①上目遣いで飼い主を見つめる
飼い主さんに自分の気持ちが伝わらないときや構ってもらえないときなどに、悲しい思いをしていると犬は上目遣いで様子をうかがうようになります。あごをつけて床に伏せた状態で、目だけを動かして飼い主さんの様子を見つめていたり、気がついてほしくて視線を送ってきたります。
静かに場所を移動しながらチラチラと飼い主さんの顔を見たり、上目遣いで見つめながら「ふーっ」とため息をついたり…。このような悲しいアピールを見せているときは、飼い主さんに気がついてほしい、構ってもらいたいという気持ちが強いときだと考えられます。
②キュンキュン鳴く、遠吠えをする
犬は悲しい思いをしているときに、キュンキュンと鳴いたり、ヒーンと遠吠えをしたりします。特に子犬の場合は、母犬や兄弟犬など頼れる相手を呼ぶためなどに鳴くことがあります。これと同様に、遠吠えも仲間を呼ぶために行う行動だとされています。
家の中に飼い主さんや同居犬などがいる場合はあまり遠吠えをしませんが、呼びたい相手の姿が見えないときや留守番中などで心細さを感じているときには、大きな声で遠吠えすることもあります。犬が鳴いたり吠えたりしたからといって、「どうしたの?」と毎回反応してしまうと、構ってほしいときに声を出して呼ぶクセがついてしまいます。
鳴いたり吠えたりすることを定着させないためには、声を出して悲しいアピールをしていることに気がついても、あえて反応せず、静かになったところで相手をしてあげるようにするといいでしょう。
③前足や尻尾を舐める、噛む
犬はひとりでいることに対して悲しみを感じていたり、ストレスを抱えていたりすると、自分の前足や尻尾の先などを執拗に舐めたり、かじったりします。さみしさや悲しさ、ストレスを軽減するために無意識に近い状態で行う行動のため、毛が抜けたり皮膚から血が出たりしてもやめられなくなってしまうことがあります。
さみしさや悲しさを紛らわすために行っていますが、クセになってしまうと簡単にはやめられなくなってしまい、絶えず皮膚の状態が悪い状況が続いてしまうので注意が必要です。
このような様子が見られたときに過剰に反応すると、「手足を舐めていると飼い主さんが心配してくれる」と勘違いして、余計に自傷行為が増えてしまうことも。
舐めようとしている気配があったら、わざと大きな音を立ててほかに意識を向けるようにするなどして、自傷行為をさせないようにしましょう。それと同時に、犬がそのような行動を取る原因を考え、根本的な解決を図るよう努めてください。
④食欲や動く意欲がなくなる
犬が深い悲しみに囚われてしまうと、うつ状態になることがあります。そのような状況にまで陥ると、様々なことに対する意欲までなくなってしまいます。好きだったはずの遊びや散歩、食事に対して興味を示さなくなったり、呼びかけに対しても反応が鈍くなったりします。
人間同様、うつ状態になるのは様々な原因が考えられますが、飼い主さんとのコミュニケーション不足や運動不足、環境の変化などは大きな要因となることを覚えておきましょう。
ストレスや悲しみなどからうつ状態になった場合、動物病院で抗うつ剤などが処方されることもありますが、基本的には原因の解消が最も重要とされる解消方法です。犬の様子がおかしいと感じたら、行動観察とともに原因になるようなことはなかったか、日頃の接し方や生活環境を見直してみてください。
まとめ
犬は私たちと同じように、うれしい・楽しい・さみしい・悲しいと豊かな感情を持っています。犬たちが悲しいと感じる原因の多くは、仲間や家族との関わりの中にあると考えられます。
大切な相手がいなくなってしまったり、大好きな飼い主さんとのコミュニケーションが取れなくなったりということは、犬にとって非常に大きなダメージを与えることなのです。
愛犬の悲しそうな様子が見られたら、その状態が悪化してしまう前に原因を取り除き、十分コミュニケーションを取ってケアをしてあげてくださいね。