タバコは犬にとっても悪影響を及ぼす
近年、タバコは喫煙者はもちろん、その周囲にいる人への悪影響にも警鐘が鳴らされています。副流煙によって、タバコを吸っていない人でも『受動喫煙』してしまい、喫煙者と同じようなリスクを負ってしまうというものです。
この副流煙による受動喫煙のリスクは、人間だけに影響するものではありません。実は、犬や猫といったペットにも同じリスクを負わせることになります。実際、飼い主が喫煙者である犬は、他の犬に比べて肺がんや鼻腔がん、副鼻腔がんの発生率が高いと報告されています。
また、飼い主が吸った吸い殻や置きっ放しにしていたタバコを誤飲してしまうことにより、ニコチン中毒を引き起こすリスクも高まります。もしも誤飲してしまうと、最悪の場合、死に至る危険性もあります。
タバコを吸っていない飼い主の場合でも、道端にポイ捨てされている吸い殻には気をつけなければいけません。
犬がタバコを誤飲してしまった際の超危険な症状とは?
犬がタバコを誤飲してしまうと、ニコチン中毒を発症します。食べた量やその後に吐き出したかどうかなどで、その中毒症状には差が出ます。中には放置していると死に至る危険性のある症状もあるので、注意が必要です。では、犬がタバコを誤飲してしまった際の超危険な症状には、どのような症状があるのでしょうか。
1.体がうまく動かなくなる
重度のニコチン中毒を発症してしまうと、普段は元気に動き回っている犬であっても、うまく体が動かなくなってしまいます。
ふらふらと覚束ない足取りで歩いていたり、上手く体が動かせず動けなくなってしまう犬もいます。食欲不振を引き起こす犬も多いです。
これは『運動失調』と呼ばれる症状で、そのまま放置したり悪化してしまったりすると、最悪の場合、死に至る危険性が高いです。少しでも違和感を感じたら、すぐに病院へ連れていきましょう。
2.呼吸困難、痙攣
ニコチン中毒は呼吸困難や痙攣といった重篤な症状を引き起こします。いつもより呼吸の速度が速かったり、苦しそうに「ゼェゼェ」と荒い息をしている場合は、タバコを誤飲したことによる重度のニコチン中毒症状の可能性があります。
また、中にはそのまま痙攣を引き起こし、意識を失ってしまう犬もいるので、タバコを誤飲した後に苦しそうな呼吸を繰り返している場合は、早めに病院へ連れていきましょう。
3.昏睡状態
呼吸困難や痙攣を引き起こした後、昏睡状態に陥ってしまう犬もいます。誤飲してしまった量やタバコのニコチン量などにもよりますが、昏睡状態に陥ってしまうとニコチン中毒が重症化している恐れがあります。
基本的には、このような症状が起こる前に、病院で適切な処置を受ける必要があります。
タバコの誤飲は病院へ!すぐに行うべき緊急処置方法を紹介
タバコの誤飲だけでなく、タバコの吸い殻を捨てている水を飲んだ場合も、同様のニコチン中毒リスクが発生します。では、もしも愛犬がタバコやタバコを捨てている水を誤飲してしまったと気づいた場合、飼い主はどのように対応するべきなのでしょうか。
よく食べてはいけないものを誤飲してしまった場合、水や牛乳を飲ませて毒素を薄くすると言われていますが、タバコの場合は、かえってリスクを高めてしまうため厳禁です。
基本的には、タバコをかじったり誤飲してしまったりした場合は、なるべく早急に吐かせることが重要です。かじっている場面を見つけたら、すぐに口から取り出すことで、ある程度リスクを下げることはできます。
しかし、すでに飲み込んでいる場合は、飼い主の対応だけでは吐き出させることは困難です。すぐにかかりつけの動物病院へ連れていき、獣医さんに処置してもらいましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬を飼っているご家庭でタバコを吸う場合、副流煙だけでなく、誤飲にも気をつけなければいけません。散歩中の拾い食いによる事故も多く報告されているので、常にタバコのリスクには注意して過ごしましょう。