犬がしっぽを下げる・股の間に巻き込むときの気持ち
1.しっぽを股の間に巻き込むのは「恐怖」
人も怖いときやびっくりしたときには、思わず身体をギュッと小さくしてしまいますよね。これと同様に、犬も恐怖を感じたときに身体が緊張状態になってこわばります。
これは身体を小さくすることで身体を守ろうとする「防御」の姿勢であり、犬はしっぽを股の間に入れ込むことで身体を小さくし防御の姿勢です。人や犬などに対してだけでなく、車や音などに恐怖を感じたときにもしっぽを股に入れることがあります。
2.しっぽの位置が低く下がっているのは「服従心」
防御の姿勢であるとともに、しっぽの位置が低く下がっているほど「自分はあなたに対して何もしません」という服従の気持ちを表しているといいます。
犬のしっぽは感情を表す部位で、高く上げるほど「強気」「嬉しさ」など状況によって様々です。しっぽを股の間に入れ込んで存在感を消そうとしている時は、相手に対して「自分は弱気です」「なので攻撃しないでください」という意思を表している場合もあります。
過度に怖がりな子にしないために
1.恐怖が攻撃に結びつく危険性も
しっぽを股の間に入れ込んで固まってしまう様子はわかりやすい「弱気な姿」です。しかし犬の臆病さは弱気な姿になることだけではなく、攻撃的な態度として表れることもあります。
例えば「果敢に吠えて立ち向かう」「すぐに噛み付く」という行動は一見すると強気な姿ですが、こういった攻撃的な態度も実は恐怖心の裏返しであることも多いのです。過度に恐怖を感じることは愛犬の攻撃性を高めてしまい、愛犬自身も「怖がらなくても良いものにも怖がる」ことは大きなストレスになります。
2.「社会化期」に経験を重ねる
生後4〜13週間ごろは「社会化期」と呼ばれ、さまざまな刺激を受けて順応していく大切な時期です。この頃はまだ幼い子犬ですが、人・犬・場所・音や光などさまざまな「知らない存在」と慣れ親しむことで外の世界に順応していくのです。
この時期に「知らないもの」と触れ合う機会が少ないと、成犬になってから大きなカルチャーショックを受けることになります。社会化期にさまざまな物事と出会い経験しておくことで、成犬になってからも外の世界を受け入れやすくなる傾向があります。
最も重要なのは子犬の頃の社会化期ですが、犬の社会化は一生続くとも言われます。成犬になってから物事に慣れていくのは抵抗感が強く根気が必要になりますが、成犬になってからでも少しずつ刺激に慣れていくことが大切です。
3.コマンドで恐怖から注意をそらす
恐怖を感じているときの犬は緊張状態になっていますので、恐怖を紛らわすために「コマンドで恐怖から注意をそらす」ことも効果的です。愛犬がしっぽを股に入れ込んで固まってしまったときに「お座り」「おいで」と指示を出し、愛犬の意識をコマンドに向けてあげると良いでしょう。
まとめ
犬がしっぽを股の間に入れ込むのは「恐怖」や「服従」の気持ちの表れです。犬それぞれに個性があって、どーんと構えておおらかな子もいれば「すぐにしっぽを丸めて固まってしまう」という子もいます。
恐がることはごく自然な感情ですが、過度な恐怖は愛犬の攻撃性に結びつく可能性があるほか、愛犬自身にも大きなストレスがかかってしまいます。成犬になってから物事に慣れていくのは時間がかかるかもしれませんが、慣れていくことで愛犬の自信にもなっていくでしょう。