犬の息づかいがなんだかおかしい…警戒すべき『呼吸の異常』4選

犬の息づかいがなんだかおかしい…警戒すべき『呼吸の異常』4選

「あれ、呼吸がいつもより速い?」ちょっとした違いが、実は犬の“呼吸の異常”を知らせるサインかもしれません。『呼吸数』や『音』に着目し、各病気の症状について学んでいきましょう。愛犬の異変を見逃さないで…!

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

知ってる?犬の正常な呼吸数

聴診器をあてられているポメラニアン

犬の呼吸数は、胸の上下運動の回数を測ります。「吸って吐く」の動作を1回とカウントし、10秒間〜1分間くらいを目安に測定します。異常をいち早く見つけるために、正常な呼吸数を知っておきましょう。

《正常な呼吸数の目安》

  • 眠っているとき:25回未満/分
  • 安静にしているとき:40回未満/分

運動後や興奮しているときにも呼吸が乱れることはありますが、安静時に1分間に40回以上呼吸していたら、犬の体が危険な状態にある可能性があります。反対に、呼吸数が少な過ぎても「低体温症」の疑いがあるため、油断してはいけません。

呼吸の異常に潜む病気の数々

舌を出すコッカースパニエル

1.ガチョウの鳴き声のような呼吸音

「ガーガー」とガチョウの鳴き声に似た呼吸は、ヨークシャー・テリア、チワワなどの小型犬に見られる症状です。首輪は気管を圧迫してしまうため、散歩中は胴輪への切替えを検討してみてください。

《考えられる病気》

  • 気管虚脱
  • 軟口蓋過長症

2.呼吸にヒューヒュー雑音が混ざる

ヒューヒューと雑音が混ざる呼吸は、「喘鳴(ぜんめい)」と呼ばれており、喘息の特徴とされています。フレンチ・ブルドッグ、パグなどによく見られます。

《考えられる病気》

  • 喉頭炎
  • 気管支喘息
  • 気管支狭窄

3.浅く速い呼吸を繰り返す

犬が口を開けて舌を出し、ハァハァと息切れしているような浅い呼吸を繰り返すことを「パンティング」と呼びます。短頭種に分類されるパグやブルドッグなどは、鼻で呼吸するのが難しいため、パンティングしやすいようです。

《考えられる病気》

  • 短頭種気道症候群
  • 鼻腔内腫瘍

4.フガフガと苦しそうに呼吸している

フガフガ言いながら息苦しそうにしている様子を見ると、飼い主としては心配ですよね。短時間で止まるようなら、それは「逆くしゃみ」かもしれません。ボストンテリア、シーズーなどに見られる症状です。

《考えられる病気》

  • 急性鼻炎

症状が悪化する前に!まずは病院へ

横になっているシュナウザー

落ち着くまで様子を見るべきか、重症化する恐れがあるのか、犬の呼吸器症状を見ても、素人目には判断が難しいのが現実です。手遅れにならないよう、早めの受診に越したことはありません。

《重症化しているときの症状》

  • 呼吸困難
  • チアノーゼ(舌が紫色に変色)を起こす

上記は血中の酸素濃度が低下している状態で、極めて緊急性の高い症状になりますので、覚えておきましょう。症状悪化を防ぐには、早期発見・早期治療が重要になってくるので、日頃から犬の変化には目を光らせておきましょう。

まとめ

窓の外を見つめるヨークシャーテリア

いくつか病気の例をご紹介しましたが、短頭種は、体の構造上、生まれつき気道が狭い傾向にあります。そのため、若齢であっても呼吸器疾患を発症しやすくなっています。

ここ数年でコロナ禍による生活様式の変化に伴い、オンライン診療に対応してくれる動物病院が増えてきました。「初診は不可」「症状に変化がない」ことが利用条件になっていますが、病院嫌いの犬には有り難いサービスだと感じます。

対面とオンライン、両方の使い分けができると、状況に応じた適切な診察が受けられると思うので、動物病院の情報はもれなくチェックしてみてください!

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