抱っこのしすぎが犬に与える悪影響
歩かなくなる
お散歩中、抱っこを要求されることがありますね。もう歩きたくないと言って、座り込んだり寝転んだりして抵抗することもあります。
飼い主としては、見られていて恥ずかしい気持ちや早く家に帰りたいという気持ちから、つい抱っこしてしまいがちです。
しかし、要求すれば抱っこしてもらえることを覚えてしまい、ほとんど歩かなくなってしまうことがあります。運動不足や肥満による病気などのきっかけになってしまう可能性も。
ストレスがたまる
犬が自ら抱っこを要求するパターンだけではありません。飼い主が「常に愛犬を抱っこしていたい」パターンがあります。
嫌だと言えずジッと抱っこされている犬もいますが、それは犬にとって常にストレスを感じている状態です。
ストレスがたまると、体にも心にも悪影響を及ぼすことがあります。脱毛・毛がパサパサしてツヤがない・皮膚が乾燥してフケが出ているなどストレスのサインが起きていないか、チェックしてみてください。
お留守番できなくなる
抱っこのしすぎが飼い主への依存を引き起こし、お留守番できなくなってしまうことがあります。
飼い主が出かけるとわかると鳴いて吠えて騒ぎ、パニックを引き起こすことがあります。「分離不安症」という心の病気を発症することもあります。
不安・恐怖・緊張などを緩和させるため、家中の家具や物を噛んで破壊するなどの問題行動のきっかけになることもあります。
抱っこを要求された時の対処法
歩くまで待つ
お散歩中の抱っこの要求には慎重に応えるべきです。わがままや甘えなのであれば、「もう少し歩こうか?」など優しく声をかけて歩くことを促してみてください。
しばらく休憩し、犬が自ら歩き出すのを待ってあげてください。ほとんどの場合、ちゃんと自宅まで歩くことができます。
しかし暑い・寒い・痛い・気分が悪いなど、体調の変化が起きた様子の時は抱っこしてあげてください。
犬が望む分だけ抱っこしてあげる
犬が飼い主とスキンシップやコミュニケーションをしたくて抱っこを要求してきた時は、犬が望む分だけ抱っこしてあげてください。
満足すると膝から下りたり、自分のお気に入りの場所やケージに移動します。
無理矢理ぎゅーっと抱きしめられると、ストレスになってしまうことがあるのでやめましょう。
タイミングを教えてあげる
飼い主が料理をしている時、抱っこを要求されては危険ですよね。刃物を扱いますし、熱湯などで火傷をしてしまう恐れもあります。
「今はダメだよ」「キッチンに入ってはいけないよ」「後でね」と優しく声をかけ、今は抱っこしてあげることができないと教えてあげてください。
犬は飼い主の行動を見て学びますから、こんな時はダメなんだなということが少しずつ理解できるようになります。
必ず抱っこした方が良い場面
人混みの中を歩く時
犬の手足を踏みつけられてしまったり、蹴飛ばされてしまうことがあります。また、思わずリードを手放してしまい迷子にさせてしまうことがあります。
人混みの中では必ず抱っこしてあげてください。
動物病院の待合室
他の人や犬や動物との接触を避けるため、必ず抱っこしてあげてください。
「ウチの愛犬は喧嘩や攻撃をしないから」と、安易にソファーに座らせてしまったり、自由に歩かせてしまう方がいます。
他の方の迷惑になってしまいます。抱っこできない場合にはリードをうんと短く持って、足元に座らせてください。
怖がっている時
突然、何かを怖がったり、怯えて抱っこを要求することがあります。
何が起きたのか飼い主にはわからないことがあります。苦手なニオイや音を感じ取ったのかもしれません。身の危険を感じたのかもしれません。
怖がったり怯えたりしている様子の時は抱っこしてあげてください。
まとめ
抱っこは、愛犬と飼い主との大事なスキンシップやコミュニケーションです。
しかし、いつでもどんな理由であっても抱っこの要求に応えていたり、わがままや甘えを許して抱っこしすぎてしまうと、困りごとの原因になってしまうことがあります。
まずは優しく声をかけて、上手くかわしてみてください。それ以上わがままを言わないようであれば問題ありません。わがままや依存をエスカレートさせてしまわないための対応が必要です。