1.ぶどう
知っている方も多いと思いますが、ぶどうは犬にとって危険な果物のひとつです。ぶどう自体は小さいし、1粒だけなら…と、ついあげそうになってしまいますが、1粒でも『ぶどう中毒』になる可能性があります。
『ぶどう中毒』になると腎臓の機能が著しく低下して、、約半数の犬が「急性腎不全」になり死に至ったという報告も出ています。
とくにレーズンはぶどうの成分が凝縮されているものなので、普通のぶどうよりも危険性が高いと言われています。
『ぶどう中毒』はどんなに元気な若い犬でもなる可能性があります。
症状としては嘔吐、下痢に加え、腎障害や血尿、貧血などがあります。
今現在特化した治療薬がないので、普段からの予防が重要となります。犬の届く範囲には絶対におかないように気をつけましょう。
2.キシリトール
ガムに甘味料として含まれているキシリトール。甘い匂いがするので犬の近くにあったら、もしかしたら食べてしまうかもしれません。
キシリトールは、消化吸収してブドウ糖として体内に取り込まれます。インスリンというホルモンは吸収されたブドウ糖を取り込み高血糖にならないように調整を行っています。
ですが犬の体は、キシリトールを食べてしまうと、このインスリンを放出しすぎてしまう性質をもっているため、血糖値が急激に下がり意識の低下、痙攣、こん睡などの低血糖症状を起こしてしまいます。低血糖症状は犬にとってはとても危険な状態です。
このような症状が出たら様子を見たりせず、すぐに病院に連れていくようにしましょう。
キシリトールは、体重10kgの犬に対し1g摂取したら治療が必要といわれています。
3.マカダミアナッツ
ナッツの中でも味がしっかりしていて、食べると癖になるマカダミアナッツ。
基本ナッツ類は油分が多いので犬の体にはあまりよくない要素の方が多いです。
特にこのマカダミアナッツは一番危険性が高く、消化不良である嘔吐下痢以外にも、痙攣などの神経症状、高体温や四肢の腫れなどの炎症症状が出てくることがあります。
これも原因となる成分はまだ解明されておらず、症状の出方も様々ですが、少量でもあげると危険な食べ物であることは間違いないようです。
またマカダミアナッツは粒が大きいため、腸の中で詰まってしまう腸閉塞という病気になる可能性もあります。大きい犬であれば、運よくうんちとして出せるかもしれませんが、何かあってからでは遅いもの。早めに病院に相談してください。
4.アボカド
特に女性に人気の高いアボカド。種類としては野菜と思われがちですが、分類は果物になります。
アボカドに含まれるぺルシンという成分が犬にとっては中毒物質となります。ペルシンの含有量は種類によって異なりますが、グアテマラ系のアボカドには多く含まれています。
重症化すると痙攣や呼吸困難に陥るケースも。
またアボカドの種はとても大きく、犬が飲み込んでしまうと喉に詰まったり腸に詰まったりする可能性があり、とても危険です。人が食べた後の処理も慎重に行ったほうがよいでしょう。
もし誤って食べてしまったら
ぶどうは食べてから2~5時間、キシリトールは30分以内、マカダミアナッツは12時間以内に症状が出始めると言われています。
もし食べてしまったらすぐ動物病院に連絡して、犬の状態に注意しながら連れて行きましょう。
30分以内であれば催吐処置で吐きだせるかもしれません。場合によっては、手術や入院をする可能性もあります。
食べた後でも犬の見た目がいつもと変わらず元気な子もいますが、数時間後に急激に症状が出てくる可能性があります。こちらで分かるくらいまでぐったりしてからでは犬がつらいだけです。
様子を見たりせず、早めに病院で診てもらいましょう。
まとめ
可愛い犬にお願いされるとついあげたくなっちゃうのが飼い主心。ですが、人間と犬はあくまでも別の生き物。体の作りも命の構造も違います。それを理解して時には心を鬼にしておすそわけしないこともまた愛情のひとつです。いつまでも健康に、そして毎日笑って。これからも楽しいドッグライフを過ごしていきましょう。