犬から嫌がられる人に共通する3つのこと
1.予測不能の動きをする
犬に嫌われる、ということは「犬に警戒される」ということでもあります。
予測不能の動きをするような相手が目の前にいると、犬は自分に危害を与えるのかそうでないのかを咄嗟に判断出来ません。そのため不安になり、予測不能の動きをする人は犬から警戒されます。
急に甲高い声を上げて走ってくる子どもや、棒を持っている交通警備の人を犬が嫌うのは、犬にとって彼らの動きは予想不能で、そのために彼らは安全な存在とは思えないからです。
2.急に大きな声を出す
犬は人間よりも、はるかに優れた聴覚を持っています。
そして、人間と一緒に暮らす経験を積んでいろいろな記憶を蓄積した結果、人間の口調や声の大きさから人間の感情を察することが出来るようになります。
優れた聴覚を持っていて、さらに人間の喜怒哀楽の感情を声の大きさから知ることが出来るのですから、唐突に側で大声を出されると、人間よりも大きな心理的衝撃を受けるでしょう。
人間でいえば、突然、理解できない言葉で怒鳴られるようなもので、そんな暴力的な接し方をする相手を好きになれるワケがありません。
3.表情が乏しい
最近の研究で、犬は生まれながらに人間の表情から、自分に対して好意を持っているか、敵意を持っているかを理解する能力が備わっていることがわかりました。
つまり、笑顔で話しかけると「この人は自分に好意を持っている」と犬はちゃんと理解出来るのです。
言葉だけではなく、表情で意思を伝え合うことが出来るので、犬は自分とコミュニケーションを取ろうと近づいてくる人間の顔の動きをよく観察しています。
それなのに、犬に理解出来ないほど無表情な顔をしていると、犬はその人の表情から感情を読み取れません。
つまり、自分に対して好意を持っているのか、あるいは敵意を持ち、危害を加えようとしているのかを判断しにくいのです。
その結果、「何を考えているのかわからない相手」と認識し、警戒します。
人間同士でも、仏頂面をしていてろくに言葉も交わさない相手から好意を持たれているとは思えません。利害関係がなければそんな相手に好意を持つこともないと思います。
犬に嫌われるNG行為
犬が嫌がることをわざとやる
本人は遊んでいるつもりでも、犬にとっては嫌だったり、怖かったりするような触り方があります。
例えば、尻尾をつかんだり、大人しくお気に入りのおもちゃで遊んでいるのにそれを取り上げたり、寛いでいるところを大声で驚かしたりして、犬が嫌がることをわざとして犬が取り乱して慌てる様子を「遊んであげている」と勘違いする人は犬から嫌われます。
おやつを貰うときなどは尻尾を振って近づくことはありますが、根本的にそう言った人に犬は心を許しません。
高圧的に犬に近づく
「たかが犬、餌をやれば誰にでも尻尾を振る」と思っているような人は、犬の心を理解しません。
犬の真正面からまっすぐに犬の目を見据え、犬の頭を押さえつけるように撫でようと無遠慮に手をかざしたりします。
基本的に高圧的に犬に近づく人は、犬に対する知識も乏しく、犬と言う動物を見くびっている傾向があるので、犬だけでなく、その犬の飼い主さんからもよく思われていないのではないでしょうか。
飼い主さんが嫌っている人を愛犬も嫌うのは当然です。
暴力をふるう
蹴る、棒で叩くなど一方的に犬に対して暴力を振るうのは、例え躾やトレーニングの一環だとしても、絶対に許されることではありません。
犬に好かれる方法
犬が嫌がることをしない
尻尾や足先、鼻先など犬が触られて嫌な場所は触らない、犬が嫌がる素振りを少しでも見せたら決して無理強いはしないことです。
単純なようですが、「嫌がることをしない」と言うのは、何をすれば犬が嫌がるかを知っている必要があります。
犬が喜ぶこと、嬉しいことを知る
「犬が嫌がることはしない」という行動からさらに一歩進んで、「どうすれば犬が喜ぶか」「どうすれば犬が嬉しいと感じるか」を考えて行動できるように、知識や方法を身に着けます。
具体的にはどうやって犬と遊べば犬は心を開いてくれるか、を考えてみましょう。
まず、犬は何かを探すこと、追いかけること、捕まえることが大好きです。もしかしたら、おやつを貰える以上に一緒に遊ぶ方が嬉しいと思うかもしれません。
犬と人間が一緒に心から遊びを楽しむことで、犬が持っているさまざまな本能的な欲求を満たすことが出来るのです。
そして、犬の「楽しい、嬉しい」記憶を刻み付けていけば、犬からの親愛の感情を得られます。
犬の要求を理解する
犬と人間は言葉でお互いの感情を理解することは出来ません。けれども、犬は私たち人間に自分の行動や鳴き声などで自分の意思や要求を理解してもらおうとします。
そのような犬の要求を理解できるようになれば、「この人は自分のことを理解してくれる」と判断します。
そうすると、「遊んでほしい」「おやつが欲しい」などの要求を叶えるために、犬のほうからコミュニケーションを求めてきます。
もちろん、そのような関係性を築くには、日々のお世話と常に愛犬への関心を持ち、観察を怠らない努力が必要です。
まとめ
私たち人間にも、一人一人に個性があり、一人一人性格や好みが違うように、知能が高く、社会性も備えている犬も一頭一頭性格が違います。
ですから「こうやれば絶対に犬から好かれる!」という絶対的な方法などありません。
ただ、確実に言えるのは「犬が嫌がることをしない」ということに尽きます。
言葉にするととても簡単なことのようですが「犬が嫌がることをしない」ということは、「何をされたら犬が嫌がるか」を知っている必要があります。
それは、犬と言う動物の習性などをよく知ることでもあります。
さらに、犬にとって一番幸せなのは大勢の人に可愛がられるよりも、一番大切な飼い主さんから心から愛されることだと思います。
たとえ他人の犬から嫌われたり、警戒されることがあっても、ご自分の愛犬から心から信頼され、愛されているのなら、無理によその犬から好かれる必要はないように思います。
これは「自分の犬だけが可愛ければ良い」と言っているのではありません。人見知りが激しい犬や、飼い主さん以外の人間に不信感や警戒心を抱く犬にとっては、距離を詰めてくる人間などストレスでしかないのです。
どうしても仲良くしたいのであれば、まずは「無害な人」と犬に認識させて、次の段階として「この人はおやつをくれる」「自分に対して好意を持っている」と言う楽しい経験、嬉しい経験を蓄積してもらいましょう。
このように、いくつもの段階を踏んで焦らずに犬との距離を縮めていくようにしましょう。