用意するもの
ハサミでは、慣れていないと愛犬の肉球を傷付けたり思うように切れなかったりと、慣れない人が肉球の隙間に生えている毛をしっかりカットすることは難しいことが多いでしょう。
そのため、足裏の毛をカットする際にはペット用バリカンをおすすめします。愛犬の足のサイズによっては、より小型の「部分用」バリカンを使用するとカットしやすいでしょう。
カット方法
1.愛犬の身体の支え方
愛犬の足の裏の毛を安全にカットするために、愛犬が動かないよう身体を保定する必要があります。利き手にはバリカンを持ちますので、もう片方の腕で愛犬を保定することになります。小型犬でしたら、テーブルや台にのせるとやりやすいでしょう。
飼い主さんの利き手とは反対方向を愛犬が向くように横向きに立たせ、バリカンを持たない方の腕で愛犬の横腹をおさえます。
飼い主さんの体に近い側の足の毛をカットする際は、腕で愛犬の横腹をおさえたまま手をお腹の下に通します。
2.足の持ち方
利き手にバリカンを持ち、もう片方の手で愛犬の足裏を後ろ側に持ち上げます。この時、愛犬の四肢を外側に開かせてしまうと骨格上の無理が生じますので、愛犬の脇や股を開かないようにすることがポイントです。
愛犬の足裏が天井を向くように足先を持ち上げます。また、足先を持っている手の指を使って肉球を優しく開くようにすると、肉球の隙間の毛をカットしやすいです。
3.押し付けずに優しくカットする
ハサミよりも安心とはいえ、バリカンでも怪我をさせる危険性があります。バリカンは押し付けず、優しくすくい上げるようなイメージで肉球の隙間に生える毛をカットします。慣れるまでは深くカットしようとせず、肉球に被る毛をカットできれば大丈夫です。
注意点
飼い主さんが慣れるまでは、カットする際に緊張で力んでしまいやすいため、注意が必要。また犬は、足先を触られることが苦手なことが多いため、強い力で足先を掴まれると余計に嫌がって暴れやすくなります。
愛犬が足先を触られることが苦手な場合には、カットの練習をする前に足先を触られたり握られたりしても平気でいられるためのトレーニングをしましょう。
また、飼い主さんの緊張が伝わると愛犬も緊張してしまうため、愛犬が動かないよう保定しつつも飼い主さんがリラックスして行うようにすると良いでしょう。
時間がかかってしまうことも、愛犬が飽きたり嫌になったりして動く原因になりますので、無理をせず「肉球に被る毛がなくなればOK」とか「足1本だけ」などと、短時間で済ませるようにすることも大切。愛犬が嫌がって動いてしまった時には一旦バリカンをオフにし、不意な事故を予防することも重要です。片手でオンオフがしやすい位置にスイッチがあるバリカンを選ぶと良いでしょう。
まとめ
トリミングは愛犬の見た目をより素敵にするためだけではなく、皮膚や被毛の健康を維持したり怪我を予防したりするためにも重要です。その中でも足裏の毛は、チェックを忘れがちになるかもしれません。足裏の毛で肉球が隠れてしまうとフローリング等のつるつるした床で滑る原因となり、怪我をしたり関節に余計な負担をかける恐れがあります。
犬種や被毛のタイプによって毛量や毛の伸び方は異なりますが、定期的に愛犬の足裏をチェックし、肉球がしっかり見えているかどうか確認することが大切です。飼い主さん自身が足裏の毛をカットすることができれば、次にサロンへ行くまでの間も室内での滑りにくさをキープすることができるでしょう。慣れるまでは飼い主さんも緊張してしまうかと思いますが、愛犬と一緒に少しずつ足裏カットにチャレンジしてみてください。