犬も『仮病』を使うことはあるの?
今回は、犬の『仮病』についてお話ししていきますが、そもそも犬は人間のように仮病を使うことがあるのでしょうか。結論から言うと、正解とも不正解とも言えません。
犬は「仮病を使って嫌なことから逃れよう」などという考えは持ち合わせていません。そもそも仮病という概念は人間特有のものなので、犬には『仮病』という概念は存在しません。
では、犬は仮病をしないのかといえば、それも違います。『仮病』という概念は持っていないものの、「以前こんな行動をしたときに飼い主はこんな反応をした」と学習する能力には長けています。
つまり、以前体調不良や怪我をしたときに、飼い主が甘やかしてくれたことを記憶していれば、仮病のような行動を起こすことはあるのです。
実際、具合が悪そうだと思って様子を観察していたら、飼い主が離れた際、突然元気な姿を見せた…という衝撃的な経験をする飼い主は少なくありません。犬は私たちが思っている以上に賢いのです。
犬が『仮病』を使っているときにする仕草や態度
犬に『仮病』という概念はなくとも、仮病のような行動をとることはあります。しかし、犬の『仮病』を見破るのは至難の業です。どのような行動を見て仮病か本当の体調不良かを判断するべきなのでしょうか。
1.飼い主が見えなくなるとケロッとしている
先ほど例に出しましたが、飼い主が傍にいるときは体調が悪そうにしているのに、飼い主が離れて遠くから観察した際、突然シャキっと立ち上がり元気に移動したり、ごはんを食べ始めたりする場合は、仮病の可能性があります。
人間の子どものような行動ですが、飼い主の前では以前、飼い主が甘やかしてくれたときの行動を真似し、飼い主がいなくなったら平常時の行動をとることで、不便なく過ごそうとしているのです。策士ですね。「あれ?さっきまでは体調が悪そうだったのに…」と驚くこともあるかもしれませんが、何食わぬ顔で近づき、しばらく様子を見守ってみましょう。
2.おやつを出すと途端に元気になる
犬は動物なので、本能には逆らえないことが多いです。その習性を利用し、愛犬が体調の悪いときに、愛犬が食いつきそうな物を見せてみましょう。例えば、おやつや散歩、おもちゃといった犬が好きな物や日課です。
おやつを好きな犬は多いので、「おやつ、食べる?」とおやつを見せると、先ほどまで体調が悪そうだった愛犬が途端に目をキラキラさせ、嬉しそうに駆け寄ってくる…というケースは珍しくありません。
犬は体調不良の場合、大好きなおやつであっても不安や痛みから食べることを拒否します。もしも前述のような行動が見られたら、仮病だと思って良いでしょう。
3.何回か同じ場面で同じ症状を訴える
頻繁に体調不良を引き起こす愛犬を見ていると、飼い主としては不安になりますよね。しかし、いつも動物病院に連れて行っても異常は見られず、問題なく帰ってくる…という場合、体調不良を訴えているタイミングを思い返してみてください。
自分が要求していることを叶えてもらえなかったとき、あるいは飼い主になかなか構ってもらえなかったときなど、決まったタイミングで体調を悪くしていませんか。この場合は、「体調が悪いように見せることで構ってもらえる」「願いを受け入れてくれる」と思っている可能性があります。
このパターンが疑われる場合は、次回体調不良を引き起こした際、その状況を詳しく確認しましょう。もしも再度同じ状況で体調不良を引き起こしている場合は、愛犬に見えない場所からしばらく観察してみましょう。意外と飼い主がいない間に元気そうな様子を見せているかもしれません。
当てはまっても心配ならば病院へ!
今回紹介した仮病のサインは、あくまで推測です。本当に体調が悪い可能性も否めないので、次の日になっても体調が悪そうな様子を見せていたり、下痢や嘔吐といった明らかな症状を引き起こしていたりする場合は、動物病院で診てもらいましょう。
動物病院で診察してもらっても、特に異常が見つからない場合は、ストレスや仮病の可能性が高いです。しかし、診てもらうことで安心できるので、結果として「何もなくてよかった」と受け入れましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬はとても賢い動物なので、人間でいう『仮病』のような行動を起こすことも珍しくありません。しかし、本当に体調が悪い場合もあるので、心配な場合や翌日まで続く場合は診てもらいましょう。