんから気にかけてもらえないことは、犬にとってとても不幸なことです。愛犬にこのような嘘をつかせないように、しっかりとコミュニケーションをとるようにしましょう。

もっと得したい

おやつをもらう犬

犬は、飼い主さんや仲間の犬の注意をそらして、その隙においしい食事や居心地の良い寝床を奪ってしまうという行動を取ることがあります。

それを見たことをきっかけに実施したスイスの研究チームの実験により「犬は自分が得をするように意図的に人を誘導する」ことが分かりました。

犬に「この人はよくご褒美をくれる」と思われている場合、愛犬は飼い主さんをそう仕向けるように誘導しているかもしれません。

記憶にございません

そっぽを向く犬

何か失敗した時になかったことにしようとごまかす事もあります。たとえば、花瓶を割ってしまった時などに、飼い主と目を合わさないようにそっとその場から離れるというものです。

この場合、花瓶を割った直後であれば、きちんといけないということを教えましょう。

ただし、実際に割った瞬間を見ていない、見たが時間が経っている場合には、犬には叱られた理由が理解できませんので、叱っても意味がありません。

まとめ

犬の躾

犬は言葉を話せませんが、いろいろと知恵を使って飼い主さんを欺き、自分により利が得られるように行動することが分かりました。

しかし飼い主さんが愛犬の嘘にまんまと乗せられて、常に愛犬の思い通りの行動をしていては、結果として愛犬のためにならないこともあります。例えばおやつをあげすぎてしまった結果、愛犬の健康を害してしまうかもしれません。

飼い主さんは常に愛犬の心身の健康を優先的に考え、場合によっては「ダメなものはダメ」と教えなければなりません。

特に食べ物に関する場合は、口をつけない様子を見てすぐに食事を替える等の対処をせずに、15分経っても口をつけなければ下げてしまうということを何回か繰り返して状況を見極める事も大切です。

もちろん全てを嘘と決めつけてしまうと、本当の病気を見逃すかもしれません。

飼い主さんは、愛犬が飼い主さんを観察する以上にしっかりと愛犬のことを観察し、しつけとケアを正しく選択できるようになりましょう。

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