心理①「何があるんだろう?」という興味
犬が窓の外を見ている心理として、最も多いのが「外で何が起きているんだろう?」という興味や好奇心が働いているというものです。外を歩く人や車、散歩中の他の犬、空を飛んでいる鳥、降りしきる雨などに興味を示して、長い時間その様子を眺めていることがあります。
また、外で聞きなれない音や声がしたときに、その“発生源”を確認することもあるでしょう。いつも同じ時間帯に外を見ている犬の場合は、見知った顔の人が通ることを確認したり、天気を確認したりしている場合もあります。
特に、ひとりで留守番をしていて家の中に誰もいないときや、退屈をしているときなどは外を眺めて暇つぶしをしていることもあるでしょう。また、刺激がたくさんあって楽しそうに見えることから、「早く散歩に行きたいなぁ」と考えていることもあるかもしれませんね。
心理②「家を守る!」というテリトリー意識
近年、都市部では外飼いの犬は極端に減っています。しかし、一昔前までは犬は玄関先や庭につながれて、外部からやってくる見知らぬ人間に対して吠えるという番犬の役割を果たしてきました。犬は自分や家族、仲間を守るために縄張り意識を持ちます。
自分の縄張りに侵入してくる、または近づいてくる相手に対して警戒心を抱いたり、警告を与えたりすることは動物にとってごく自然な行動です。そうした本能を持っている犬は、当然のことながら現代でも数多くいます。そのため、縄張りである家の中から外を眺めて、怪しい人や敵と思われる人が近づいてこないか警戒していることもあるのです。
縄張り意識や警戒心を持って窓から外を眺めている場合は、見知らぬ人や車、バイクなどが近づいてくるとその相手が見えなくなるまで激しく吠えたてることがあります。
しかし、これは吠えるという行動が定着してしまいがちなので、番犬として飼っているのでなければできるだけやめさせることをおすすめします。外を通る人は、犬に吠えられようが吠えられまいがそこを通り過ぎていきます。
しかし、犬は「自分が吠えたから相手が逃げていった」と勘違いしてしまいがちです。そうした行動が繰り返されることで、嫌なものは吠えることで遠ざけることができるという、人間にとって望ましくない行動が定着してしまうのです。
また、外に人が通るたびに吠えていると近隣とのトラブルになることもあるため、注意しましょう。警戒心や縄張り意識で吠えている様子が見られるときは、犬が自由に外を眺めることができないように、配慮することをおすすめします。
心理③「飼い主さんはまだ?」と帰宅を待っている
家族の誰かが外出しているときは、「いつ帰ってくるかな?」「何をしているのかな?」と心配や期待の気持ちを持って外の様子をうかがっていることもあります。犬は飼い主さんが外で何をしているかわからないので、「どこに行ったんだろう?」と気になっている場合もあるでしょう。
特に、家族の帰宅を待っているときに、外で人の足音や車の音などが聞こえると窓に近づいて外の気配をうかがうことが多いと思います。
犬は音を聞き分ける能力に優れているため、飼い主さんの足音や車のエンジン音、カバンについているキーホルダーの音などを把握していることもあると考えられています。そのため、基本的には外の様子に興味を見せない犬も、飼い主さんに関わる音が聞こえたときだけ、急いで窓の外を見に行くということもあります。
まとめ
犬が窓の外の景色を見るのは、単純に興味や好奇心からということが多いと思いますが、中には縄張り意識や家族を守るための警戒心から外の様子をうかがうこともあります。
外の景色を眺めることは、楽しく気分転換になるというメリットがある反面、デメリットがあることも覚えておきましょう。縄張り意識の強い犬は「自宅前を人が通るだけで神経をとがらせて吠えたてることがあります。吠えられる人もびっくりしますし、近所迷惑になることもあります。
さらに、犬自身が常に緊張感を持つこととなり、ストレスや疲労につながることもあるのです。そのため、神経質なタイプの犬や警戒心の強い犬の場合は、あえて外が見られないようにして、家の中ではリラックスして過ごせるように工夫してあげるといいでしょう。