犬が飼い主を健康的にするって本当?
「愛犬との毎日の散歩が健康の秘訣」とする飼い主も多いですが、それだけではありません。私たち飼い主が気づかぬうちに愛犬から良い影響を受け、心と体の健康維持に繋がっているようなのです。
犬と人との繋がりを持つのは、愛犬と飼い主や家族だけではありません。病院で治療を受ける子供たちを元気づけたり、福祉施設で高齢者との触れ合いを楽しんだり、人の心に寄り添う役割を担って働く犬もいますね。一体どのような影響を与えているのでしょうか。研究結果をもとに分かりやすくご紹介します。
人間社会に暮らす犬の特性
犬は人に対する社会的な認知能力が高い動物です。視覚による認知能力は人に近いほど高いとされています。これは人間社会に暮らす犬の特性でもあります。
例えば、飼い主の行動を見て、愛犬が自ら行動を起こすことがあります。キャリーバッグを取り出すと自ら中に入って待つ。飼い主がパソコンを閉じるだけで「お散歩だ!」と大喜びする。
このように犬は飼い主と生活する中で人の行動をよく観察し、その行動にあった行動を自らも行っていて、それらが飼い主の心と体の状態に良い影響をもたらすようなのです。
理由としては、愛犬の行動によって飼い主にポジティブな感情を与えるからだそうです。犬は人の行動見て学び、人が喜ぶ行動を起こす、ということなのではないでしょうか。
犬と触れ合うと分泌されるホルモン
愛犬と飼い主が見つめ合ったとき、人の体内にはオキシトシンというホルモンが分泌されることが明らかになっています。麻布大学の研究チームによる論文ですが、日本でも多く報道され、世界的にも話題になりました。オキシトシンは「愛情ホルモン」や「幸せホルモン」とも呼ばれています。
犬と人が見つめ合ったときの人の体内のオキシトシン量は通常の3倍以上にまで増加するそうです。オキシトシンは私たち人間の体の中で「痛みの緩和」「ストレスの軽減」「心の癒し」などの働きを持つホルモンです。
犬の飼い主が健康的な理由
オキシトシンは私たち人間の体の中で「痛みの緩和」「ストレスの軽減」「心の癒し」などの働きを持つとされています。オキシトシンの分泌は、犬と人との触れ合い、人と人との触れ合いなど、肉体的な触れ合いによって分泌されます。
しかし、現代人のほとんどは肉体的な触れ合いよりもパソコンやスマートフォンやゲーム機などとの触れ合いが多く、オキシトシン不足であるとされています。
オキシトシンの分泌がもたらすこと
- 幸せな気持ちになれる
- ストレスが軽減される
- 脳と心が癒される
- 不安から解放される
- 信頼する気持ちが増す
- 社会と関わりたいという好奇心が高まる
- 学習意欲が高まる
- 心肺機能を高める
- 感染症の予防効果が高まる
オキシトシンの分泌が増えると、このような良い影響をもたらします。オキシトシン不足を抱える現代人が増える中、犬と暮らす飼い主はオキシトシンの分泌を促進する毎日を送っているのです。
犬は飼い主のストレスを癒す
人が緊張・不安・恐怖などによってストレスを感じたとき、コルチゾールというホルモンが分泌されます。オキシトシンにはこのコルチゾールを抑制する働きがあります。
仕事や人間関係でストレスを持ち帰ったとき、自宅で出迎えてくれる愛犬の姿を見た瞬間にオキシトシンが分泌され、ストレスは自然と軽減されているのです。さらに愛犬とのお散歩を楽しめば、心も体も軽くなるはずです。
まとめ
犬の飼い主が健康的だと言われる理由は「愛犬と飼い主が見つめ合ったとき、人の体内にはオキシトシンというホルモンが分泌される」という研究結果によって明らかにされています。オキシトシンは人の体内で分泌されますが肉体的な触れ合いが大きく関係しています。
人と人との触れ合いが不足する中でも、犬の飼い主は愛犬との触れ合いによってオキシトシン不足になる機会がなく、心も体も健康的でいられるということなのです。今日はいつもよりもギュッと強く愛犬を抱きしめてみてはいかがでしょうか♡