犬が草を食べるのは珍しいことではありません
ネギ類が犬に中毒性を持っていることは、かなり周知されてきました。また、観葉植物の多くが犬に有害であることも知られてきています。そして実は、犬にとって中毒症状を引き起こす危険な野草も、たくさん存在しています。
2008年の調査で、犬が植物を食べるという行為が日常茶飯事であるということが判明しました。つまりいつもの散歩コースに自生している有害な野草を愛犬が口にしてしまうことは十分に有り得ることなのです。
今回は、国内に自生している野草の中でも、特に犬を死に至らせる可能性のある危険な野草をご紹介します。
犬が口にすると危険な自生している野草10選
1.アザレア
危険な部位
ツツジ科の植物で、樹高1~1.5mの低木です。植物全体が有毒です。
犬が口にすると現れる症状
摂食後6時間以内に胃腸炎を発症、よだれ増加、嘔吐、流涙、徐脈、衰弱、元気消失。重症の場合は昏睡、けいれん、死亡
時期
4月~5月
自生以外で植樹されていることの多い場所
庭木、生け垣、植樹帯、公園、庭園
2.アセビ
危険な部位
ツツジ科の植物で、樹高1.2~2.5mの低木です。全体的に有毒ですが、特に葉、花、花蜜が危険部位です。
犬が口にすると現れる症状
摂食後6時間以内に胃腸炎を発症、よだれ増加、呼吸困難、嘔吐、流涙、徐脈、混迷、昏睡、けいれん、死亡
時期
2月下旬~4月上旬
自生以外で植樹されていることの多い場所
庭木、生け垣
3.イチイ
危険な部位
イチイ科の植物で、イチイの仲間は樹高2~18mの高木です。毒性は樹皮、葉、種子にあり危険です。
犬が口にすると現れる症状
嘔吐、下痢、震え、虚脱、運動失調、呼吸困難、瞳孔散大、心不全、死亡
時期
秋頃に結実
自生以外で植樹されていることの多い場所
庭木、生け垣、公園、庭園
4.イヌサフラン
危険な部位
イヌサフラン科の植物で、草丈15cmの多年草です。毒性は球根、種子にあります。
犬が口にすると現れる症状
悪心、嘔吐、下痢、呼吸低下、筋力低下、虚脱、ショック、死亡
時期
9月中旬~10月
自生以外で植樹されていることの多い場所
花壇、鉢植え、公園、庭園
5.ジギタリス
危険な部位
ゴマノハグサ科の植物で、全体に有毒性があります。
犬が口にすると現れる症状
不整脈、動悸、腹痛、嘔吐、頭痛、めまい、運動失調、低血圧、ショック、錯乱、昏睡、死亡
時期
5月~6月
自生以外で植樹されていることの多い場所
花壇、鉢植え、公園、庭園
6.スイセン
危険な部位
ヒガンバナ科の植物で、草丈は20~40cm程度です。全体的に有毒ですが、特に鱗茎の部分が危険です。
犬が口にすると現れる症状
嘔吐、下痢、腹痛、けいれん、低血圧、死亡
時期
11月中旬~4月
自生以外で植樹されていることの多い場所
花壇、鉢植え、公園、庭園
7.スズラン
危険な部位
ユリ科の植物で、全体に毒性がありますが特に花弁、根の部分が危険です。
犬が口にすると現れる症状
嘔吐、食欲不振、下痢、運動失調、不整脈、血圧低下、錯乱、心臓麻痺、死亡
時期
4月~5月
自生以外で植樹されていることの多い場所
花壇、鉢植え、公園、庭園
8.スミレ
危険な部位
スミレ科の植物で、草丈10cm前後の多年草です。種子、根茎の部分に毒性があります。
犬が口にすると現れる症状
悪心、嘔吐、腹痛、神経麻痺、心臓麻痺
時期
4月~5月
自生以外で植樹されていることの多い場所
花壇、鉢植え、公園、庭園
9.ヒガンバナ
危険な部位
ヒガンバナ科の植物で、草丈30~50cm程度の多年草です。全体が有毒ですが、特に鱗茎の部位が危険です。
犬が口にすると現れる症状
悪心、嘔吐、腹痛、下痢、昏睡、死亡
時期
7月中旬~10月中旬
自生以外で植樹されていることの多い場所
植樹帯、公園、庭園
10.ネギ類
ネギ類に含まれるスルホキシドは、犬に急性貧血を引き起こし、死に至らせることもある有害物質です。ネギ類は私達の食材として身近にあるだけではなく、国内で自生しているネギ類もあり、注意が必要です。
国内に自生しているネギ類は、下記の通りです。
- ギョウジャニンニク
- ニラ
- ノビル
- ヤマラッキョウ
- アサツキ
まとめ
室内の食材や観葉植物、庭木などには気を使われている飼い主さんも多いと思います。しかし日本国内には、犬が口にすると、最悪の場合死に至る可能性もあるような危険な野草が多数自生しています。
国内で自生している有害な野草を事前に知っておくことで、愛犬との散歩コースで愛犬が危険な野草を口にしてしまうことのないように、しっかりと管理することができるでしょう。
犬が植物を口にすることは、決して珍しいことではありません。つい目を離したすきに愛犬が毒草を口にしてしまったというようなことのないように、十分に注意をしてあげてください。