『喜怒哀楽が激しい犬』への正しい接し方とは
どんな時でも愛犬の行動を制御できる信頼関係を築く
『喜怒哀楽が激しい犬』というのは、感情に任せて行動します。
散歩中に興奮して急に走り出したり、吠え始めると感情が落ち着くまで吠え続けることもあります。
ですが『喜怒哀楽が激しい』というのは、決してマイナス要因ではありません。むしろ「うれしい」「楽しい」というポジティブな感情も持っているので、「褒める」というご褒美を与えると「うれしい」という強い記憶が蓄積されていき、しつけがしやすいという長所を持っているとも言えます。
ですから愛犬が感情に任せて暴走していても、飼い主さんの「まて」の指示で愛犬の行動を制御できる信頼関係を築いておけば、どんなに「喜怒哀楽」の激しい犬でも、何も問題はありません。
犬の感情を理解する
愛犬が何をされたら喜ぶのか、何をされたら怒るのか、何を見たら怒るのかなど、愛犬の『喜怒哀楽』を刺激する要因を把握し、常に愛犬の精神状態、感情の動きを理解できるようにしましょう。
愛犬の目、口元、耳の動き、しっぽ、歩き方などをよく観察し、毎日愛犬の食事や排せつ、散歩、遊びなどの運動の世話をしていれば、必ず理解できます。
犬の感情に寄り添い、共有する
犬が嬉しいときは飼い主さんも一緒に喜び、犬が落ち込んでいるように見えるときはそっと支える。たとえ言葉を理解できなくても、犬の「喜怒哀楽」の感情に寄り添いましょう。
飼い主の感情も犬に理解させる
犬は、人間の声の高低と大小、そして表情から感情を学習できる動物です。
「どうせ話しかけても理解できないだろう」と思わずに、犬が楽しそうにしていれば笑顔で、犬を叱らなければならない時は毅然とした態度で接しましょう。
また、愛犬の感情に気を配るばかりではなく、愛犬を褒めるときは心から褒め、叱るときは厳しい表情をしっかりと見せて、メリハリある態度で愛犬と接し、愛犬にも飼い主さんの感情を学習させ、理解させましょう。
『喜怒哀楽の激しい犬』と『情緒不安定な犬』の違い
「喜怒哀楽が激しい」と「情緒不安定」の違い
人間の社会ではたびたび「喜怒哀楽が激しい」と「情緒不安定」が混同されていることがあります。
例えば人間の場合の「情緒不安定」は、「喜怒哀楽が激しい」、「急に怒ったり、泣いたりする」「常に悲観的」「突然、攻撃的になる」などの特徴が見られます。
ところが、「喜怒哀楽が激しい」とひとことにいっても、実際には「喜」や「楽」と言ったポジティブな感情を露わにすることは珍しいようです。
辞書によれば「情緒不安定」は、「心が安定せず、感情の起伏が激しくなっている様子」と記され、「喜怒哀楽」は感情そのもののことを言います。
「喜怒哀楽が激しい」というと、「感情の動きが激しい」とも言い換えることが出来、嬉しい、楽しい、という感情も激しく、ポジティブな感情もネガティブな感情ももれなくむき出しにする様子を言うのではないかという印象です。
「喜怒哀楽が激しい犬」と「情緒不安定な犬」の違い
これを犬に置き換えると「喜怒哀楽が激しい犬」と「情緒不安定な犬」はイコールのように思われそうですが、この2つは似ているようで全く違います。
「喜怒哀楽が激しい犬」は心が安定している上で感情をむき出しにしている犬のことで、「情緒不安定な犬」というのは、喜びや楽しさをむき出しに出来ず、突然怒ったり何かに怯えたりして、人間への不信感などから精神的に不安定になっている犬のことだと捉えれば「喜怒哀楽が激しい犬」と「情緒不安定な犬」には、かなり大きな違いがあると言えます。
まとめ
我が家の愛犬、アメリカン・コッカースパニエルのめいぷるは、とても感情豊かでいわゆる「喜怒哀楽が激しい犬」です。言い方を変えれば「感情表現が鮮やかな犬」です。
「喜怒哀楽の激しい犬」は感情によってさまざまに表情や仕草が変化します。そのおかげで、めいぷるが何を楽しいと感じ、何を我慢し、何に不満を覚えているのかがすぐにわかります。
「喜怒哀楽が激しい」と言うのは、決してマイナス要素ではありません。むしろ、飼い主さんのことを心から信頼し、犬にとって自分の感情を素直に出せる環境に身を置いているからこそあらわれる素晴らしい個性だと思います。ですから、「喜怒哀楽が激しい犬」だからと言って、特別な対処など必要ありません。
大切なのは、「喜怒哀楽が激しい犬」という個性を殺さないように、犬が嬉しいときは飼い主さんも心から犬の感情に同調して喜び、犬が怒っている時は、その感情を鎮められるように、普段からしっかりとした信頼関係を築いておくことではないでしょうか。