1.毛のもつれを予防する
ブラッシングのいちばんの目的は「毛のもつれの予防」です。長毛種は特に毛が絡まりやすく、ブラッシングを怠ると毛が固く絡まり合い毛玉ができてしまうため、毛玉はブラシで解くことが困難になり、無理に除去しようとすると引っ張られて愛犬も痛みを感じます。
そして毛玉となった部分をカットして除去すると、その部分だけ毛の長さがチグハグになってしまいます。愛犬の美しい毛並みを保つために、毎日のブラッシング習慣によって毛玉になる前に毛のもつれをほどいてあげることが大切です。
2.皮膚の新陳代謝を促進する
ブラッシングをする際にはブラシを使用しますが、長毛種の場合はスリッカーブラシやコームを、短毛種の場合はピンブラシやラバーブラシなどを使用することが多いですね。
ブラッシングの際にブラシが愛犬の皮膚を刺激することによって血流が良くなり、皮膚の新陳代謝を促進する効果が得られます。ブラッシングは被毛の美しさだけではなく、愛犬の皮膚の健康にもメリットがあるといいます。
3/皮膚病を予防する
被毛が無い一部の犬種を除き、犬の身体は被毛に覆われています。被毛には皮膚を保護する役割がありますので、その代わりに犬の皮膚は人間よりも大変繊細にできています。皮毛に覆われている犬の皮膚は蒸れやすく、蒸れて不衛生になると雑菌が繁殖したり常在菌のバランスが崩れたりして皮膚病の原因になる恐れがあります。
ブラッシングによって抜け毛を除去すると通気性が良くなり、愛犬の皮膚を蒸れから守ってあげることができるのです。そしてブラッシングによって新陳代謝が促進されることにより、皮膚のバリア機能の低下を防ぐ効果が期待できます。
4/夏の暑さ対策
換毛期に抜け替わるのはアンダーコート
犬には春と秋頃に換毛期があり、気温に対応するために毛量が調節されます。この換毛期に抜ける毛は「下毛(アンダーコート)」ですので、上毛(オーバーコート)のみのシングルコートの犬種には明確な換毛期はないと言われています。
体熱を発散しやすくして蒸れも防止しよう
下毛を持つダブルコートの犬種は寒い地域が原産であることも多く、下毛は密集して生えているため体熱の発散が苦手な傾向があります。すでに抜けた毛が身体に残ってしまうと、体熱を発散しにくく皮膚も蒸れやすくなるため、愛犬がダブルコートの犬種である場合は特に、丁寧なブラッシングによって愛犬を暑さや蒸れから守ってあげましょう。
5.病気の早期発見
ついでに愛犬の健康チェックも
ただ被毛をとかすだけではなく、同時に愛犬の身体をチェックしながら行ってみましょう。皮膚に湿疹はないか、触られて嫌がる場所はないかなど、愛犬の健康チェックを兼ねてブラッシングを行うことで病気の早期発見に繋がります。
ていねいなブラッシングのために信頼関係が重要
ブラッシングの際には愛犬の全身に触れる良い機会ですので、飼い主さんと愛犬のスキンシップの時間にもなります。愛犬が飼い主さんに身を委ねるためには信頼関係が重要となりますので、丁寧にブラッシングをするためにも愛犬との信頼関係を構築しておくことは大変重要です。
まとめ
ブラッシングは「毛をとかす」だけが目的ではなく、皮膚の健康のためや夏の暑さや蒸れ対策、病気の早期発見などたくさんのメリットがあるケアです。犬には派手に毛が抜け替わる換毛期がありますが、換毛期だけではなく日々の習慣としてブラッシングを続けて行くことが大切です。
強い力でブラシを当てられることや絡まった毛を無理に引っ張られると愛犬が痛みを感じ、ブラッシングに抵抗感を抱く恐れがあるので、こまめにブラッシングを行えば毛玉もできにくく、不快感を伴わずに済みます。
ブラッシングは愛犬の身体に触れるスキンシップの時間でもありますので、飼い主さんと愛犬の心穏やかなふれあいの時間として、ぜひ暮らしの中に取り入れてみてください。