心理①うれしい、楽しい
犬が笑顔になるときの心理としてまず考えられるのが、「うれしい」「楽しい」というポジティブな感情になっているときです。飼い主さんが帰宅したときや大好きなおもちゃで遊ぶときなど、目をキラキラと輝かせて明るい笑顔を見せてくれることがあると思います。
目は穏やかに開き、期待のこもった視線を送り、口元は緩んで軽く開いています。そんな愛犬の明るい笑顔を見ると、こちらまでうれしくなってしまいますよね♪
また、笑顔を見せる犬の中には、飼い主さんの笑顔を真似しているということがあるとも考えられています。さらに、自分が笑顔を見せたことで大好きな飼い主さんも笑顔になったり喜んでくれたりした経験から、飼い主さんのことを喜ばせたくて頻繁に笑顔を見せる犬もいるようです。
心理②敵意がないことを伝えたい
犬は「カーミングシグナル」というボディランゲージを使用して、自分の気持ちを落ち着かせたり、対峙している相手を落ち着かせようとしたりすることがあります。
「カーミングシグナル」は、現時点で全27種類あることがわかっており、そのひとつが笑顔に見える表情なのです。厳密に言うと「口元を後ろに引く」という表情で、これが笑顔に見えるのです。
犬はこのような表情を見せることで、相手に対して敵意や争うつもりがないことを伝えます。初めて会った犬や怒っている人や犬と対峙したときに、このような表情を見せた場合「あなたと喧嘩するつもりはありません」「落ち着いて!」という意思表示をしていると考えましょう。
軽い服従の感情が含まれていることも多く、頭の位置や姿勢を低くしてゆっくりと近づいたり、ひっくり返ってお腹を見せたりすることもあります。特に喧嘩ごしの相手に対しては、歯を見せることで威嚇していると捉えられないために、口は閉じた状態で口角を引くということも多く見られます。
心理③リラックスしている
飼い主さんと家の中でくつろいでいるときなどにも笑顔を見せることがあります。安心しきってリラックスしていると、目を細めたり口元が緩んだりしてにっこり笑っているような表情になることがあるのです。
誰かに見せるための笑顔というより、顔の筋肉の緊張がなくなり、柔らかな表情になっているイメージで、安心感や満足感で満たされていることが感じられます。
心理④ストレス、緊張している
犬はうれしいときや安心しているときなどに笑顔を見せますが、極度の緊張状態にあるときやストレスを感じているときにも笑顔に似た表情を見せることもあります。
笑顔のように見えるので非常に勘違いされやすいのですが、口角が非常に強く後ろに引かれて口元にシワが寄り、目を大きく見開いているので、よく見ると顔が引きつっていることがわかります。
また、ストレスがかかりすぎると、口を開いて舌を出し、ハアハアとパンティングをすることもあります。これは「ストレススマイル」と呼ばれ、雷や花火などの大きな音を聞いたときや人混みでパニックに陥ったとき、苦手な病院で診察を待っているときなどに見られることがあります。
このような表情を見せているときは、耳の付け根に力が入っていたり、腰が引けて尻尾が丸まっていたりします。
体の他の部分で緊張や恐怖、ストレスを感じていることがあらわれているので、ぜひ全身の状態をチェックしてみてください。また、声をかけても緊張によって聞こえなくなってしまっていて、反応しないことも多くあります。
まとめ
犬はうれしいときや楽しいときはもちろん、飼い主さんを喜ばせるためだったり緊張しているときだったりと、様々な感情に伴って笑顔を見せます。状況や心理によって笑顔も微妙に異なりますが非常に些細な違いであるため、表情だけではなかなかその心理を理解できない場合も少なくありません。
しかし、うれしいときには尻尾を大きく振っていたり、緊張しているときには尻尾が丸まっていたりと、全身状態から判断することができます。愛犬の心理や感情を理解するために、ぜひ日頃から表情やボディランゲージに注目してみてくださいね。