1.「敵意はない」と伝えたい
歩き方も意思表示の1つ
ほかのわんちゃんとすれ違うとき、まっすぐではなく相手と距離が生まれるようにカーブして歩くことがあります。これは犬の「カーミングシグナル」の1つで、相手のわんちゃんに「敵意はないよ」とアピールするためのものです。
相手にまっすぐ向かっていってしまうと圧迫感や緊張感を与えてしまうため、わざとカーブを描いで歩きます。
お散歩中は飼い主さんが歩き方を意識してあげよう
お散歩の際はリードを装着していますので「カーブを描いて歩こう」と思っても愛犬に自由がきかないことが多くあります。ほかのわんちゃんとすれ違う場面でこのカーミングシグナルを出すことができないと、愛犬も相手のわんちゃんもドキドキしてしまうかもしれません。
ほかのわんちゃんとすれ違う際には飼い主さんが愛犬と相手のわんちゃんとの間に入ってカーブを描くように歩き、わんちゃん同士の距離が生まれるようにすると穏便にすれ違いやすいです。
2.気が乗らない
お名前を呼んだとき、いつもなら嬉しそうに走り寄ってくる愛犬が「蛇行しながらトボトボ寄ってくるとき」は、何らかの理由で気が乗らない状態であると考えられます。
飼い主さんが怒っている様子であったり、爪切りやシャンプーなどの苦手なことをされる予感を察知したりしているのかもしれません。
蛇行した歩みは「呼ばれているから行かなきゃいけないけれど、行きたくないなぁ」という気持ちの表れであると考えられます。
3.緊張や疲れ
「側対歩」と「斜対歩」
犬の歩き方の1つに「側対歩(そくたいほ)」というものがあります。これは「同じ側の前足と後ろ足が同時に出る」歩き方で、いわゆる「なんば歩き」といいます。側対歩はキリンやゾウ、ラクダなどの大型哺乳類に多く見られます。
これに対して、前足と後ろ足が左右の対角で出る「斜対歩(しゃたいほ)」という歩き方があります。犬は基本的にこの斜対歩の歩き方ですが、一部の犬種・筋肉が未発達の子犬・肥満気味の犬に側対歩の歩みが見られる傾向があり、その子の歩き方の癖である場合もあります。
緊張感や疲れなどの表れで見られる場合も
側対歩は歩く際に身体をねじる必要がなく、筋肉を効率よく使える「省エネ」な歩き方です。このことにより、犬の場合の側対歩はストレス・緊張・疲れ・身体の不具合・老化などの表れとして見られることもあります。
側対歩は身体に不具合があって見られる場合もあれば、生まれ持った癖である場合もあります。愛犬の歩みに元気がなく、その他の異変も見られる場合にはかかりつけの獣医師に相談してみましょう。
まとめ
犬は感情を態度でよく表し、その「歩き方」からも心情が読み取れることがあります。名前を呼んだときに蛇行してトボトボ歩み寄ってくるときには、何らかの理由で「行きたくないなぁ」と気が乗らない気持ちである場合があります。
ほかのわんちゃんとすれ違う際にカーブを描いて歩くのは「敵意はないよ」というカーミングシグナルの1つです。同じ側の前足と後ろ足を同時に出す歩き方は「側対歩」と言い、その子が生まれ持った癖である場合もあれば、ストレス・緊張・疲れ・身体の不具合・老化などの表れとして見られる場合もあります。
愛犬の表情や仕草に加え「歩き方」をよく観察してみると、愛犬の気持ちをさらに読み取れるでしょう。