体が大きくなるほど寿命が短くなる傾向がある
犬の平均寿命は年々伸び続けているともいわれており、なかには20年以上の寿命を全うするご長寿犬の存在もあります。犬全体での平均寿命は12〜15年とされていますが、体の大きさによってはそれよりも短命であることも珍しくありません。
小型犬の平均寿命は12年〜15年、中型犬は10年〜14年、大型犬の場合では最も短い9〜14年とされています。このように犬の体が大きくなるほど寿命が短くなるというのが一般的な傾向です。
その理由としては、大型犬はその大きな体を維持するために小型犬に比べて多くの細胞分裂を繰り返すことから成長が早い、臓器の比率が小型犬よりも小さい、IGF-1遺伝子との関係などがあげられます。
IGF-1 遺伝子は「インスリン様成長因子 1 (insulin-like growth factor 1)」というタンパク質ホルモンをコードしている遺伝子であり、研究を行った全犬種にわたって、 その遺伝子の変異と身体の小ささとに極めて強い関連性がみとめられました。
今回の記事では、数ある犬種のなかでも特に寿命が短いと考えられている犬種を紹介します。
<<参考>>NEDO海外レポート No.1003,2007.7.4,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
寿命が短いと言われている犬種1:グレートデーン
寿命が短いと言われている犬種としてまず紹介するのが「グレートデーン」です。
その体重は45kg〜90kg、体高は100cmを超えることもあり、2004年には「最も背の高い犬」としてギネス登録されたこともあるグレートデーン。その迫力ある見た目とは裏腹に「優しい巨人」と呼ばれるほど温和で愛情深い性格が特徴的な犬種です。
そんなグレートデーンの平均寿命は6年〜10年とされています。しかし、最高齢記録は14歳とされており、数年前では「グレートデーンの平均寿命は5年」といわれていたことを考慮すると年々その平均寿命は伸びていると考えられます。
寿命が短いと言われている犬種2:セントバーナード
寿命が短いと言われている犬種として次に紹介するのが「セントバーナード」です。
アルプスの少女ハイジに登場する「ヨーゼフ」のモチーフとなっている犬種としても知られるセントバーナード。その体重は50kg〜91kg、体高は65cm〜90cmとされており、温和でおっとりとした性格が特徴的な犬種です。
そんなセントバーナードの平均寿命は8年〜10年とされています。大型犬においては平均的な寿命ではありますが、その平均寿命を遥かに超えて尚、元気に暮らしているセントバーナードの存在もあるようです。
寿命が短いと言われている犬種3:ロットワイラー
また、「ロットワイラー」も寿命が短いと言われている犬種です。
筋肉質でがっちりとした体型とその勇敢さから、牧羊犬や番犬として活躍するロットワイラー。その体格は4段階に分類されるものの、体重は35kg〜60kg、体高は56cm〜69cmあり、ずば抜けた体力と物怖じしない性格、忠実さから警察犬や軍用犬として世界で活躍する犬種です。
そんなロットワイラーの平均寿命は8年〜10年とされているものの、近年ではその平均寿命を超えて尚、元気に暮らしているロットワイラーの存在もあるようです。
寿命が短いと言われている犬種4:ブルドッグ
寿命が短いと言われている犬種として最後に紹介するのが「ブルドック」です。
しわしわの顔が特徴的なブルドッグは、その愛嬌ある見た目とは裏腹に闘犬として作出された犬種です。日本国内で一般的にみられるイングリッシュ・ブルドッグの体重は18kg〜25kg、体高は31cm〜40cm程で中型犬に分類されますが、アメリカン・ブルドッグでは体重、体高共に倍以上になることも。
日本国内でのブルドッグの平均寿命は8年〜10年とされており、中型犬サイズでありながら大型犬と同等の平均寿命となっています。ただ、最高齢は17歳とされていることから適切なケアによって長生きしてもらうことも可能であると考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
寿命が短いと言われている犬種の例として、
- グレートデーン
- セントバーナード
- ロットワイラー
- ブルドッグ
の4犬種についてご紹介しました。
数ある犬種のなかでも、比較的寿命が短いといわれるワンちゃんを例として紹介しましたが、あくまで一般的に考えられているだけで育て方や環境、遺伝情報によっては平均寿命よりも長く生きることもあります。
もし大型犬をこれから飼おうと考えていても、寿命が短いからという理由で踏み切れない場合は、必ずしも早く寿命に達すると言う訳ではないということも片隅に置いておいて下さい。
大事なことは長さではなくどれぐらい楽しい時間を愛犬と過ごすことであると思うので、もし大型犬を迎える場合やすでに一緒に暮らしているのであれば質のある時間を過ごすようにしてください。そうすればワンちゃんも飼い主さんと出会えて良かったと思ってくれるはずです。