犬は、「時間」を「体内時計」で理解している!
結論から言うと、犬は「時間」を理解しているわけではありません。人間のように、時計を見て「〇時はご飯や散歩の時間だ」「〇時は飼い主さんが出かける時間だ」と認識しているわけではないのです。
では、ご飯や散歩の時間にソワソワするのはなぜなのでしょうか?
実は、犬も人間と同じように備わっている体内時計によって、一日の生活リズムをつかんでいます。外が明るくなったら目が覚め、昼時にはお腹が空き、徐々に暗くなってきたら散歩に行き、真っ暗になったら寝る。こうした毎日を送っている犬は、生活リズムが染み込んでいるといえます。
つまり、犬はこの生活リズムをもとに「どのタイミングで、どの行動をするのか」を体内時計によって判断し、行動しています。
毎日時間を決めて散歩に出かけているご家庭では、その時間になると犬が催促しに来ることもあります。散歩の時間を忘れていた飼い主さんのもとへ犬が近づき、顔をキラキラさせながらアピールしてくる時、時計を見るとぴったりその時間なんてことも。過去の経験や習慣も影響しているのでしょうが、犬の体内時計の正確さに驚きます。
昼と夜の違いは?
外が明るくなったら目が覚めて、ご飯を食べて、散歩に行って、お留守番をして、オヤツを食べて、昼寝をして、オモチャで遊んで、徐々に暗くなってきたら2回目の散歩に行って、ご飯を食べて、寝床で寝る。ご家庭によって違いはあるでしょうが、犬の生活リズムを大まかにまとめるとこのようになります。
ではこのような生活リズムを送る中で、犬は昼と夜で行動の違いはあるのでしょうか?
1.昼の行動
犬の先祖であるオオカミは夜に狩りをして生活をしていたため、夜行性の動物です。しかし人間と共生することで食事の心配がなくなり、また夜に狩りをする必要がなくなったこと、また人間の生活リズムに慣れたことで、昼行性の動物になりました。
犬自身も、「外が明るいときは活発に行動する時間」「外が明るいときはご飯や散歩の時間」と認識しているでしょう。
2.夜の行動
人間と共生することが当たり前になったこの時代に、犬が夜に活発に行動することはほとんどありません。それでも、たまに犬が夜中に家の中を行動していることがありますよね。
実は犬も人間と同じく、寝ているときはノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)を繰り返しています。しかし犬の場合ノンレム睡眠が1割、レム睡眠が9割なんです。そのため、聴覚が優れていることや、人間よりも警戒心が高いことも相まって、ごく小さな音であってもすぐに目を覚まします。
夜中にふと目が覚めたときに愛犬が起きているのはこのためであり、オオカミの時代のように目的があって夜中に起きているのではないのです。
3.こんな行動は要注意!
昼にぐっすり寝て、飼い主さんが寝静まった夜に活発に遊びに誘ったり、激しい吠えや夜鳴きをしてしまう子は注意が必要です。飼い主さんの生活リズムを乱すだけでなく、近所にも迷惑がかかってしまいます。
このような昼夜逆転の行動をしている子は、以下のことが考えられます。
- ケガや病気の発症
- 老犬の場合、認知症の恐れ
見た目は健康そうでも、実は病気が隠れている恐れがあります。激しい痛みが生じることで横たわることができず、夜に吠えたり夜鳴きを引き起こす場合があるのです。飼い主さんに痛みを必死に伝えているのでしょう。
また老犬の場合、認知症も疑われます。
夜に吠えたり夜鳴きする行動に加え、急にトイレの失敗が頻繁に起こったり、家の中を歩き回ったりするなどの行動がみられる場合は、認知症かもしれません。
「夜に活発に行動する」「夜に吠えることが多くなった」など愛犬に異変を感じたら、すぐに動物病院で相談してみましょう。
まとめ
犬も人間と同じく、規則正しい生活を送ることがとても大切になります。
そして愛犬が自身で築き上げた生活リズムを、飼い主さんが崩してはいけません。昼はご飯を食べて散歩に行ってオモチャで遊んで、夜はぐっすりと寝かせてあげましょう。
寝顔があまりにもかわいくて撫でてしまいたくなる気持ちはぐっと堪え、愛犬のやりたいことをさせてあげることが重要であり、行動を規制しないようにしましょう。