1.ワラビ
食用の山菜として有名なワラビですが、実は生のまま食べてしまうと毒性があるので注意が必要です。
山菜と言えど、ちょっとした雑木林や道路脇の斜面などでも見かける身近なものなので、住んでいる地域によっては気軽に出会う可能性があります。
ワラビの毒性は貧血や不整脈、運動失調、血尿などの症状が起きると考えられていて、急性中毒を引き起こした場合は血液凝固不全による出血多量などで、命の危険が及ぶ場合もあります。
2.ウマノアシガタ
ウマノアシガタは、名前はあまり知られていないものの、春になると公園や道路脇などさまざまな場所で見かけるようになる小さな黄色の花です。
見た目はかわいらしい花ですが、犬が食べてしまうと中毒症状を起こすので十分に気をつけましょう。
ウマノアシガタを食べると下痢や嘔吐などの症状が出て、そのままにすると血便が出たり、元気が消失されてぐったりした様子が見られたりします。
皮膚や粘膜にも刺激が強く、口の中が腫れたり、消化器官が炎症を起こしたりもするとされています。
さらに、症状が進行すると幻覚を引き起こして異常行動が見られるようになる場合があったり、心停止してしまったりする場合もある恐ろしい野草です。
3.チューリップ
春の花として人気のチューリップですが、こちらも犬が注意すべき植物です。
こちらは野草というよりも、公園や庭先の花壇などに植えられていることが多いと思いますが、犬にとって身近な存在であることに変わりはないでしょう。
チューリップの毒性は、花や葉にはほとんど見られず、球根に集中しています。アレルギー性を持つラクトンという成分が含まれていて、苦みを感じるため犬もあまり好まないとは考えられています。
しかし、犬が食べてしまうと、口腔内や食道が刺激されて大量のよだれを垂らしたり、嘔吐を引き起こしたりします。
その後下痢や血便などを起こすことがあり、さらに重症化するとけいれん発作や心拍数の上昇が見られることがあります。
4.ヒヤシンス
もこもことした独特の咲き方をするヒヤシンスの花は、春頃に開花します。
美しいだけでなく、香りの良い花で人気がありますが、シュウ酸カルシウムが含まれていて毒性を持つ植物なので注意しましょう。
チューリップ同様、球根部分に特に強い毒性がありますが、茎や葉、花など植物全体にも毒があるので気をつけてください。
ヒヤシンスの球根などを食べてしまうと、大量のよだれや嘔吐、下痢、震え、痙攣などの中毒症状が現れます。
また、シュウ酸カルシウムによる刺激で、口腔内や腸管などが腫れたりかゆみを感じたりすることもあるとされています。
これらの場所の腫れがひどくなると、呼吸困難に陥る可能性もあるので、ヒヤシンスを食べてしまった場合は必ず動物病院で相談するようにしましょう。
5.アジサイ
梅雨時期の花として知られるアジサイですが、3月頃から出始める葉には毒性があるため、春には注意しておく必要があります。
アジサイは秋に落葉した後、2月下旬〜3月上旬から葉が出始めて、4月上旬には葉が大きく広がり花のつぼみが出てきます。
現在、アジサイの葉には、青酸配合体・抗マラリア成分・嘔吐性アルカロイドという毒性成分が含まれていることがわかっています。
ただし、品種によってはそれらが見つからないものがあったり、含有量が異なるものがあったりと、毒性に関してはっきりと分かっていない部分も多くあります。また、花にも毒性があるものも発見されています。
アジサイの葉や茎、花などを食べた場合の中毒症状としては、嘔吐やけいれん、めまい、ふらつき、呼吸麻痺などが考えられます。
これらは人間にとっても毒性が現れるもので、実際に飲食店で料理に添えられたアジサイの葉を食べてしまったことで食中毒を起こしたという事例もあります。
除草剤散布中の草むらにも注意!
春になると植物が一気に芽吹き、公園や道路脇などの野草もぐんと伸びてきます。草が青々と茂ってくると、除草剤が撒かれることがあるため、犬が食べてしまわないように注意が必要です。
除草剤を犬が口にすると、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こしますし、成分や量によってはけいれんや麻痺などの重篤な症状に至る場合もあります。
除草剤が撒かれている場合、「除草剤散布中」などの立て札が置かれていることがあるので、散歩中は周辺をしっかりと確認しておくといいでしょう。
また、近所の公園や神社、雑木林などであれば毎年同時期に除草作業が行われることが多いので、そうした情報についてもチェックしておくようにしましょう。
まとめ
犬が散歩中に草を食べることはよくありますし、球根など見た目で興味を引かれたものを口に入れてしまうことも多いでしょう。
しかし、犬の散歩コースでもよく見かける身近な植物でも、犬にとって有害な成分を含むものが多くあることを覚えておきましょう。
近所の公園などにある植物については、ある程度種類を把握し、毒性を持っているものかを確認しておくと安心です。それがむずかしい場合には、あまり公園などの植物を食べさせないように管理しておくことをおすすめします。