知ってる?犬の正常な呼吸数
犬の呼吸数は、胸の上下運動の回数を測ります。「吸って吐く」の動作を1回とカウントし、10秒間〜1分間くらいを目安に測定します。異常をいち早く見つけるために、正常な呼吸数を知っておきましょう。
《正常な呼吸数の目安》
- 眠っているとき:25回未満/分
- 安静にしているとき:40回未満/分
運動後や興奮しているときにも呼吸が乱れることはありますが、安静時に1分間に40回以上呼吸していたら、犬の体が危険な状態にある可能性があります。反対に、呼吸数が少な過ぎても「低体温症」の疑いがあるため、油断してはいけません。
呼吸の異常に潜む病気の数々
1.ガチョウの鳴き声のような呼吸音
「ガーガー」とガチョウの鳴き声に似た呼吸は、ヨークシャー・テリア、チワワなどの小型犬に見られる症状です。首輪は気管を圧迫してしまうため、散歩中は胴輪への切替えを検討してみてください。
《考えられる病気》
- 気管虚脱
- 軟口蓋過長症
2.呼吸にヒューヒュー雑音が混ざる
ヒューヒューと雑音が混ざる呼吸は、「喘鳴(ぜんめい)」と呼ばれており、喘息の特徴とされています。フレンチ・ブルドッグ、パグなどによく見られます。
《考えられる病気》
- 喉頭炎
- 気管支喘息
- 気管支狭窄
3.浅く速い呼吸を繰り返す
犬が口を開けて舌を出し、ハァハァと息切れしているような浅い呼吸を繰り返すことを「パンティング」と呼びます。短頭種に分類されるパグやブルドッグなどは、鼻で呼吸するのが難しいため、パンティングしやすいようです。
《考えられる病気》
- 短頭種気道症候群
- 鼻腔内腫瘍
4.フガフガと苦しそうに呼吸している
フガフガ言いながら息苦しそうにしている様子を見ると、飼い主としては心配ですよね。短時間で止まるようなら、それは「逆くしゃみ」かもしれません。ボストンテリア、シーズーなどに見られる症状です。
《考えられる病気》
- 急性鼻炎
症状が悪化する前に!まずは病院へ
落ち着くまで様子を見るべきか、重症化する恐れがあるのか、犬の呼吸器症状を見ても、素人目には判断が難しいのが現実です。手遅れにならないよう、早めの受診に越したことはありません。
《重症化しているときの症状》
- 呼吸困難
- チアノーゼ(舌が紫色に変色)を起こす
上記は血中の酸素濃度が低下している状態で、極めて緊急性の高い症状になりますので、覚えておきましょう。症状悪化を防ぐには、早期発見・早期治療が重要になってくるので、日頃から犬の変化には目を光らせておきましょう。
まとめ
いくつか病気の例をご紹介しましたが、短頭種は、体の構造上、生まれつき気道が狭い傾向にあります。そのため、若齢であっても呼吸器疾患を発症しやすくなっています。
ここ数年でコロナ禍による生活様式の変化に伴い、オンライン診療に対応してくれる動物病院が増えてきました。「初診は不可」「症状に変化がない」ことが利用条件になっていますが、病院嫌いの犬には有り難いサービスだと感じます。
対面とオンライン、両方の使い分けができると、状況に応じた適切な診察が受けられると思うので、動物病院の情報はもれなくチェックしてみてください!