撫でられたいのは信頼したい人に甘えたいとき
人と一緒に暮らすようになった犬たちは、自力で獲物を捕まえる必要もなければ、飼い主さんに守られて安心しながら安全に暮らせるようになりました。
そのため、成熟した犬たちにも、まだ子犬気分が抜けない部分が残っています。さらに、信頼できる人に対しては、時として甘えたい気持ちを示してくれることがあります。
愛犬が、信頼している飼い主さんに対して「甘えたい」「撫でてもらいたい」時に見せてくれるサインである仕草や態度には、どのようなものがあるのかについてご紹介します。
愛犬が見せる撫でられたい時の仕草、態度
1.前足をのせたりツンツンしたり
座っている飼い主さんの足に前足を乗せたり、前足で飼い主さんの足をツンツンとつつく行動は、愛犬が「注目して!」という気持ちを表しています。つまりは甘えたいという時の態度なのです。
飼い主さんのことをキラキラと輝くような目で見つめていると思いますので、そっと顎の下や耳の後ろを撫でたり、体の側面を撫でてあげると喜ぶでしょう。
2.ごろんと寝そべりお腹を見せる
お腹にはとても大切な臓器がたくさん詰まっているにも関わらず、それを守る骨がなく、襲われたらひとたまりもない急所です。
そんな大事な場所を無防備に見せる姿勢をするのは、飼い主さんを心の底から信頼しているという証でもあります。
自分ではなかなか掻けないお腹を、優しくワシャワシャと撫でてあげると喜ぶでしょう。
3.体を擦り寄せてくる
愛犬自身が満足していて幸せを感じている時で、構って欲しい時に体を擦り寄せてくる行動を取ることがあります。
構って欲しい、甘えたいという気分ですので、優しく撫でてあげたり、好きなおもちゃで一緒に遊んだり、場合によっては散歩に連れて行くと喜ぶでしょう。
4.あごを乗せてくる
飼い主さんが座っている時に、飼い主さんの膝などにあごを乗せてくる時も、構って欲しい、撫でて欲しい時のサインです。
あごを乗せて満足そうに休んでいる時は、飼い主さんの側で安心してくつろいでいる場合が多いので、そっと撫でてあげるとさらに安心するでしょう。
こんな時は注意が必要
緊張している
犬が安心している時は、全身の筋肉に力が入っておらず、ゆるりとした状態になります。
逆に、全身の筋肉に力が入って硬くなっている時は、緊張している状態です。こういう時に撫でると犬はびっくりしてしまいます。
とくに頭の上から手を近づけると犬は驚き、かつ不安を感じますので気をつけましょう。
しっぽが下がっている
犬の気持ちはしっぽによく表れます。しっぽが下がっていたり、さらに股間に巻き込まれているような場合は、緊張していたり不安を感じているサインです。
甘えている時の仕草によく似ている場合でも、しっぽが下がっているような時には、気安く撫でないようにして、愛犬の様子をよく観察し、ストレス源を見極めてください。
他のことに注意が向いている
愛犬が飼い主さんの方を見ておらず、他の犬や別の人に注目している時は、安易に撫でると驚かせてしまいますので注意しましょう。
愛犬の注意が他の方に向いている時に急に触ると、犬は驚くだけではなく、恐怖を感じる場合もあります。
撫でる時の注意
愛犬が甘えてくる理由の一つに、体調が思わしくなくて気づいて欲しいというような場合もあります。また、何かを飼い主さんに訴えたくて甘えてくる場合もあります。
愛犬は、こういう気持ちを言葉で飼い主さんに伝えることができません。そのため、飼い主さんは愛犬の様子をよく観察しながら、愛犬の気持ちを汲み取って上げる必要があります。
たとえば愛犬を撫で始めた後、数秒したらすっと手を離して愛犬の様子を観察してみてください。
愛犬がそのまま飼い主さんのそばから離れずに、前足で飼い主さんをツンツンしたり、体を擦り寄せてきたりするような場合は、「もっと撫でて欲しい!」というサインです。
まとめ
まだ愛犬との絆を構築中の飼い主さんも、犬のしぐさや行動の意味を知ることで、日頃のコミュニケーションを深めていくきっかけになると思います。
今回は愛犬が「甘えたい」「構って欲しい」「撫でて欲しい」という気持ちを表している時の仕草や態度をご紹介しました。
ただ、これらのサインを鵜呑みにするのではなく、撫でられている時や遊んでいる時も、常に愛犬の気持ちを汲み取ってあげられるように、しっかりとコミュニケーションを取ってあげてください。そうすることで、愛犬との絆をもっと深いものにできるはずです。
愛犬は飼い主さんのことをじっと観察し、行動や仕草、声の調子などから飼い主さんの気持ちを慮っています。
飼い主さんも、同じように愛犬の気持ちをしっかりと受け止められるようになりましょう。