犬とキスすると起きる3つの悪影響
愛犬から「大好き!」とばかりに口元を舐められると、飼い主としては嬉しいものですね。
しかし愛情表現とはいえ犬と人間がキスすると、衛生上問題が起こることがあることが否めません。
これは人間同士でキスをしても起こり得るものですが、相手が犬である以上別の問題が出てくるもの。
ぜひ愛犬家の方は、犬とキスすると起きる3つの悪影響について理解しておきましょう。
1.犬から感染症がうつる
犬の口の中には人間の生態系とは異なる細菌が含まれており、口同士をつけるキスや傷口を舐めるといった行為で「人畜共通感染症(ズーノーシス)」と呼ばれる感染症を引き起こすことがあります。
犬とキスをすると起こりやすい感染症は次の通りです。
- サルモネラ菌
健康な犬でも少量のサルモネラ菌を保有しているため、キスを介して感染してしまうことがあります。感染すると、下痢や嘔吐や発熱の症状が現れるため注意が必要です。
特に免疫力が低い乳幼児や高齢者、病後の人は症状が悪化しやすく、最悪の場合死に至るケースもあります。犬とスキンシップをする際には十分気をつけてください。
- パスツレラ症
ごく稀なケースですが、犬とキスなどのスキンシップを介して「パスツレラ症」という感染を引き起こす可能性もあります。
パスツレラ菌は犬の口内にある常在菌ですが、人に感染すると関節に痛みを感じたり、発熱を引き起こし「骨髄炎」になることも。
重症化すると死亡することもあるので、異変を感じたらすぐに対処しなければなりません。感染症はすぐに症状が出るばかりではなく、一週間後に異常症状が出ることもあります。
- カプノサイトファーガカニモルサス症
犬の口内には「カプノサイトファーガカニモルサス」と呼ばれる細菌があり、ごく稀に人間にうつることがあります。
通常の接触では大きな問題にはならないものの、ごく少数の人が感染していることを知っておくべきでしょう。
感染すると頭痛や嘔吐や発熱症状が起こり、悪化すると「髄膜炎」を引き起こして危険な状態に陥ります。
犬とキスをしたり、噛まれたり、傷口を舐められたりした後はすぐに洗い流して、清潔にするように気をつけてください。
これらの感染症はごく稀なケースとはいえ、うつる可能性はゼロではないことを把握しておくべきです。
とくに体調がすぐれない時や高齢の方、子供、病気治療中の方は免疫力も低下しているため、愛犬とのスキンシップはキス以外の方法で行う方がいいでしょう。
2.犬に虫歯菌をうつしてしまう
人間の口の中にある虫歯菌はキスでも感染することがあり、愛犬へうつしてしまう可能性もあるので注意しなければなりません。
犬は人間より虫歯になりにくい生態ですが虫歯にならない訳ではなく、飼い主さんがうっかりうつしてしまうこともあります。
口同士の接触以外にも、飼い主さんがかじった食べ物を口にしても虫歯菌はうつってしまうので、くれぐれも気を付けてください。
3.アレルギー発症の原因に
犬とスキンシップを取ったらアレルギー症状を発症した例もあります。中には犬とキスをした後に唇が大きく腫れたり、痒くなったりする人もいます。
そもそも犬アレルギーの人が犬を飼うことで危険リスクは上がりますが、中には飼い始めてから何らかの症状に気づく人もいるので十分注意してください。
犬アレルギーの自覚がない人でも、皮膚が弱い人は舐められると肌を傷めることがあるので、犬とのスキンシップ方法を変えるべきです。
まとめ
いかがでしたか?犬とキスをしてスキンシップを図りたい人にとってつらい事実かもしれませんが、実際に起こり得る危険リスクなので覚えておかなければなりません。
キス以外にも犬の排泄物から感染することもあります。もし体調に何らかの異変を感じた場合は早期治療を行ってください。