犬が『漂白剤』を舐めてしまったときの危険な症状4選!適切な対処法とは?

犬が『漂白剤』を舐めてしまったときの危険な症状4選!適切な対処法とは?

愛犬の誤飲・誤食で慌てた経験があるという飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。いざというときのために対処法を知っておくと安心です。今回は漂白剤を誤飲してしまった場合の症状と対処法をご紹介します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

そもそも漂白剤って何?

様々な種類のボトル

漂白剤とはその名の通り「色素を取り除いてモノを白くする」ために使用する薬剤です。家庭でよく使うものとしては、洋服に付いた食べこぼしのシミや汗ジミなどを除去するための衣料用漂白剤や、食器に付いた茶渋などを除去するための台所用漂白剤があります。また漂白剤はその成分によって大きく3種類に分けられます。

塩素系漂白剤

次亜塩素酸塩を主成分とする漂白剤です。最も強い漂白力と殺菌力が特徴ですが、それだけに肌に付くとかぶれたり、きつい塩素臭がしたりと、扱いを誤ると危険性も高いものとなっています。

酸素系漂白剤

過酸化水素や過炭酸ナトリウムを主成分とする漂白剤です。最近では酸素系漂白剤につけ置きすることが「オキシづけ」などと呼ばれて注目を浴びています。塩素系漂白剤と違って匂いはなく、色柄ものにも幅広く使えます。液体と粉末の2種類があります。

還元系漂白剤

二酸化チオ尿素などを主成分とする漂白剤です。他の2つがシミの成分を酸素と結びつけることで漂白するのと異なり、こちらはシミから酸素を抜き取ることで漂白します。そのため、鉄分が酸化したことで発生するサビを落とすのが代表的な使用例となっています。

漂白剤を舐めてしまったときの症状とは

目を閉じて口を大きく開けている犬

漂白剤の種類についてご紹介しましたが、いずれの漂白剤もわんこが口にしてしまうと有毒なことに違いはありません。漂白剤を舐めてしまったときに出る症状は下記のようになっています。

1.嘔吐・吐血

嘔吐は体内に入った異物を排出しようとする典型的な機能の1つです。また漂白剤によって内臓が傷ついてしまった場合、吐瀉物の中に血が混じったり、血を吐いたりすることもあります。

2.よだれが出る

嘔吐や吐血にまでは至らない場合でも、漂白剤の味や匂いの違和感や不快感からダラダラとよだれを多量に流す場合があります。

3.舌がただれる

特に塩素系漂白剤に触れた場合、舌や接触した皮膚がかぶれたりただれたりすることがあります。人間でも塩素系漂白剤を触ると指がヌメヌメすることがあると思います。これは漂白剤の成分によって皮膚が溶けているからなのです。

4.涙が出る

漂白剤を舐めようと近づいた際に漂白剤から発生するガスが目に入ると、白目が充血し、涙が出ることもあります。

慌てずに!漂白剤を舐めてしまったときの対処法

透明なボウルで水を飲んでいる犬

愛犬が漂白剤を舐めてしまったことに気づいたら、もちろん一番は動物病院を受診することです。ですが受診までに時間を要する場合や、どのくらいの量を飲んだかわからず判断に迷う場合などには、家庭での応急処置を行うこともできます。ただしあくまで応急処置ですので、可能な限り獣医師の指示を仰ぐようにしてください。

水・牛乳を飲ませる

異物を飲んでしまった場合には、まず異物を吐き出させることが基本です。ですが、漂白剤の場合には違います。漂白剤は吐かせると食道や口腔内がただれてかえって症状が悪化してしまうことがあるため、とにかく体内の漂白剤濃度を薄めることに努めます。

そのために水を飲ませたり、可能であれば牛乳やヨーグルトを飲ませたりしましょう。牛乳やヨーグルトは消化管内に被膜を作ってくれるので、漂白剤が吸収されるのを防ぐ効果があります。

流水で洗い流す

ご紹介した通り、漂白剤が舌や皮膚、粘膜に付くとその部位がただれたりかぶれたりします。そのため口腔内に付いた漂白剤も徹底的に洗い流すことが必要です。蛇口に顔を近づけさせて流水で洗ったり、シャワーを口の中にかけたりしてよく洗い流しましょう。

まとめ

病院で聴診器を当てられている犬

いかがでしたでしょうか?誤飲・誤食してしまった際の症状や対処法について知っておくことはとても重要ですが、最も大切なのは日頃から誤飲・誤食をしない、もしくはできないような環境を作っておくことです。

漂白剤に限らず、わんこの身体にとって有毒なものの誤飲・誤食は命に関わることもあります。今一度、愛犬を取り巻く生活環境を見直し、危ないと思う点は改善していくよう心がけましょう。

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