犬の体臭の原因は?
犬は、においが発生しやすいベタベタした汗を分泌するアポクリン腺という汗腺が全身に分布されているため、基本的に体臭が強めです。そのほか
- 顔や体にしわが多い
- 涙やけをしている
- 皮脂の分泌量が多い
- よだれが多い
- 被毛がダブルコート
- 耳が垂れている
などが犬の体臭の原因になります。
人と同じように犬も体臭の強さには個体差がありますが、体臭が強いと言われている犬種もいます。
体臭が強い犬種は?
では、体臭が強いと言われている犬種をご紹介していきたいと思います。
1.パグ
つぶれた鼻と顔のしわが特徴のパグですが、このしわが体臭の原因になります。しわとしわの間は蒸れやすい上に皮脂や水分、食べかすといった汚れもたまりやすく、においが発生しやすいのです。パグは、皮脂の分泌量が多い犬種でもあります。
また目が突出していて異物などの刺激を受けやすいため、涙やけ(過剰な涙によって目の周辺の被毛が赤茶色に変色すること)になりやすく、それがにおいの原因になることも。
2.アメリカン・コッカー・スパニエル
毛量が豊富なアメリカン・コッカー・スパニエルはダブルコートで、皮脂の分泌量も多い犬種です。長く豊富な被毛にはゴミや汚れが付着しやすく、においの原因になります。
そしてアメリカン・コッカー・スパニエルのように耳が垂れている犬種は、耳の中が蒸れやすいため耳の病気になることが多く、それが原因でにおうことがあります。
3.フレンチ・ブルドッグ
パグと同様にしわと皮脂の分泌量が多いフレンチ・ブルドッグは、体臭が強め。涙やけもしやすいと言われています。涙やけをしている犬は涙の量が多く、目の周りの被毛が涙で濡れたままだと雑菌が繁殖しやすいため、においやすくなります。
フレンチ・ブルドッグはよだれも多く、被毛についたよだれに雑菌が繁殖して、においの元になることがあります。
4.バセット・ハウンド
バセット・ハウンドも体臭が強い傾向。その原因は主に、顔や体にしわが多いことと耳が垂れていること、そして皮脂の分泌量が多いことです。皮脂は酸素に触れると酸化してにおいが発生するので、皮脂が多いと体臭が強くなります。
5.ゴールデン・レトリーバー
豊かな被毛を持つゴールデン・レトリーバーは、ダブルコートの長毛種。ダブルコートとは、上毛と下毛の2層構造になっている被毛のこと。上毛のみの被毛は、シングルコートと言います。ダブルコートは被毛が厚いため、シングルコートよりも蒸れやすく、においが発生しやすいです。耳が垂れているので、耳の蒸れにも注意が必要。
またゴールデン・レトリーバーのような大型犬はよだれが多く、口周りからにおいが発生しがちです。
体臭が強い犬種を飼う時に気をつけるべきことやケア方法は?
体臭が強い犬を飼う時は、どのような点に気をつけなければいけないのでしょうか?また、どのようなケアをしてあげたらいいのでしょうか?体臭の原因ごとにご紹介します。
1.顔や体にしわが多い場合
しわの汚れをそのままにしておくと、雑菌が繁殖してにおいが発生するだけでなく、皮膚炎を引き起こすこともあります。顔や体のしわは、清潔を保つことが大切なので、できれば毎日ケアしてあげましょう。最低でも週に1回はケアを。
ケア方法は、蒸したタオルや濡れたタオルでしわとしわの間を拭きますが、ゴシゴシ拭くのはNG。デリケートな皮膚を傷めないように、やさしく拭いてあげましょう。拭いた後、水分が残っていると雑菌が繁殖しやすくなってしまうので、仕上げに乾いたタオルやガーゼで拭いて、しっかり水分を取り除くのを忘れずに。
2.涙やけをしている場合
目の周りを涙で濡れたままにしておくと、皮膚炎を起こすことがあります。目から溢れ出た涙は、こまめに拭くように心がけましょう。目の周りはとてもデリケートなので、コットンやガーゼを使って、力を入れ過ぎないようにやさしく拭いてあげます。目頭を拭く時は、上から下に向かって拭き、目の周りを拭く時は、目頭から目尻のほうに向かって拭きましょう。
3.皮脂の分泌量が多い場合
皮脂の分泌量が多いと体臭が強くなりますが、マラセチア性皮膚炎といった皮膚病も起こしやすいので要注意です。定期的なシャンプーでしっかりケアしてあげましょう。皮脂の分泌量によって適切なシャンプーの頻度は変わってくるので、獣医師やトリマーに相談するといいでしょう。
4.よだれが多い場合
よだれを放置すると、口の周りの被毛が変色するよだれやけを起こしたり、皮膚が炎症を起こしたりすることがあります。よだれも涙と同じように、こまめに拭くことが大切です。よだれに気づいたら、濡れたタオルやノンアルコールのウエットティッシュなどで口周りをやさしく拭いてあげましょう。
5.被毛がダブルコートの場合
ダブルコートの犬種は体臭が強くなりがちなので、こまめにシャンプーをしたくなるかもしれませんが、シャンプーしすぎると皮膚のバリア機能が低下して、皮膚のトラブルを招きやすくなります。皮膚が健康で、皮脂の量も多くない場合は、シャンプーは月に1~2回にとどめましょう。
ダブルコートは被毛が厚いのでシャンプー後、生乾きになってしまいがち。生乾きは蒸れて、においや皮膚トラブルの原因になります。ドライヤーを使って根元までしっかり乾かしましょう。
定期的なシャンプーのほか、毎日のブラッシングで汚れや抜け毛を取り除くことで、体臭を減らすことができます。
6.耳が垂れている場合
耳が垂れていると、耳の通気性が悪く蒸れて、雑菌が繁殖しやすい環境になります。そのため、外耳炎をはじめとする耳の病気になりやすいです。清潔を保つために、最低でも週1回は耳をチェックしましょう。もし汚れていたら、耳用ローションを含ませたコットンでやさしく拭きます。
耳の病気を発症すると、耳がにおうようになることが多く、耳をかゆがるのも病気のサインです。異常に気づいたら、早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
今回は、体臭が強いと言われている犬種を5犬種ご紹介しました。個体差があるので、ご紹介した犬種でも体臭が少ない個体もいます。もし体臭が強くても、原因に合わせたケアを行うことで、体臭を減らすことができるでしょう。
すでに炎症などを起こしていて、においが発生している場合もあるので、愛犬のにおいが気になるときは一度動物病院を受診してみましょう。