タバコが愛犬と飼い主に与える悪影響
タバコが及ぼす健康被害は誰もがご存じだと思います。タバコを吸われている自身が最もよく理解されているのではないでしょうか。タバコを吸っていることがきっかけで病気になり、入院することになったら愛犬はどうなるでしょうか。
ひとり自宅に残され、食事も水さえも与えてもらうことができません。犬には飼い主さんしか頼れる人がいません。ですから、飼い主さん自身が健康に注意していくことは愛犬のためにも自分のためにも大切です。
1.愛犬の受動喫煙
飼い主さんが自宅の室内でタバコを吸っている場合、犬も受動喫煙をしています。受動喫煙をしてしまった犬には、次のような症状が起こることがあります。
- 目を痒がる
- 涙が出る
- 目ヤニが出る
- 鼻水が出る
- くしゃみをする
- 咳をする
何かの影響を受けなければ、このような症状が頻繁に出ることはありません。タバコの受動喫煙が原因なのでは?と考えるべきです。
2.有害物質による三次喫煙
- ベランダや庭に出て吸っているから大丈夫
- 外出先では吸うけど帰宅後は吸わないから大丈夫
これは間違いです。タバコを吸う飼い主さんの髪や服にはタバコから出た有害物質が付着しています。その有害物質を犬が吸い込んでしまうことを三次喫煙や残留受動喫煙と言います。
タバコを吸った後、有害物質が付着した手で愛犬を撫でていませんか?愛犬の体にもタバコから出た有害物質が付着し続けています。一日中、有害物質と暮らしているようなものです。
3.肺ガン
受動喫煙や三次喫煙によって犬が肺ガンになることがあります。犬が肺ガンになることは稀なのですが、飼い主さんがタバコを吸う場合には発症する確率はうんと上がるでしょう。
犬の肺がんは初期ではほぼ症状がないので、悪化した状態で発見されることがほとんどです。咳が出る、呼吸困難などの症状がありレントゲン検査を受けることで発見され、CTやMRI検査で詳細な状況が把握されます。
4. 鼻腔腫瘍
受動喫煙や三次喫煙によって犬が鼻腔腫瘍になることがあります。犬の鼻腔腫瘍は根治することが難しいとされています。放射線治療などを行っても腫瘍細胞をゼロにすることができないため、抗がん剤投与も同時に行われることが多いです。
自分がタバコを吸っていることが原因なのでは…と考えると、ただただ悲しいばかりです。
5.短頭種
短頭種は、マズルの長い犬種に比べて呼吸器が弱いといわれています。気道は呼吸のたびに吸い込んでしまう空気中の異物などを捕まえ取り除く働きもしています。しかし、短頭種はマズルが短くこの働きが弱いのです。空気に煙草の煙が混じってしまうとさらに負担がかかります。
タバコの煙は風が発生しない状態でも7m先まで悪影響を及ぼすとされています。愛犬と過ごす室内でタバコを吸っていたらどうでしょう。愛犬は確実に悪影響を受けていると考えられます。
6.飼い主を失う
厚生労働省の研究報告によると、喫煙者と非喫煙者の10年間の死亡率を比べたとき、喫煙者の死亡リスクは男性が1.6倍、女性が1.9倍であったとされています。脳卒中や、くも膜下出血によって突然死してしまうケースもあるようです。
ある日突然、飼い主を失ってしまった犬はどうなるでしょう。家族や友人など引き取ってくれる相手がいるでしょうか。いなければ殺処分されてしまう可能性が高いでしょう。
まとめ
犬の飼い主がタバコを吸うべきではない理由について5つのテーマを取り上げてみました。
- 愛犬も受動喫煙をしている
- 愛犬も有害物質による三次喫煙をしている
- 肺ガンになる可能性が高まる
- 鼻腔腫瘍になる可能性が高まる
- 短頭種は影響を受けやすい
どれもこれも想像するだけで恐ろしいです。タバコを吸っている自身は何ともないのに、自身の喫煙が原因で愛犬を病気にさせてしまった…なんて悲しいですよね。