理由1.犬と飼い主さんの関係性が悪化する
犬が嫌がるようなことをすると、当然のことながら犬は飼い主さんに対して不信感を抱くようになります。嫌なことをしてくる相手のことを、信用できず警戒してしまうのは犬でも人間でも同じことです。
それまでの間、大切に育てて関係性を育んできたとしても、不信感を抱かせるような行為・行動をくり返すことで、信頼関係が崩れてしまう可能性があります。
関係性をつくり上げるのも、それを維持することも時間がかかることで簡単ではありませんが、それを壊すのはそう難しいことではありません。ちょっとした飼い主さんの行動で、関係性が崩れてしまうことがあるということをきちんと覚えておきましょう。
わざと嫌なことをしようとしているわけではなくても、犬にとって不快に感じることが続けばその可能性が高まるということもあわせて認識しておく必要があります。
また、犬が飼い主さんに不信感を持つようになると関係性が悪くなり、言うことを聞かなくなったりできていたことができなくなったりします。そのようにしつけがうまくいかなくなると、今度は飼い主さんの方もイライラしたり犬をかわいいと思えなくなったりして悪循環に陥ることがあります。
理由2.ストレスや精神的な負荷がかかる
犬が嫌がることすると、大きな精神的なストレスがかかります。ささいなことでも長期間にわたりくり返されれば、ストレスが積み重なってしまうでしょう。
ストレスが溜まって発散されない状態が続くと、犬の心身にさまざまな悪影響を及ぼすと考えられています。
ストレスが原因で吠える、暴れるなどの問題行動を引き起こすことも多く、いたずらやトイレの粗相が増える傾向もあります。
ストレスが原因で問題行動が起きている場合は、その行動だけを叱ったり止めようとしたりしてもほとんど効果はありません。一時的におさまっても、すぐに復活したり他のトラブルという形で出たりして根本的な解決には至らないでしょう。
また、ストレスが大きくなると、精神的に不安定になって夜鳴きや自傷行為などをするようになることもあります。自分の手足や尻尾を毛が抜けたり、血が出たりするほど舐めることもあるので、犬の様子には十分注意を払っておきましょう。
長期的に見ると、ストレスがかかりつづけることで免疫力が低下してしまうということも考えられます。免疫が低下することでさまざまな病気にかかりやすくなるため、愛犬の健康維持のためにもストレスケアは大切です。
犬が嫌がっているときに見せる態度とは?
愛犬の名前を呼んでも無反応
犬が飼い主さんからされることに対して嫌がっているときは、名前を呼ばれても反応しなくなりがちです。
特に名前を呼んで近くに来させたところで叱りつけたり、名前を呼ぶだけで何もいいことが起こらなかったりすることが続くと、呼びかけに反応しなくなってしまいます。
なでようとしたとき逃げる
犬はスキンシップが好きな動物ですが、それぞれの性格や気質によっては、しつこく触られることを嫌がる犬もいます。
特に、ハグやキスは嫌だと感じている犬も少なくありません。そのため、犬にとって過剰だと感じるスキンシップをしている場合には、なでようとしたり抱き上げようとしたりすると逃げてしまうことがあります。
また、顔まわりや手足の先などあまり触られたくない場所を触られることが多い場合や、触られたときに痛い思いをした経験がある場合にも、そのような行動が見られます。
犬のそばに座るといなくなる
近寄って来られることを嫌だと感じているときは、犬の近くに座ろうとするとスーッとどこかに行ってしまうことがあります。
飼い主さん自身は嫌がらせをしているつもりはなくても、かわいさ余ってからかうようなことをしてしまったり、気分によって態度が変わったりすることがあると犬は飼い主さんを避けるようになります。
また、お酒やたばこ、香水などの強いにおいを嫌がって、犬が離れてしまうこともあります。
まとめ
犬が嫌がるようなことをくり返すと、犬と飼い主さんの関係性が悪くなったり、犬にストレスがかかって心身に悪影響を及ぼしたりします。
こちらで紹介したような飼い主さんを避けるそぶりが見られる場合は、わざとではなく気がつかないうちに犬が負担に感じることをしてしまっている可能性があります。
犬の行動や態度がおかしいと感じたときは、普段の接し方を一度見直してみるといいでしょう。